第88期定時株主総会招集ご通知 証券コード : 4549
第2号議案はニッポン・アクティブ・バリュー・ファンド・ピーエルシーからのご提案によるものであります。
各議案の議案名、提案の内容及び提案の理由は、形式的な修正を除いて提出された書面の原文のまま記載をしております。
当社取締役会は、本株主提案の第2号議案に反対いたします。
(1) 議案の要領
以下の2名を取締役として選任する。
1. 西田真澄
2. 水落一隆
(2) 提案の理由
当社は、便潜血検査のパイオニアとして早くから当分野に参入し技術やノウハウを蓄積し市場での確固たるポジションを築いてきました。また、便潜血検査だけでなく、尿検査・遺伝子検査・その他臨床検査の分野においても多くのエビデンスに基づく高度な知見を有しており提案者もその技術を高く評価しています。
一方、提案者としては、当社が海外市場の開拓をこれまで以上に加速できる余地が多分にあると考えます。当社の海外事業は、現在、各国の代理店を通して行っていますが、当社と海外代理店との関係は必ずしも強固なものではないように思われます。その証左として、2025年3月期の期初である 2024年5月に当社は通期ガイダンスを発表しましたが、当発表後、間もない第1四半期(2024年4月〜6月)において主に在庫調整を背景に大きく海外売上を落とし、その甚大な影響から第2四半期決算発表時の 2024年10月に通期利益ガイダンスを 45%下方修正するに至りました。また、近年の円安にもかかわらず、海外深耕が想定ほどできなかった点について、過去にも決算説明会等で投資家から幾度も説明を求められてきました。
当社は2024年に成長の要である米国に初めて自社拠点を設立する等の対策を講じました。提案者も投資先企業の積極的な海外進出には当然賛同します。一方、上述の事象を踏まえ、独資での海外深耕と同時並行で、非連続な成長についても一考頂くよう経営陣にお願いしました。具体的には、医療業界における海外進出に知見のあるプライベートエクイティの力を借り当社を非上場化する事でより海外進出を加速させると共に、当社社員に当社株式を付与し社員のオーナーシップ醸成を図る事を検討頂くようお願いしました。当依頼は 2024年11月に行いましたが、未だ当社の今後の方向性について結論が出ない中、検討のスピード感に欠ける事を提案者は懸念するようになりました。
上記の問題意識に基づき、今回提案者が取締役候補者を推薦した目的は、取締役会における非公開化提案の検討プロセスの実効性・スピード感改善により一層貢献する事にあります。株主が取締役に求める事は、「企業価値の最大化」と「株主の利益」です。現行の取締役会体制では、既存の成長の延長線上での企業価値の最大化と株主の利益は図れるかもしれませんが、非連続な成長による企業価値の最大化と株主の利益を検討する事は難しく、全株主のためにあらゆる可能性を検討できる新任社外取締役を採用する事で監督機能を強化する事が望ましいと考えます。
この観点から、提案者は、日本企業への長年の投資・エンゲージメント経験を有し、株主と企業の建設的対話を通じた企業価値向上に実績を有する西田真澄氏、並びに豊富な国際弁護士としての経験と資本市場を通じて多くの日本企業の経営改革を推進してきた実績を有する水落一隆氏の2名を、当社の社外取締役として選任することを提案いたします。
両氏は、当社の経営から独立した立場において、取締役会に対し客観的かつ建設的な視点を提供し、経営陣に対する適切な監督機能を果たすとともに、株主共同の利益の最大化に資する意思決定の質及びスピード感の向上に貢献することが期待されます。また、資本政策、ガバナンス及び戦略に関する高度な知見を活かし、当社の持続的な成長と企業価値向上に向けた議論を深化させることが可能となるものと考えております。
以上の理由から、提案者は、当社のガバナンス体制の強化及び株主価値の向上を目的として、上記2名の社外取締役選任を提案するものです。
(3) 候補者の番号、氏名、略歴等


(注)
(1)西田真澄氏及び水落一隆氏は、社外取締役候補です。
(2)西田真澄氏及び水落一隆氏が社外取締役に選任された場合、同氏らとの間で責任限定契約を締結する予定です。なお、当該契約に基づく賠償責任限度額は、法令が定める最低責任限度額といたします。
(1)当社取締役会の意見
当社取締役会は、第2号議案に反対いたします。
(2)反対の理由
① 本候補者は、独立性に関する懸念があり、経営監督機能が十分に担保されないおそれがあること
当社は、有価証券報告書で公表しているとおり、社外取締役の独立性に関する基準として「社外取締役の独立性に関する基準」を制定しており、同基準において、「当社大株主(総議決権数の10%以上の議決権を直接または間接的に保有している者)」は独立性を有さず、「大株主」が「法人・組合等の団体である場合には、当該団体に所属する業務執行者(注1)」は独立性を有さないと定めております。
(注1) 業務執行者とは、取締役(社外取締役を除く)、執行役、執行役員、業務を執行する社員、理事(外部理事を除く)、その他これらに類する役職者及び使用人等の業務を執行する者をいいます。
この点、本株主提案によれば、候補者とされている西田真澄氏(以下「西田氏」といいます。)は、本提案株主の共同保有者である Dalton Investments, Inc.(以下「ダルトン」といいます。)のPartnerであるほか、ダルトン・アドバイザリー株式会社(以下「ダルトン・アドバイザリー」といいます。)のマネージング・ディレクターとのことです。また、ダルトンは、当社株式を、単独で、株券等保有割合にして19.75%保有しています。上記 Partner という地位は法令上の役員ではないものの、本株主提案書面の記載ぶりから役員や業務執行者に匹敵する重要な地位と考えられること、ダルトンが自らの Web サイトにおいてダルトン・アドバイザリーがダルトンの東京リサーチオフィスに位置づけられる旨を公表していることから、ダルトン・アドバイザリーはダルトンと実質的に同視できることを踏まえると、西田氏は当社の株式を10%以上保有する当社株主の「業務執行者」に当たり、独立性を有さないと判断しました。
また、水落一隆氏(以下「水落氏」といい、西田氏と総称して「本候補者」といいます。)は、Rising Sun Management Ltd.(以下「RSM」といいます。)の Presidentとのことであるところ、本提案株主の Webサイトによれば、RSMは本提案株主の投資助言会社であり、ダルトングループの代表者であるJames Rosenwald III氏(以下「Rosenwald 氏」といいます。)がChief Investment OfficerとしてRSMを率いているとのことです。したがって、RSMは実質的にダルトングループの一員として本提案株主と利害を共通にするものであるといえます。その上で、本提案株主はダルトンを含む共同保有者と共に、株券等保有割合にして32.84%保有していることを踏まえると、水落氏は当社の株式を10%以上保有する当社株主の「業務執行者」に当たり、独立性を有さないと判断しました。
以上のとおり、当社としては、本候補者は、当社の社外取締役としての独立性の基準を満たさず、特定の株主や関係者から独立した立場で、経営陣の職務執行を客観的かつ中立的に監督するという社外取締役に求められる役割を十分に果たせないおそれがあると考えております。
② 本候補者が社外取締役となった場合、当社の一般株主の皆様の利益が害されるおそれがあること
上記①記載のとおり各本候補者のダルトングループにおける地位から、本候補者は、ダルトングループとの関係が非常に密接であり、ダルトンとの間で重要な利害関係を有していることを確認しており、実際に、本候補者は、ダルトンと当社との対話において、ダルトン側の中心的な存在としてダルトン側の代表者の一員を務めておりました。また、当社は、本株主提案の是非を適切に判断するために指名委員会において各本候補者との個別面談(以下「本面談」といいます。)を実施しており、本面談において、本候補者が、ダルトンが保有する当社株式の議決権行使に関与していることや、ダルトングループのリソースやネットワークを背景とした実行力を行使できること等、ダルトングループとの間に密接な関係があることを示す事情を聴取したことに加え、当社の取締役に選任された後には当社取締役会では株主利益の観点から意見する予定だが、それが、多くの場合において株主共通の利益に資するものと認識しているとの発言があり、本候補者自身が、本候補者とダルトンとの間に利害関係があり、一定の場合には株主共通の利益に反する場合があることを認めていると理解しております。
そして、本株主提案書面にも記載のとおり、当社は、2024年11月にダルトングループから、非公開化の提案(以下「ダルトンによる非公開化提案」といいます。)を受けていますが、当該提案は、ダルトングループが当社株式の非公開化後に、再度、当社に出資すること(折り返し出資)を予定するものです。非公開化に特定の株主による折り返し出資を伴う場合、折り返し出資者(本件ではダルトングループ)にとっては、その後の出資額を抑える観点から非公開化時の買付価格が高額でない方が望ましいため、折り返し出資者と一般株主との間で利益相反が生じます。そのため、ダルトンによる非公開化提案が実現すれば、一般株主の皆様の利益を害して、ダルトングループの利益を図る結果になる可能性が高いところ、ダルトングループと密接な関係を有するだけでなく、ダルトンによる非公開化提案を積極的に推奨してきた本候補者が当社の取締役に就任した場合には、一般株主の利益を顧みずに、ダルトンによる非公開化提案の実現へ誘導される可能性が懸念されます。
また、実際に、他社において、Rosenwald氏が社外取締役に就任した約半年後に、折り返し出資を含む非公開化が実施されている例が存在すると認識しております。
③当社が提案する社外取締役候補者で構成される取締役会が当社の持続的な企業価値・株主価値最大化の観点から最適であること
本株主提案書面によれば、本株主提案は、当社の「非公開化提案の検討プロセスの実効性・スピード感改善」を目的とするものとのことです。
しかしながら、当社は、2024年11月にダルトングループから非公開化の提案を受領して以降、当社の持続的な企業価値向上・株主価値向上を実現するためのあらゆる戦略的オプションについて検討を進めており、2025年6月24日開催の当社第87期定時株主総会(以下「2025年株主総会」といいます。)では、ダルトングループから、非公開化提案の検討プロセスの実行性・スピード感改善への貢献を目的として推薦された取締役候補者6名のうち、木野瀬祐太氏(以下「木野瀬氏」といいます。)及び戸田達喜氏(以下「戸田氏」といいます。)の2名を当社社外取締役として選任した上で、検討を更に進めております。木野瀬氏及び戸田氏は、ダルトンから「投資、経営、資本市場ガバナンスの観点からいずれも長年の経験を有しており、当社による非公開化提案の検討に貢献する事ができる」とご推薦いただいた方であり、両氏を含む当社取締役会では、あらゆる戦略的オプションについて真摯に遅滞なく検討を進めています。当社は、2026年5月12日に、「取締役候補者の選任に関するお知らせ」において公表したとおり、木野瀬氏及び戸田氏の両名を、本定時株主総会において当社が提案する社外取締役候補者(以下「当社提案候補者」といいます。)として選定しておりますので、追加で本候補者を当社社外取締役に選任する必要はないと判断しました。
なお、木野瀬氏及び戸田氏については、2025年株主総会の当社提案取締役候補者として選定する前に、当社指名委員会において、(i)ダルトンとの間で金銭的・経済的な利害関係を有していないこと、(ii)ダルトンとその関連会社との情報遮断等を規定した誓約書を当社の取締役会に対して提出する意向を有していること、(iii)ダルトンが提案する非公開化の内容を所与とせず、当社の株主共同の利益の観点から独立した立場で取締役会の審議に参加する意思を有していることを確認しており(注2)、ダルトングループと密接な関係を有する本候補者とは異なります。そのため、本提案株主が両氏に加えて本候補者を提案する真の目的は、単に当社に非公開化を検討させることではなく、上記②記載のとおり、一般株主の皆様の利益を害して、ダルトングループの利益を図る、ダルトンによる非公開化提案に従ったスキームでの非公開化を実現させることにあるのではないかとの疑義を抱かざるを得ず、それであれば、木野瀬氏及び戸田氏に加えて本候補者を社外取締役とすべきではありません。
(注2) 当社が2025年5月13日付けプレスリリース「(開示事項の経過)当社主要株主であるダルトンとの対話状況に関するお知らせ(3)ならびに株主提案撤回に関する書面の受領および撤回に対する同意のお知らせ」ご参照。
また、当社は、2026年5月12日付けで、2030年度に向けた新たな経営計画として、経営構想「EIKEN ROAD MAP 2030」及び2025年5月13日に公表した中期経営計画を見直した「経営計画2030」(FY2026‐FY2030)(以下「新経営計画」といいます。)を公表いたしました。新経営計画では、持続的な成長と収益性の向上を図るための施策として、①高収益・高成長分野における販売拡大及び投資の集中並びに低収益分野の整理を通じたROIC の改善、②成長の中核と位置づける国外の便潜血検査及び免疫血清分野における新市場の開拓や新製品の投入による海外事業の成長加速、③自社単独での取り込みが難しい分野において、アライアンスや M&A を含む外部連携を活用することによる事業ポートフォリオの強化を掲げております。これらの取り組みを通じて、当社を取り巻く経営環境を的確に捉えつつ、当社事業の更なる強化を図ってまいります。これらを実現するためには、当社事業に精通し、かつ、当社のスキルマトリクスに掲げられる、企業経営、グローバルビジネス、技術・イノベーション、生産・SCM、財務・会計、法務・リスク管理、ESG・サステナビリティ、資本市場との対話に関するスキルを有する社外取締役が必須であるところ、招集通知8頁掲載のスキルマトリクスのとおり、当社提案候補者はこれらを全てみたします。したがって、当社提案候補者を社外取締役として成る取締役会こそが、その規模、スキルセット及び多様性を含めたバランスの観点から、最適なチームであると考えております。
なお、当社提案候補者は、現在の当社の社外取締役と同一のメンバーであるところ、当社の現在の取締役会において、実際に、経営計画の見直しや製品ポートフォリオの再構築等の重要案件に関する審議・決定に主体的に関与し、経営の方向性及びリスク管理の観点から、経営陣に対する社外取締役としての監督・助言を継続的に行っております。このことから、当社提案候補者が当社の事業内容及び経営環境を十分に理解していることは明らかであり、今後も、当該理解に基づく視点から、当社の経営及び経営陣に対する監督機能を適切に発揮できるものと考えられます。したがって、本候補者を当社の社外取締役に選任する必要性は認められないと判断しております。なお、本候補者は、本面談において、当社がダルトンによる非公開化提案の推進以外の点でどのような貢献ができるかを尋ねたのに対し、現時点では当社の取締役会の機能が不明であるため、具体的に関与しなければどのような貢献ができるかは分からない、将来の成長に向けた投資判断や投資実行が円滑に進むよう支援する等と具体性のない回答がされるに留まりました。そのため、本候補者は、当社の持続的な企業価値・株主価値の最大化を実現するプランを有さず、当社の企業価値・株主価値を真摯に検討しているか判断できませんでした。
以上のことから、当社の取締役会としては、当社が提案する取締役候補者で構成される取締役会こそが、新経営計画を実現し、優れたコーポレートガバナンス体制の下で当社の持続的な企業価値・株主価値の最大化を確実かつ迅速に完遂するための最適な経営体制であると確信しております。
以上から当社取締役会は、本株主提案に反対いたします。
以 上