株主のみなさまへ

「スペシャリティーの融合体“Specialty-Fusion Company”」を目指して新たな経営計画「Denka Value-Up」を推進し、企業理念“The Denka Value”の実現に邁進してまいります。

 2017年度(平成29年度)は、個人消費や輸出で持ち直しの動きがみられたほか、設備投資や生産も上向くなど、景気は緩やかに回復しました。世界経済は、米国景気が堅調に推移するなど、全体として緩やかな回復基調が続きました。化学工業界におきましては、期後半には円高の動きや原燃料価格の上昇もありましたが、企業収益は総じて堅調に推移しました。

 このような経済環境のもと、当社グループは、国内外での拡販やコストの削減に努め、業容の拡大と収益の確保に注力いたしました。この結果、当期の業績は、クロロプレンゴムや電子・先端プロダクツ製品を中心に販売数量が増加したほか、原材料価格の上昇に応じた販売価格の改定により、売上高は前期比増収となり、過去最高を更新しました。収益面では、ヘルスケア分野などで将来に向けた先行投資による費用負担が増加しましたが、販売数量の増加や交易条件の改善が収益拡大に寄与し、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益とも、それぞれ過去最高益を大きく更新しました。

 当社は、前経営計画「Denka100」で、「生産体制の最適化」「徹底したコストの総点検」「成長ドライバーへの集中と次世代製品開発」の3つの成長戦略を立てるとともに、「健康、環境・エネルギー、インフラ」を重点3分野として、様々な施策を実行し、計画前と比べて着実に成果を出すことができました。また、将来の成長への種まきとして積極的な投資をおこない、個々の事業の収益向上の基盤固めを進めてまいりました。

 そして、現在のような激動の時代を生き抜くために、時代の要請を先取りした、先進的な企業体質に生まれ変わる覚悟のもと、今年度から新経営計画「Denka Value-Up」を、次の3つを成長ビジョンとして、スタートさせました。

 まず、事業構造・技術開発・人財プールまであらゆる面で、絶え間ないスペシャリティーを推進できる“Specialty-Fusion Company”を目指します。

 また、製造・研究・業務にわたる全プロセスの革新により生産性の飛躍的向上を図り、不確実性を強めるグローバル市場で環境の変動に打ち勝ち、持続的成長“SustainedGrowth”を実現できる企業を目指します。

 同時に、生産性の革新を働き方改革にもつなげ、働く人びとと、ステークホルダーのみなさまの幸せを追求し、企業として健全な成長“Sound Growth”を目指します。

 これら3つの成長ビジョンを、事業ポートフォリオの変革と革新的プロセスの導入という2つの成長戦略により実現するべく、「ヘルスケア」「環境・エネルギー」「高付加価値インフラ」を重点3分野とし、経営資源を集中して、積極的な戦略投資(M&Aや事業提携、R&D強化、人的リソースの集中など)をおこない、数値目標の達成を図ります。

 以上の成長戦略に加えて、企業理念“ TheDenka Value ”実現のために、当社は、企業の成長持続に必要不可欠な「安全最優先」「環境への配慮」「人財の育成・活用」「社会貢献」「コンプライアンスとそれを超えた倫理観の確立」を基本精神に掲げ、「ESG」の取組みをすすめております。

 また、昨年4月より、事業分野の拡大やグローバル化に適切かつスピーディーな対応を図るため会長・社長による経営執行体制としてまいりましたが、昨年10月には、コーポレートガバナンスのさらなる拡充を目的に、指名・報酬を含むガバナンス関連等、経営の重要課題について社外役員の多様な意見や助言を受けることで、透明性と客観性のある経営判断につなげるため、取締役会の諮問機関として社外役員が構成の過半数を占める「経営諮問委員会」を設置いたしました。

 当社は、企業理念“ The Denka Value ”の下、新経営計画「Denka Value-Up」の取組みにより、健全な成長を遂げ、「世界に誇れるデンカ」を目指してまいりますので、株主のみなさまにおかれましては、一層のご理解とご支援を賜りますよう、お願い申しあげます。

 新経営計画「Denka Value-Up」ならびに当社の「ESG」に対する取組みに関しましては、特集に詳細を記載しておりますので、ご参照下さい。

2018/06/21 12:00:00 +0900
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