第5号議案
取締役等に対する業績連動型株式報酬制度の継続及び一部改定の件

1.提案の理由及び当該報酬等を相当とする理由

 当社は、2018年6月19日開催の第15回定時株主総会において、当社の取締役及び執行役員(社外取締役及び国内非居住者を除く。以下「取締役等」という。)を対象とする業績連動型株式報酬制度(以下「本制度」という。)を導入することにつき、株主の皆様にご承認いただき、今日に至っております。
 今般、新たに「中期経営計画2023」を策定したことから、当該計画の目標を達成し、当社グループの中長期的な業績及び企業価値向上への取締役等の貢献意欲をさらに高めることを目的に、本制度に基づく報酬を「業績連動部分」で構成するものとし、その評価指標及び報酬の変動要因を見直すと共に、本制度の継続に伴う所要の変更を行うものです。
 当社の取締役等の報酬に関する基本的な考え方は、双日が掲げる「2つの価値」、すなわち「双日が得る価値」及び「社会が得る価値」の創造・提供の実現に向け、持続的成長と中長期的な企業価値向上を強く推し進めるためのインセンティブとなる制度であり、また、2030年に目指す姿「事業や人材を創造し続ける総合商社」を強く推し進めるものとし、「役員報酬ポリシー」(当社における取締役等の個人別の報酬等の内容に係る決定方針)を2021年4月開催の取締役会にて決議いたしました。その概要は本議案の末尾のとおりであり、当該ポリシーは、本議案が可決された場合も変更は予定しておりません。
 本議案は、取締役等の個人別の報酬等を支給するために当該ポリシーに沿った合理的な内容となっており、相当であると考えております。
 なお、本議案が可決された場合も、2007年6月27日開催の第4回定時株主総会においてご承認いただきました取締役の報酬等の額(年額5億5,000万円以内(使用人兼務取締役の使用人給与分を含まない。))に変更はございません。
 本制度の対象となる取締役の員数は、第3号議案(取締役8名選任の件)が原案どおり承認可決されますと、本株主総会終結の時において4名となります。また、本制度は執行役員も対象としており、本制度の対象となる取締役を兼務しない執行役員の員数は本株主総会終結の時において19名となる予定です。本制度に基づく報酬には執行役員に対する報酬も含んでおりますが、本制度は、取締役に対する株式報酬と執行役員に対する株式報酬と一体として取り扱うものであるため、本議案は、本制度に基づく報酬の全体につき、その額及び株式数の上限等を提案するものであります。
 なお、当社は、報酬決定プロセスにおける透明性・客観性を担保するため、取締役会の任意の諮問機関として、社外取締役を委員長とし、社外取締役が過半数を占める報酬委員会を設置しており、本議案については、報酬委員会の審議を経て、取締役会にて決議しております。

2.本制度における報酬等の額・株式数の上限等
(1)本制度の継続

 本制度は、中期経営計画の対象となる3事業年度(以下「対象期間」という。)を対象としております。本制度が当初対象とした3事業年度(2019年3月31日で終了する事業年度から2021年3月31日で終了する事業年度まで)が終了したため、中期経営計画の対象となる3事業年度を新たな評価期間として、本制度を継続いたします。本制度継続直後の対象期間は、「中期経営計画2023」の対象となる3事業年度(2022年3月31日で終了する事業年度から2024年3月31日で終了する事業年度まで)までとします。
 本制度の継続にあたり、従前の本制度内容を一部改定いたしたく存じます。改定後の本制度の内容は次のとおりです。

(2)改定後の本制度の概要

 本制度は、取締役等に対して、中期経営計画等の目標達成度等に基づき算定される当社株式及び当社株式の換価処分金相当額の金銭(以下「当社株式等」という。)並びに当社株式に生じる配当金の交付及び給付(以下「交付等」という。)を、当社が設定した信託(以下「本信託」という。)を通じて行う株式報酬制度です(詳細は(3)以降のとおり)。



(3)当社が拠出する金員の上限等

 本制度の対象期間中、当社は取締役等の報酬として、対象期間毎に上限額を18億円として信託金を拠出し、受益者要件を充足する取締役等を受益者として対象期間に相当する期間の本信託を設定します。本信託は、信託管理人の指図に従い、信託金を原資として当社(自己株式の処分)又は株式市場から取得します。
 当社は信託期間中、取締役等に対しポイント(下記(4)のとおり。)を付与し、本信託は、一定の受益者要件(下記(5)のとおり。)を満たす取締役等に対し、取締役等の退任後に当社株式等の交付等を行います。
 また、本信託の信託期間の満了時において、信託契約の変更及び追加信託を行うことにより本信託を継続することがあります。その場合、さらに本信託の信託期間を3年間延長し、当社は延長された信託期間毎に、本株主総会の承認決議を得た信託金の上限額の範囲内で追加拠出を行い、引き続き延長された信託期間中、取締役等に対し、ポイントの付与を継続します。ただし、かかる追加拠出を行う場合において、延長する前の信託期間の末日に信託財産内に残存する当社株式(取締役等に付与されたポイントに相当する当社株式で交付等が未了であるものを除く。)及び金銭(以下「残存株式等」という。)があるときは、残存株式等の金額と追加拠出される信託金の合計額は、本株主総会で承認決議を得た金員の上限額の範囲内とします。この信託期間の延長は、一度だけに限らず、その後も同様に本信託を再継続することがあります。
 本信託を終了する場合においても、信託期間(本信託の継続が行われた場合には、延長後の信託期間)の満了時に、受益者要件を満たす可能性のある取締役等が在任している場合には、直ちに本信託を終了させずに、当該取締役等が退任し、当社株式等の交付等が完了するまで、最長で10年間、本信託の信託期間を延長します。ただし、その場合には、取締役等に対する新たなポイントの付与は行いません。

(4)取締役等に交付等が行われる当社株式等の数の上限等

 毎年6月に、役位に基づいた基準ポイントを付与し、対象期間の終了後、累積された基準ポイント(以下「累積ポイント」という。)に、評価指標の達成度に基づく業績連動係数を乗じて計算されるポイント(以下「株式交付ポイント」という。)に応じて取締役等に交付等が行われる当社株式等の数が決定されます(※1)。対象期間の途中で退任(死亡を含む。)し、又は非居住者となった場合は、その時点の累積ポイントを株式交付ポイントとします。なお、目標達成時を100%として、60~200%の範囲で変動するよう設計しています。
 本信託の信託期間中に取締役等に対して付与される株式交付ポイントの総数の上限は、3事業年度毎に600万ポイント(600万株相当)といたします。この株式交付ポイントの総数の上限は、上記(3)の信託金の上限額を踏まえて、直近の株価等を参考に設定しています。なお、株式交付ポイントの総数の上限の当社発行済株式総数(2021年3月31日現在、自己株式控除後)に対する割合は約0.5%です。
 取締役等に交付等が行われる当社株式等は、在任中に付与された株式交付ポイントの累積ポイント数(以下「累積株式交付ポイント」という。)に応じて、1ポイントにつき当社株式1株として決定します。なお、本信託に属する当社株式が株式の分割、株式の無償割当て、株式の併合等によって、増加又は減少した場合、当社は、その増加又は減少の割合に応じて、1ポイント当たりに交付等が行われる当社株式等の数を調整します(※2)。

※1 2024年3月31日で終了する事業年度までの対象期間については、連結当期純利益の累計額、当社株式成長率及びESG関連指標(脱炭素、社会課題への対応、女性活躍、育児休暇取得、社員意識調査(主要項目)の伸び、ガバナンス強化等)を評価指標とします。2025年3月31日に終了する事業年度以降の評価指標は、取締役会において別途決定するものとします。
※2 本株主総会 第2号議案 株式併合の件が承認可決された場合、2021年10月1日を効力発生日として実施する株式併合により、1ポイントは当社株式0.2株となる予定です。

(5)取締役等に対する当社株式等の交付等の方法及び時期その他株式交付条件

 受益者要件を満たす取締役等は、退任後(死亡時は除く)に、上記(4)に基づき算定される累積株式交付ポイント数の70%に相当する株数の当社株式(単元未満株式については切り捨て)の交付を受け、残りの当該ポイント数に相当する株数の当社株式については、換価した上で、その換価処分金相当額の金銭の給付を受けるものとします。
 また、信託期間中に受益者要件を満たす取締役等が死亡した場合は、その時点での累積株式交付ポイント数に応じた株数の当社株式について、その全てを本信託内で換価した上で、その換価処分金相当額の金銭について、当該取締役等の相続人が本信託から給付を受けるものとします。
 なお、受益者要件を充足する場合であっても、重大な会計の誤りや不正による決算の事後修正が取締役会で決議された場合、又は取締役等による非違行為が取締役会で確認された場合には、全部若しくは一部の当社株式等の交付等を行わず、又は交付等を行った当社株式等若しくはその相当額の全部若しくは一部の返還を求めることができるものとします。

(受益者要件)
・対象期間中に取締役等として在任していること(本制度開始以降に新たに取締役等となった者も含む)
・取締役等を退任していること
・国内居住者であること
・会社の意思に反して自己都合で退任した者(傷病等やむを得ない事由による自己都合退任を除く)及び在任中に一定の非違行為等を行っていないこと
・その他本制度の趣旨を達成するために必要と認められる要件

(6)本信託内の当社株式に関する議決権行使

 本信託内にある当社株式(取締役等に交付等が行われる前の当社株式)については、経営への中立性を確保するため、信託期間中、議決権を行使しないものとします。

(7)本信託内の当社株式の配当の取扱い

 本信託内の当社株式について支払われた配当は、本信託が受領した後、本信託の信託報酬・信託費用に充てられるほか、配当基準日における取締役等の保有するポイント数に応じて、1ポイント当たり1株※の配当額に相当する金額を留保し、上記(5)により交付等が行われる当社株式等と共に取締役等に給付されます。
※ 本株主総会 第2号議案 株式併合の件が承認可決された場合、2021年10月1日を効力発生日として実施する株式併合により、1ポイントは当社株式0.2株となる予定です。

(8)その他の本制度の内容

 本制度のその他の内容については、本信託の設定、信託契約の変更及び本信託への追加拠出の都度、取締役会にて定めます。

(ご参考)

●取締役等の報酬制度見直しの背景
 当社は中長期的な業績向上と企業価値向上への貢献意識を高めることを目的に、会社業績との連動性が高く、かつ透明性・客観性の高い役員報酬制制度として、2018年に、現行の取締役等に対する業績連動型株式報酬等の報酬制度を導入しました。
 現行の株式報酬制度が対象とした3事業年度の満了、及び新中期経営計画の策定に先立ち、報酬委員会を中心に、当社のあるべき役員報酬制度について議論を行う中で、現行の報酬制度の課題を以下と認識しました。
①基本報酬の比率が高く、報酬と業績の連動性が低い。
②評価指標が「単年度の連結当期純利益」のみとなっており、中長期の企業価値向上への取り組み・進捗が十分に反映されていない体系となっている。
 このような課題認識の下、中長期的な企業価値向上を一層推し進めるための役員報酬制度の見直しについて、報酬委員会を中心に1年以上にわたり多くの議論を重ね、この度、「役員報酬ポリシー」を策定の上、現行の報酬制度全般を改定することといたしました。

●報酬制度の内容
【取締役及び執行役員(社外取締役を除く)】
 基本報酬と業績連動報酬に大別し、中長期の業績連動報酬はペイフォーミッション、すなわち当社の企業理念の実現、及び「2つの価値」の創造・提供を加味したものといたします。
 報酬比率については、全体に占める基本報酬比率を一律77%から職責に応じて54~66%程度へ引き下げ、業績連動報酬比率を引き上げます。
<業績連動に係わる各指標の目標を100%達成した場合>


【社外取締役】
 基本報酬100%といたします。取締役会議長、指名委員会及び報酬委員会の各委員長には別途手当を支給いたします。

●役員報酬ポリシー


【当社代表取締役社長の報酬イメージ】


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2021/06/18 12:00:00 +0900
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