対処すべき課題

 当社グループは、特に規制緩和・法令改正のある事業領域に対して、投資・事業開発を、積極的に進めており、2022年3月期での主要事業は、エネルギー事業、レジリエンス事業、自動車事業、金融関連事業となっております。
 今後いずれの分野においても、ブロックチェーン、AI、IoT等の技術の応用を進め、社会の変化に合わせて事業内容を進化させ、事業収益を創出できるよう、ビジネスモデルや組織体制を適切に変化させてまいります。
 新型コロナウイルス感染症対応下での行動制限期間が当初の想定よりも長引いたことにより、企業や個人の新たな行動様式が定着しつつあります。当社グループとしては、この変化もチャンスと捉え、「ポスト・コロナ時代」に向け、新しい価値観に沿ったビジネスモデルの創出・提供、新しい働き方の実現に取り組んでまいります。
 また、当社はSBIホールディングス株式会社との間で、エネルギー分野及びCrypto分野での包括的な資本業務提携契約(2022年5月12日付)を締結いたしました。今後、本提携によるシナジーを最大限に生かし、当社グループの事業拡大と企業価値の向上に繋げてまいります。

(1)エネルギー事業における課題
 電力小売事業では、世界的な燃料価格の上昇に伴う電力取引価格の高騰や先行きが不透明な電力市場に対する懸念から、電力先物市場における取引価格も上昇しました。
 当社グループでは、既に実施している電力調達における相対電源比率の適正レベルの設定、電力先物取引の活用等により、天候、燃料供給状況等の変化に伴う電力調達価格の変動リスクの低減を、今後も継続してまいります。
 また、電力小売事業を含む電力業界は、発送電分離、次世代スマートメーター制度、容量市場の導入、2050年カーボン・ニュートラルへの挑戦、電源の脱炭素化、再生可能エネルギー発電の活用、分散型エネルギー源(DER:Distributed Energy Resources)の取込みなど、大きな制度改革とそれによる新ビジネス模索という業界再編の時期に入っているともいわれます。当社としましては、このような事業環境のもと、SDGs(※1)を推進しつつ、新たな収益機会を創出し、適正な水準の収益及びキャッシュ・フローの確保を図るべく、事業運営してまいります。

(2)レジリエンス事業における課題
 感染症対策関連事業では、『正しく恐れる』をテーマに、新型コロナウイルス感染症をはじめとする感染症対策の商材を幅広く展開してまいります。その中でも、MA-T(Matching Transformation System:要時生成型亜塩素酸イオン水溶液)を原料とした自社ブランドである「すごい水」、「SUGOMIZU」などの商品ラインナップの充実を図ります。
 感染症対策関連事業における取扱い商品やサービスは、人の健康・安全に密接に関連していることから、その広告や販売に関し、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(薬機法)及び関連法令や広告規制等の適用を受ける場合が考えられます。当社グループでは、商材の企画・開発、広告、販売に際しては、消費者事故等の発生防止に努めるとともに、コンプライアンスを徹底してまいります。
 また、省エネコンサルティング事業では、これまでの事業者向けのエネルギー使用合理化・省エネ関連のソリューションに加え、BCP(事業継続計画)対策や家庭における防災・減災対策として、再生可能エネルギーと蓄電池や発電機の組み合わせなどによる提案を積極的に展開していき、省エネルギーや防災・減災といった一部の効用にとどまらず、レジリエンス向上(※2)を促すための取り組みを推進してまいります。
 レジリエンス事業では、これまでの省エネコンサルティング事業における補助金活用等のノウハウを、エネルギー分野だけではなく、環境対策、防災・減災対策、感染症対策等においても応用し、収益獲得の機会の創出・獲得に努めてまいります。

(3)自動車事業における課題
 新型コロナウイルス感染拡大の影響の長期化及びそれに伴う政府の施策、人々の働き方の変化その他による中古車市場への影響は否めないものの、景気等の影響を受けにくいといわれている高級車を主商材とした国内の業者間売買を主軸に、引き続き展開してまいります。
 なお、今後、新車販売について電気自動車(EV)やハイブリッド車に転換するとの方針が示される中、中古車市場への影響はまだ計り知れませんが、充電施設の普及その他環境を踏まえ、適切な対応ができるよう努めてまいります。

(4)金融関連事業における課題
 金融関連事業では、当社連結子会社(孫会社)である株式会社ビットポイントジャパン(以下「BPJ」という)において、利用者に対し、快適かつ安定した取引環境の提供を継続して行ってまいります。具体的には、利用者の利便性をより向上させるため、注文方式の拡充、法定通貨・暗号資産の送受金速度の改善、口座開設申込の改善に取り組みます。また、取扱い暗号資産(国内初新規銘柄を含む)を増やし、ディーリングシステムを改善すること等で収益力を向上させるとともに、マーケティング活動を強化することで、利用者数を増やし、取引量を増加させてまいります。また、利用者の資産を安全に保管・管理するセキュリティの確保・強化は、事業遂行上極めて重要であるとの認識のもと、暗号資産の保管・管理態勢を高水準で維持し改善するべく、努めてまいります。
 また、法令上及び事業遂行上必要とされるリスク管理態勢及びコンプライアンス態勢の拡充を図りつつ、これまで以上に安定した収益を確保できるよう努めてまいります。

(5)経営環境の変化への機動的な対応、これによる事業機会及び収益の追求
 将来にわたる持続的な成長を実現するため、事業規模及び収益の拡大を戦略的に推進する必要があります。当社グループは、市場のニーズやウォンツを的確にとらえ社会・時代の変化に機動的に対応し、既存事業の強化、派生ビジネスへの取り組み、新しい発想・視点による新規の事業機会の創出をたえず行ってまいります。さらに、事業ポートフォリオを定期的に見直し、収益力及び効率性の向上を推進し、中長期的な成長基盤の確立を図ってまいります。また、成長を加速するために、その時々の経営環境を鑑み、必要に応じて、海外を含めた他の企業グループとの連携や戦略的な投資を推進してまいります。

(6)内部管理体制の拡充並びにコンプライアンス及びリスクマネジメントの強化
 当社グループは、社会的責任を果たし、持続的な成長と企業価値向上を図るために、実効的なコーポレート・ガバナンスを実現することを目的として、2017年12月に策定した「コーポレート・ガバナンス基本方針」(2018年12月一部改訂)において、コンプライアンスの徹底及びリスクマネジメントに対し積極的な取り組みを行う姿勢を明確にいたしました。コーポレートガバナンス・コードの改訂その他事業環境の変化に応じて、当社グループにふさわしいコーポレート・ガバナンスの実現に努めてまいります。
 また、引き続き、グループ全体において、継続的な啓発活動及び教育研修を実施し、一人ひとりが高い倫理観を醸成し、良識と責任のある行動をとることのできる企業風土を形成してまいります。

(7)優秀な人財の確保・育成
 当社グループは、中長期的な経営戦略の遂行及び対処すべき課題への取り組みに際して、事業環境の変化に円滑に対応して社会的な価値を創出することのできる優秀な人財の確保・育成が必須であると考えております。業容拡大のもと、意欲のある経験値の高い人財を確保するとともに、持続的な成長を支える人財の育成、個々のパフォーマンスの最大化のため、就業環境の整備・改善に注力してまいります。

(8)ダイバーシティの推進
 当社グループでは、現在、複数の国籍の人財を登用しておりますが、今まで以上に、グローバル化の推進、個性の尊重、人財の経験・スキルの多様性の向上、信頼関係作りの強化に取り組んでまいります。また、取締役だけではなく、執行役員、部長などの経営幹部への女性登用の拡大を推進してまいります。そのために、意欲ある従業員が長期的に活躍し、出産・育児との両立ができるように、テレワーク等を活用した就業環境の整備及び柔軟な人事制度を導入してまいります。

※1 SDGs:Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)
※2 レジリエンス:環境の変化や突然の混乱、危機に際し、繁栄・存続するための適応能力・回復力・強靭性

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2022/06/28 12:00:00 +0900
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