事業の経過及び成果

 1  事業内容

 当社グループは、総合商社として、物品の売買及び貿易業をはじめ、国内及び海外における各種製品の製造・販売やサービスの提供、各種プロジェクトの企画・調整、各種事業分野への投資、並びに金融活動などグローバルに多角的な事業を行っております。

 2  事業の経過及び成果

 当連結会計年度(以下、当期という)は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻開始や、これに対する各国制裁の影響も相まって、世界経済への下押し圧力が拡大しています。資源価格の高騰、サプライチェーンの混乱に伴う供給制約とインフレの進行、さらには各国中銀の金融引き締めによる急激な金利上昇と円安進行など、新型コロナウイルス感染症の再拡大の可能性と共に、引き続き警戒が必要です。
 米国では、2022年3月にFRBが利上げを開始したことに加え、6月より量的引き締めへの移行に伴う資産縮小プロセスの開始が決定されました。ウクライナ情勢の影響もあり、インフレ率の高止まりは長期化が予想されていることから、今後も積極的なインフレ対策の実施が見込まれます。政府、民間に関わらず利払い負担が増大することによる景気への影響に注意が必要です。
 欧州では、ECBがインフレへの対応をこれまで以上に重視する姿勢に転換しています。また、対露制裁を強化しつつある一方で、同地域における原油・ガスの対露依存度も大きいため、製造業を含めた幅広いバリューチェーンに悪影響が出ることが懸念されます。
 中国では、依然として新型コロナウイルス感染症の影響によるロックダウンが各地で行われており、また、「共同富裕」をスローガンとした一部の自国企業への規制強化の動きも続く中、投資減少などの影響も懸念されます。一方、11月とされる共産党大会に向け、インフラ投資、中小企業向け減税といった景気対策の動きについても、引き続き注目されます。
 アジアでは、新型コロナウイルス感染症の影響から経済が回復しつつある中、2022年は実質5%台のGDP成長が予想されています。ワクチン接種が進展し、各国における入国規制緩和や堅調な輸出・力強い内需の回復に支えられる見込みですが、一方で、今回のウクライナ危機によるインフレ長期化や通貨安、資金繰り悪化などが懸念されています。
 日本では、サプライチェーンの混乱長期化など、主力工業製品の生産・輸出の回復を左右するリスクには留意が必要です。日銀は3月の金融政策決定会合において、他国とは異なり、従来の緩和的な金融政策を維持しており、今後も日米金利差の拡大傾向の継続及び日本の経常収支の構造的変化によるさらなる円安進行が懸念されます。


次の項目へ
2022/06/17 12:00:00 +0900
2022/06/17 12:00:00 +0900
2022/06/14 17:00:00 +0900
外部サイトへ移動します 移動 ×

カメラをかざして
QRコードを
読み取ってください

{{ error }}