第87期定時株主総会招集ご通知 証券コード : 4549
当連結会計年度における国内外の経済は、依然として資源価格の高騰や地政学的リスク、主要国の金融政策等の影響を受け、不安定な状況のまま推移しました。
臨床検査薬業界においては医療費抑制策と円安や原油高による物流及び原材料調達などのコスト上昇の継続により経営環境は一層厳しさを増しております。各企業には一層のコスト競争力の強化と、戦略的な海外市場への展開が求められております。
このような経営環境の下、当社グループは経営構想「EIKEN ROAD MAP 2030」に基づき策定された中期経営計画に沿って、「がんの予防・治療への貢献」、「感染症撲滅・感染制御への貢献」、「ヘルスケアに役立つ製品・サービスの提供」の3つの注力事業分野を中心に重点施策を展開し、グループ全体で持続的な成長と着実な収益性の向上に努めております。
また、世界の人々の健康を守る企業として「医療」の課題、そして「環境」・「社会」・「ガバナンス」の課題にも積極的に取り組み、さらなる企業価値の向上と持続可能な社会の実現を目指しております。
当連結会計年度の売上高は、国内においては前年並みの水準で推移し、一方、海外の販売が堅調に推移したことにより、40,539百万円(前期比1.2%増)となりました。なお、当社の業績予想に対しては0.8%増になりました。全体としては、国内外ともに安定した売上を維持する結果となりました。
製品ごとの売上高では、微生物検査用試薬は、迅速診断キットが売上を伸ばし、4,501百万円(同4.4%増)となりました。尿検査用試薬は、国内外で堅調に推移し、4,620百万円(同5.0%増)となりました。免疫血清検査用試薬は、海外向けの便潜血検査用試薬の売上が増加し、また、東ソー株式会社から導入・販売している製品が堅調に推移し、22,540百万円(同3.8%増)となりました。生化学検査用試薬は573百万円(同0.4%減)、器具・食品環境関連培地は1,960百万円(同0.1%減)となりました。その他(医療機器・遺伝子関連等)につきましては、医療機器の売上と新型コロナウイルス検出試薬の売上及びLAMP法の特許料収入が大幅に減少し、6,342百万円(同10.5%減)となりました。なお、海外向け売上高は、尿検査用試薬および便潜血検査用試薬の売上が伸び、10,710百万円(同5.9%増)となりました。
利益面では、高利益品目である新型コロナウイルス検出試薬の売上及びLAMP法の特許料収入の減少など売上構成の変化により、営業利益は2,999百万円(同11.2%減)、経常利益は3,198百万円(同10.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,228百万円(同15.4%減)となりました。
細菌検査用培地、迅速検査用試薬及び薬剤感受性検査用試薬など、微生物感染症の診断・治療に有用な各種検査用試薬
尿中のウロビリノーゲン、潜血、たんぱく質、ブドウ糖など、多項目の検査が行える尿検査用試験紙など、各種検査用試薬
大腸がん検診に使用する便潜血検査用試薬をはじめ、感染症やリウマチの診断、ホルモンの測定、胃がんリスク層別化検査(ABC分類)などに使用する各種検査試薬
生活習慣病との関連性が注目されている検査項目を中心に、血清や尿中の成分を測定する自動分析装置に対応する各種検査用試薬
食中毒原因微生物の検査など食品微生物検査用試薬、作業環境の汚染実態などを把握できる環境微生物検査用試薬及び検査用器具・器材
各種自動分析装置及び当社独自技術LAMP法を用いた、医療、食品、環境など幅広い分野に展開する遺伝子検査関連製品