当社グループは、総合商社として、物品の売買及び貿易業をはじめ、国内及び海外における各種製品の製造・販売やサービスの提供、各種プロジェクトの企画・調整、各種事業分野への投資、並びに金融活動などグローバルに多角的な事業を行っております。
当連結会計年度(以下、当期という)は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大と多くの国における都市封鎖・渡航制限・外出自粛など感染拡大防止対策の影響などにより世界経済は大きく減速しました。各国政府が財政・金融対策を打ち出し、夏期には回復基調になったものの、変異株ウイルスの流行などにより感染拡大ペースが再加速しています。先進国を中心にワクチン接種の普及が期待されるものの、依然として経済活動への影響が続く可能性があります。
米国は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が高水準で続くものの、ワクチン接種が普及しつつあり、個人への給付金や追加経済対策などを背景に経済は持ち直しつつあります。今後、米中間のデカップリングの動きが半導体をはじめとした電子部品等のサプライチェーンにどのような影響を及ぼすのか注視が必要です。
欧州は、変異株の感染急拡大に伴う断続的なロックダウン実施の影響などにより経済の落ち込みが大きく、若年層を中心とする失業の長期化など雇用・所得環境の回復が遅れる可能性があります。また、英・EU通商協定は合意されたものの、非関税障壁により貿易への影響が懸念されます。
中国は、局所的な都市封鎖や市民の隔離などにより、全国的な感染再拡大は回避しています。電気製品・部品を中心とした輸出が好調ですが、国内の債務不履行の増加に伴う信用収縮、米中対立の深刻化などのリスクには引き続き注意を払う必要があります。
東南アジアは、感染状況の違いなどから、プラス成長を遂げるベトナムと感染が依然拡大するインドネシア・フィリピンなどの間で経済回復度合いに差がみられます。各国でワクチン接種が開始されていますが、進捗にはばらつきが出ています。普及に時間を要した場合、回復ペースが緩やかとなる可能性があります。
日本は、輸出の拡大や経済対策による企業活動持ち直しの兆しがありましたが、冬場の感染再拡大により、経済の下押し圧力が強まっています。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発出される状況下、対面サービス業を中心とする内需の縮小、米中対立に伴う世界経済の影響に引き続き注意する必要があります。