対処すべき課題

1. 2021年度の課題
 2021年度における当社グループの事業環境は、世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け停止していた自動化投資の回復、半導体の需要増加に伴う設備投資の増加等など、産業用ロボットや協働型ロボット、半導体製造装置用途を中心に高い水準で需要が推移していくものと予測しています。また、近年新たな市場として注力してまいりました先進医療(手術支援ロボット)用途の拡大、車載用製品の需要の拡大も見込まれており、総じて良好な環境で推移するものと見込んでおります。
 新型コロナウイルスの終息が見通せず、経営環境の不透明さは依然継続するものと思われますが、当社グループとしましては、「安全と安心」をキーワードに、お客様、お取引先様、社員及びその家族の感染防止を最優先し、各生産拠点の操業維持とサプライチェーンの連携強化に最注力してまいります。その上で、「お客様の期待値に応える価値の提供」を実現していくため、製品及びサービス品質の向上、生産改革によるコスト低減・リードタイム短縮、課題解決力の向上とさらなる迅速化に取り組み、更なる競争優位性の拡大に傾注してまいります。

2. 中長期の課題
 2020年11月に当社は創立50周年を迎え、更なる飛躍を目指すため、当社グループでは「新たな50年に向けて~確かな成長ステージへ~」をキーワードに、中期経営計画(2021年度~2023年度)を策定しました。前中期経営期間(2018年度~2020年度)は、米中貿易摩擦・新型コロナウイルス感染拡大などの影響により事業環境は激しい変動を余儀なくされましたが、当社グループが手掛けるメカトロニクス製品、精密減速装置の市場は、新興諸国における製造業の自動化、省力化投資に加え、先進国でも人手不足への対応や生産性向上の観点から産業用ロボット、協働型ロボットの需要増加が見込まれることから、中長期にわたり高い成長機会があるとの見通しに変わりありません。あらゆる状況の変化の中でも持続可能な社会と経営を実現するため、環境の変化を捉えた技術と技能に挑戦し続け、お客様の期待値を超える製品とサービスを提供してまいります。
 短期的な事業環境の変化にも柔軟に対応する一方で、長期ビジョン、中期経営計画に掲げた方針にもとづく戦略を実行し、攻めと守りのバランスを勘案した経営戦略の遂行で、中長期的な企業価値向上を図ってまいります。
 なお、長期ビジョン、中期経営計画の要旨は以下のとおりです。

■経営理念
1. 個人の尊重
2. 存在意義のある企業
3. 共存共栄
4. 社会への貢献

■当社グループのミッション
モーションコントロール技術で社会の技術革新に貢献する

■長期ビジョン
~トータル・モーション・コントロールの追求~
・環境の変化を捉えた新技術・技能への挑戦と創出
・お客様の期待値を超えるQCDSの実現
・企業活動を通じて持続可能な社会に貢献する

■中期経営計画(2021年度~2023年度)
新たな50年に向けて
~確かな成長ステージへ~

(基本方針と戦略)
① お客様の期待値を満足させるQCDSの実現
Q:シグマゼロ:不適合・クレームゼロ
C:生産性向上、VA+VEの一層の充実
D:顧客希望納期に対するコミット
S:ER活動の充実:スピードアップ

② 価値ある製品の開発とサービスの強化によるRD、AD、MT事業の拡大
【RD:波動歯車装置】
・次世代用途に適合していくための新技術・技能の創出と製品化

【AD:精密遊星減速装置】
・事業再構築による地域・各種用途に即した製品提供の拡大

【MT:メカトロニクス製品】
・お客様の“やりたい”を実現し得る製品提供と課題解決力のさらなる向上

③ 時代の要求に適合した経営基盤の構築
・持続可能な経営の推進(SDGs)
・事業拡大をけん引できる人材の育成、多様性を高める人事制度や働き方の構築
・IT強化戦略・当社独自のIoT構想実践
・成長を支える財務基盤の確立と資金調達力の強化

④ 海外グループ会社・機関との連携強化とシナジーの最大化
・各拠点の経営資源の最大活用
・海外研究機関との積極的な研究活動の維持・促進
・グローバル生産体制の確立

⑤ 固定概念にとらわれず、次の50年の新常識を創造する
・新素材、新原理、新機構、新工法への積極的な挑戦
・知能メカトロニクスの実現に向けた布石
・社会の変化に敏感な感覚と非常識を受入れる風土の醸成


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2021/06/23 12:00:00 +0900
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