当期における取り組み~受け継がれた襷~

 環境

「2035年 生産活動でのカーボンニュートラルの実現」を目指す

 当社はこれまで、持続可能なモビリティ社会の在り方を模索し、環境負荷低減、環境保全活動を通じて経済価値を創出する「環境経営」を推進してきました。その「環境経営」を更に進化させて、2035年までに生産活動におけるカーボンニュートラルの実現を目指します。

実現のために取り組む3つの領域


デンソー福島で水素の「地産地消」を実証

当社と㈱デンソー福島、トヨタ自動車㈱は共同でデンソー福島工場内でのグリーン水素の製造、及び製造した水素の工場における活用の実証を開始します*。今回の実証を通じて、「水素地産地消」モデルの構築や、カーボンニュートラル工場の実現を目指します。


当社初、SiCパワー半導体を用いたインバーターを市場投入

当社初となるSiC(シリコンカーバイド)パワー半導体を用いたインバーターを開発しました。
本製品は㈱BluE Nexusの「eAxle」に組み込まれ、LEXUS初の電気自動車(BEV)専用モデル「RZ」に搭載されました。このSiCパワー半導体は、電力損失を大幅に低減する半導体の材料*でつくられており、BEVの電費向上と航続距離の延伸に貢献します。

*上記2つの事例は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの支援を得て推進しています。


 安心

社会に「安心」を提供するリーディングカンパニーを目指す

 事業活動を通じ社会に「安心」を提供することは、当社としての使命です。交通事故や大気汚染、自然災害、少子高齢化といった社会課題の解決を実現し、社会に「安心」を提供するリーディングカンパニーを目指します。

実現のために取り組む3つの領域


安全製品の搭載車種や地域の広がり

当社はあらゆるクルマへの安全製品普及に向け、開発を加速しています。2016年に開発したステレオ画像センサー *は小型軽量で搭載性に優れ、軽乗用・商用車、小型車等へ幅広く搭載されているほか、日本を含むアジア地域で広く展開されています。2017年のマレーシアを皮切りにインドネシア、台湾、ベトナム、そして2022年にはタイでの生産車両に搭載されました。


ステレオ画像センサー

*緊急時の衝突回避支援ブレーキ機能や、車線逸脱警報機能等のために、歩行者や車両等の障害物やレーンマーカーを検出し、自車から対象物までの距離を測定する。


安心製品PM2.5対応エアコンの量産化

2022年からトヨタ自動車㈱のタイ工場で生産を開始したコンパクトセダンでは、当社の画像センサーや後側方ミリ波センサー等の安全製品に加え、PM2.5に対応した快適空間を実現するエアコンが搭載されました。タイで人気の高いこの車は、今後世界35か国以上に輸出される予定です。

PM2.5対応エアコンの一部


 技術基盤

車載半導体への取り組み

 当社は1968年にIC研究室を開設し、半世紀以上にわたり車載半導体を通じ、技術力を蓄積してきました。これらの強みを軸に、マイコン&SoC*、パワー&アナログ、センサーの3つの領域において、先進開発と安定調達に取り組んでいきます。

*System on Chip


Rapidusへの出資

当社は先端ロジック半導体に関する研究、製造等を行うRapidus㈱の戦略に賛同し、国内7社の事業会社とともに出資を行いました。今後の車載アーキテクチャー進化を見据えた最先端ロジック半導体であるSoCの開発を加速し、車載ロジック半導体のエコシステムの確立と当社システム製品の競争力強化を図っていきます。


USJCとの協業

当社と半導体ファウンドリー大手のUSJCは、車載用パワー半導体生産の協業に合意し、2023年5月より量産出荷を開始しています。当社のシステム目線でのIGBT*デバイス及びプロセス技術と、USJCの300㎜ウエハ製造技術の融合により、電動車に必要不可欠なパワー半導体の安定的な調達を実現し、クルマの電動化に貢献していきます。

*IGBT: Insulated Gate Bipolar Transistor 絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ


 企業基盤

事業活動を支え、企業価値を高める取り組み

 当社は真のサステナビリティ経営を実践し、社会から共感いただける企業を目指し、企業基盤の強化にも積極的に取り組んでいます。2021年の「デンソーグループ人権方針」公表をはじめとした多くの取り組みを通じ、「環境・安心・共感」の理念実現に向けて、企業価値を高めていきます。


新人財施策・制度「PROGRESS」導入

「環境・安心・共感」の理念実現に向け、当社はこれからも、新しい “できる” を実現し、社会に実装・普及させていく存在でありたいと考え、人と組織のビジョンとして「実現力のプロフェッショナル集団」を掲げ、新人財施策・制度「PROGRESS」の導入を進めています。2022年度は、キャリアデザイン研修やリカレント教育、社内公募、社外トレーニー制度等、様々な施策の充実を図り、自己新記録に挑み、変わり続けようとする社員への支援を強化しています。



TCFDの提言に沿った情報開示

当社は「 気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)*」に賛同し、その提言に則って、統合報告書やウェブサイトで、当社の取り組みを情報開示しています。今後、気候変動は当社事業に大きな影響を及ぼす重要な問題です。そこで、気候変動が事業に与える影響を洗い出し、具体的な「事業機会」と「リスク」を事業戦略や財務計画に反映し、持続的な成長を実現します。

* “Task Force on Climate-related Financial Disclosures” の略称。各国の中央銀行・金融当局や国際機関が参加する金融安定理事会(FSB)が2015年に設立。気候変動が事業に与える影響(機会やリスク)等、企業が市場に開示すべき項目等を提言。



 共感

NEDOグリーンイノベーション基金事業に採択

 当社は環境性能の高いモビリティ製品・システムの普及や、大気中のCO₂回収や再利用に関する新技術の開発等の3分野において、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業に採択されました。

グリーンイノベーション基金事業の詳細はこちら
https://green-innovation.nedo.go.jp/


CO₂循環プラント


CDP「気候変動」と「水セキュリティ」で最高評価*

当社は国際的なESG評価機関CDPが実施する環境分野の評価において、「気候変動」と「水セキュリティ」に対する取り組みと、その情報開示に優れた企業として、最高評価の「Aリスト」に選定されました。

*日本企業では「気候変動」74社「水セキュリティ」35社が選出


IEEE*¹コーポレートイノベーション賞 受賞

当社は「QRコード*²」開発と世界での普及貢献が評価され、IEEEより、「IEEEコーポレートイノベーション賞」を受賞しました。本賞は革新的技術・製品等が世界に影響を与え、電気・電子分野の発展に寄与した企業等に贈られる世界で権威ある賞の一つであり、日本企業では6社目の受賞となります。

*1 The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.アメリカ合衆国に本部を置く電気・電子分野の世界最大の国際学会
*2 QRコードは、㈱デンソーウェーブの登録商標です。


前の項目へ次の項目へ
2023/06/20 11:00:00 +0900
外部サイトへ移動します 移動 ×

カメラをかざして
QRコードを
読み取ってください

{{ error }}