第96回定時株主総会招集ご通知 証券コード : 4220
わが国経済は、個人消費や設備投資など内需の回復に加え、インバウンド需要の増加により緩やかに回復に向かうと見込んでおります。一方で、米国の関税引き上げによる世界的な景気減速や、国内の人件費、物流費などの上昇による物価の高止まりが個人消費の鈍化を招くことも懸念され、依然として先行きは不透明な状況が続くと考えております。
このような環境の中、当社グループは次期連結会計年度より新3ヵ年中期経営計画「One Vision, New Stage 2027」を開始いたします。新3ヵ年中期経営計画においては、「稼ぐ力」の伸長と「サステナビリティ」を2本の柱とし、あわせて「財務戦略」「ステークホルダーコミュニケーション」にも取り組んでまいります。「稼ぐ力」の伸長に向けては、「Global One Company」「顧客の期待の先を行く」「新規事業/新製品への挑戦」の3つの戦略を推し進めます。
【稼ぐ力】
①「Global One Company」
前3ヵ年中期経営計画で推し進めてきた「グローバル経営の深化とシナジー」から更に一段ステージを上げ、Global One Companyとしてグローバルな一体運営を目指します。ASEAN重視の方向感は継続しつつ、日本国内における成長投資も重視してまいります。グローバル市場で日系企業のみならず非日系企業への拡大にも注力してまいります。
②「顧客の期待の先を行く」
引き続き顧客の先の市場への理解を深め、最適な提案ができるよう、情報収集力・分析力の強化、そして何よりそれらを可能とする人材の育成に力を入れてまいります。
新たに立ち上げた「ものづくり統括本部」の下、顧客にとって最適な製品を迅速に提案/提供できるよう、技術・製造・品質管理・購買が一丸となって取り組んでまいります。MI、DX等これらを支える投資にも注力してまいります。
③「新規事業/新製品への挑戦」
前3ヵ年中期経営計画で進めた産学共同の取り組みを更に進め、これまでの取り組みの中から新3ヵ年中期経営計画期間中に新たな事業を立ち上げます。「ものづくり統括本部」の下、市場が求める新製品の開発に従来以上に注力し、当社事業ポートフォリオに占める新製品の割合を向上させます。
【サステナビリティ】
前3ヵ年中期経営計画の戦略として掲げた「環境/社会課題解決への貢献」を、「稼ぐ力」と並ぶ大きな柱として捉えなおし、脱炭素をはじめとする環境関連対応やガバナンス/リスクマネジメントの高度化に取り組んでまいります。これらの取り組みは企業の永続性に関する課題であり、株主資本コストの低減につながるものと認識しており、着実に取り組んでまいります。
【財務戦略】
「価値創造するバランスシート」に向け、現預金の圧縮、Cash Conversion Cycleの改善等のバランスシート改革を行います。投資有価証券についても、保有意義を検証のうえ圧縮していく方針であり、3年間の営業キャッシュフローとこれらで捻出したキャッシュは成長/戦略投資および株主還元等に活用してまいります。
【ステークホルダーコミュニケーション】
新3ヵ年中期経営計画の取り組みについてステークホルダーの方々にご理解いただけるよう、IR/SRをはじめとした対外的な発信を強化するとともに、当社に投資いただける株主の方々のすそ野を広げていく取り組みも行ってまいります。
セグメント別には、「トランスポーテーション」では、車両用電線および自動車用成形部材分野への取り組みを強化し、グローバルで既存製品の販売増加と新たな市場獲得に取り組んでまいります。
「デイリーライフ&ヘルスケア」では、医療市場および食品包材市場への取り組みを強化し、グローバル視点で販売戦略を実行してまいります。
「エレクトロニクス」では、電力・産業電線、情報通信/モビリティ/ロボット・FA市場への取り組みを強化し、グローバルで拡販活動を進めてまいります。
「ビルディング&コンストラクション」では、住宅・非住宅市場向け建装用フィルムおよび住宅・建築資材分野への取り組みを強化するとともに、インフラ・建築資材分野の需要が増加する海外での拡販を進めてまいります。
コーポレート・ガバナンスにつきましては、経営理念「リケンテクノス ウェイ」を実践するとともに、グループガバナンスを更に強化し、グループ経営の透明性、公正性を確保してまいります。また、株主・投資家の皆様との建設的な対話を深め、中長期的な企業価値の向上に努めてまいります。
今後、ますますグローバルに競争が激化することが予想されますが、各本部および国内外の連結子会社が連携して各課題に取り組み、3ヵ年中期経営計画の完遂に向け全社員が一丸となって邁進してまいります。
ご参考【サステナビリティの取り組み】
1 ガバナンス体制
リケンテクノスグループ(以下、「当社グループ」という。)は、企業を取り巻く環境が大きく変化する状況であることを踏まえ、より一層ステークホルダーの皆様からの期待を企業活動に取り入れるべく、現場と経営層をつなぐ機能として、サステナビリティ委員会を設置しています。サステナビリティ委員会およびその下部組織である環境委員会は、気候変動を含む様々な重要課題(マテリアリティ)について審議し、その審議内容を経営会議に答申・報告します。
2024年度は、サステナビリティ委員会において、特定した重要課題(マテリアリティ)のうち、特に当社グループが重要と捉えるマテリアリティについて指標・目標(KPI)を定め、取締役会で決定いたしました。目標達成に向けた取り組みを進め、四半期ごとにその進捗を取締役会に報告しています。進捗を管理することで、PDCAサイクルを繰り返し、長期ビジョンの実現に努めています。
サステナビリティ推進体制図
2 戦略および指標
当社グループでは、2025年3月の取締役会においてマテリアリティの一部見直しを行いました。そのうち特に当社グループが重要と捉える下記12項目についてKPIを設定し取り組みを推進しています。
サステナビリティ委員会において、マテリアリティの進捗を管理しています。
3 気候変動への対応(持続可能な地球環境への貢献)
温室効果ガスの排出は、当社グループ全体の財務におけるリスク要因となるか、あるいは、脱炭素社会に受け入れられる製品を開発することにより、ビジネスチャンスにもつながります。当社ではグループ全体におけるCO2排出量の削減に向けた中長期の排出量削減目標を設定するとともに、削減に向けた具体的な取り組みを計画し、指標も設定して取り組みの進捗を管理しています。
●当社単体での2030年の目標値(Scope1,2)
24,139t(2019年度比46.2%減) ※(2019年度 基準値44,868t)
当社グループ全体で「2050年カーボンニュートラル」を目指してまいります。
4 人材戦略(チャレンジメーカーに相応しい人材の育成)
当社グループの3ヵ年中期経営計画の戦略の実行に必要な人材を確保・育成することが最重要と考え、各種施策に取り組んでいます。
また、当社グループでは、多様な人材がその個性を生かしながらのびのびとエネルギッシュに、持てる力を仕事に全力で投入できる仕組みや雰囲気をつくり、多様な働き方を実現するために、「人材育成方針」と「社内環境整備方針」を定めています。
《人材育成方針》
社員と会社はともに成長する関係にあり、「人の成長こそ企業の成長」です。
①社員一人ひとりが「リケンテクノス ウェイ」を実践しながら会社の求める人材像に適った人材へと成長し、②個の能力を組織の力として束ねて発揮させることにより、同時に会社も成長していくことを人材育成の方針とします。
《社内環境整備方針》
グローバル企業を目指す当社として、多様な個性を持つ社員が活き活きと働くことができる体制の整備・雰囲気の醸成を行うことを環境整備の方針とします。