① 2022年度の課題
新型コロナウイルス感染拡大、ウクライナ問題など世界経済の不透明感が高まっていますが、2022年度の当社グループの事業環境は、EV化の世界的な拡大による強い設備投資需要、旺盛な半導体需要に伴う設備投資の継続など、産業用ロボット、協働ロボット、半導体製造装置用途を中心に高い水準で需要が推移していくものと予測しています。また、近年新たな市場として注力してまいりました先進医療用途(手術支援ロボット関連)の拡大、車載用製品の需要の拡大も見込まれており、成長機会が増大していくものと見込んでおります。
このような中、当社グループでは「お客様の期待値に応える価値の提供」をQCDSの基本方針として、生産面では当社製品の需要拡大に確実に応えるべく、自動化投資を中心とした生産能力の増強、サプライチェーン体制強化による安定した部材調達、生産管理のデジタル化などの生産改革を確実に実施し、品質の向上、コスト低減、リードタイム短縮に取り組んでまいります。加えて、営業・開発技術一体によるお客様の課題解決力向上と迅速化を推し進め、さらなる競争優位性の拡大に傾注してまいります。
② 中長期の課題
当社グループは、現行中期経営計画(2021年度~2023年度)に掲げた「モーションコントロール技術で社会の技術革新に貢献する」という不変のミッションを遂行すべく、邁進してまいります。
当社グループが手掛けるメカトロニクス製品、精密減速装置の市場は、EV化、手術支援ロボットなど、新たな「社会の技術革新」に大きく貢献しており、今後もその需要は拡大していきます。また、世界的な人手不足が叫ばれる中、協働ロボットの需要増加により、中長期にわたり高い成長機会があると見込んでおります。
当社では、2022年3月に策定した「サステナビリティ基本方針」に基づき、グループ一体となって持続可能な社会の実現に向け活動を推進してまいります。さらに、長期ビジョン、中期経営計画に掲げた方針に基づく戦略を実行し、攻めと守りのバランスを勘案した経営戦略の遂行で、中長期的な企業価値向上を図ってまいります。
なお、経営理念、サステナビリティ基本方針、ミッション、長期ビジョン、中期経営計画の要旨は以下のとおりです。
■経営理念
1. 個人の尊重
2. 存在意義のある企業
3. 共存共栄
4. 社会への貢献
■サステナビリティ基本方針
私たちは、「個人の尊重」「存在意義のある企業」「共存共栄」「社会への貢献」という4つの柱で構成された経営理念に基づき、トータル・モーション・コントロールを提供する技術・技能集団として、社会をより良くするための技術革新に貢献することで、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指します。
■当社グループのミッション
モーションコントロール技術で社会の技術革新に貢献する
■長期ビジョン
~トータル・モーション・コントロールの追求~
・環境の変化を捉えた新技術・技能への挑戦と創出
・お客様の期待値を超えるQCDSの実現
・企業活動を通じて持続可能な社会に貢献する
■中期経営計画(2021年度~2023年度)
新たな50年に向けて
~確かな成長ステージへ~
(基本方針と戦略)
① お客様の期待値を満足させるQCDSの実現
Q:シグマゼロ:不適合・クレームゼロ
C:生産性向上、VA+VEの一層の充実
D:顧客希望納期に対するコミット
S:ER活動の充実:スピードアップ
② 価値ある製品の開発とサービスの強化によるRD、AD、MT事業の拡大
【RD:波動歯車装置】
・次世代用途に適合していくための新技術・技能の創出と製品化
【AD:精密遊星減速装置】
・事業再構築による地域・各種用途に即した製品提供の拡大
【MT:メカトロニクス製品】
・お客様の“やりたい”を実現し得る製品提供と課題解決力のさらなる向上
③ 時代の要求に適合した経営基盤の構築
・持続可能な経営の推進(SDGs)
・事業拡大をけん引できる人材の育成、多様性を高める人事制度や働き方の構築
・IT強化戦略・当社独自のIoT構想実践
・成長を支える財務基盤の確立と資金調達力の強化
④ 海外グループ会社・機関との連携強化とシナジーの最大化
・各拠点の経営資源の最大活用
・海外研究機関との積極的な研究活動の維持・促進
・グローバル生産体制の確立
⑤ 固定概念にとらわれず、次の50年の新常識を創造する
・新素材、新原理、新機構、新工法への積極的な挑戦
・知能メカトロニクスの実現に向けた布石
・社会の変化に敏感な感覚と非常識を受入れる風土の醸成