1. 2020年度の課題
2020年度における当社グループの事業環境は、お客様における当社製品の在庫消費に伴い、徐々にではありますが受注は一定レベルの回復を見通すことができる状態になりました。しかしながら、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響により、世界経済および当社グループを取り巻く経営環境は不透明感が高まっており、予断を許さない状況が続くものと予想されます。
当社グループといたしましては、「安全と安心」をキーワードに、お客様、お取引先、社員およびその家族の感染防止を最優先し、各生産拠点の操業維持とサプライチェーンの連携強化に最注力してまいります。
その上で、「お客様の期待値に応える価値の提供」を実現していくため、製品およびサービス品質の向上、生産改革によるコスト低減・リードタイム短縮、課題解決力の向上とさらなる迅速化に取り組み、競争優位性をさらに拡大してまいります。
2. 中長期の課題
当社グループは、中期経営計画(2018年度~2020年度)を策定し、当社創立50周年にあたる2020年度への飛躍を目指しております。上述のように、足下の事業環境は厳しい状況を余儀なくされる見込みでありますが、当社グループが手掛けるメカトロニクス製品、精密減速装置の市場は、新興諸国における製造業の自動化、省力化投資に加え、先進国でも人手不足への対応や生産性向上の観点から産業用ロボット、協働型ロボットの需要増加が見込まれることから、中長期にわたり高い成長機会があるとの見通しに変わりありません。
従いまして、短期的な事業環境の変化にも柔軟に対応する一方で、長期ビジョン、中期経営計画に掲げた方針にもとづく戦略にも取り組み、攻めと守りのバランスを勘案した経営戦略を遂行し、中長期的な企業価値向上を図ってまいります。
なお、長期ビジョン、中期経営計画の要旨は以下のとおりです。
■経営理念
1. 個人の尊重
2. 存在意義のある企業
3. 共存共栄
4. 社会への貢献
■当社グループの事業領域と使命
「トータル・モーション・コントロール」の提供
■長期ビジョン
【ありたい姿】
価値ある製品とサービスの提供によって、モーションコントロール業界において唯一無二の存在であり続ける
【目指すポジション】
・独創的な技術で信頼されるアクチュエーターメーカー
・精密減速機分野のリーディングカンパニー
■中期経営計画(2018年度~2020年度)
~会社創立50周年~
急拡大する成長機会を着実にとらえ、一段上のステージへ
(基本方針と戦略)
① グローバル生産能力の大幅な引き上げ
日本、米国、ドイツ、韓国に展開する各生産拠点の生産能力の引き上げ
② グループ各社の能力を引き上げ、総合力を強化
グループ各社の経営基盤を強化し、企業価値向上を実現
③ QCDS能力引き上げによるお客様満足度の向上
【メカトロニクス製品】
・独創的な製品とサービスによって新市場、新用途を開拓
・サービス、サポート体制の強化
・新製品開発とコア技術の向上
【精密遊星減速機】
・地域毎の特性にもとづく販売戦略の展開
・開発・生産技術の強化
【波動歯車装置】
・製品リードタイムの正常化と短縮
・高付加価値製品と課題解決力により差別化された価値を提供
④ 成長を支える経営基盤を強化
健全な成長に見合った人材の獲得と育成の推進
ITを活用した経営プラットフォームの充実
環境、社会、ガバナンスを考慮した経営の推進
⑤ 将来に向けた成長の布石
創造的破壊にも挑戦し、変化に対応できる組織風土を醸成