事業の経過及びその成果

① 事業環境

 当期の世界経済は、米中貿易摩擦等による混乱を背景に輸出や投資が減速した一方、各国政府のインフラ投資加速や景気刺激策が奏功し、全体としては堅調さを維持しました。日本経済は、中国向け輸出減等により、成長が鈍化しました。自動車市場は、経済が堅調なインドやASEAN等の新興国で市場拡大がみられる等全体としては成長が継続する一方、中国では低調な個人消費により、また、米国では金利上昇等により、二大市場はそれぞれ縮小しました。日本においては、軽自動車販売が下支えとなり、前期を上回ったものの、経済減速を受け、伸びは鈍化しました。

② 事業概況

 当社は、2017年10月に「デンソーグループ2030年長期方針」(2030年長期方針)を策定し、「地球に、社会に、すべての人に、笑顔広がる未来を届けたい」というスローガンを定めました。また、この長期方針を実現するための道筋として、「デンソーグループ2025年長期構想」(2025年長期構想)を策定し、「電動化」、「先進安全・自動運転」、「コネクティッド」、「非車載事業(FA※・農業)」を注力分野に定め、事業活動の強化に取り組んでいます。
※FA:ファクトリー・オートメーション(生産ラインの機械化による自動化)

③ 当期の業績

 当期の業績は、欧州及び中国で市場の減速感があったものの、グローバルな車両生産の増加や拡販、及び前期の期中に子会社化したデンソーテンの影響等により、売上収益は、5兆3,628億円(前期比2,545億円増、5.0%増)と増収になりました。
営業利益は、将来の成長領域への投資の加速や、前期に発生した一過性の収益がなくなったことによる影響、品質費用の引当等により、3,162億円(前期比965億円減、23.4%減)、税引前利益は3,560億円(前期比939億円減、20.9%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は2,545億円(前期比660億円減、20.6%減)と減益になりました。

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2019/06/26 12:00:00 +0900
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