当社の現況に関する事項

(1)当社グループの事業の経過及び成果等

【当社グループの主要な事業内容】

 当社グループは、銀行持株会社である当社、並びに株式会社肥後銀行(以下、「肥後銀行」といいます。)、株式会社鹿児島銀行(以下、「鹿児島銀行」といいます。)、九州FG証券株式会社(以下、「九州FG証券」といいます。)を含む連結子会社18社で構成され、銀行業務を中心にリース業務、クレジットカード業務、信用保証業務、金融商品取引業務等の金融サービスに係る業務を行っております。

【金融経済環境】

 当年度のわが国経済は、新型コロナウイルスの感染が急速に拡大した影響を受け、経済活動が停滞し、極めて厳しい状況となりました。2020年4月から5月にかけては全国的に緊急事態宣言が発出され、4~6月期のGDPは大幅に落ち込みました。その後は観光や飲食・サービス向けの需要喚起策が奏功し、2020年後半にかけて持ち直しの動きがみられました。2020年末に入ると感染者が増加し、全国的に第3波に見舞われ、2021年1月緊急事態宣言が再発出されました。足元は、厳しい状況にある中、持ち直しの動きがみられますが、一部に弱さも残ります。
 こうした経済環境のもと、新型コロナウイルスの影響で低迷していた日経平均株価は、各国の経済対策や金融緩和策、ワクチン接種開始が好感されたことによる世界的な株高の流れを受け、2021年2月に30年半ぶりに3万円台に乗せました。円相場は、期初は1ドル105~109円付近で推移していましたが、世界的な感染再拡大への懸念から20年末にかけて102円台まで上昇、その後、アメリカの長期金利上昇を受けて円安方向の動きとなりました。
 地元経済におきましては、全国と同様、年度前半は新型コロナウイルス感染症の影響で、観光関連や消費関連が大きく落ち込むなど、全体として厳しい状況が続きました。2020年後半は、生産活動、政府の景気刺激策「GoToキャンペーン」効果もあり、消費関連、観光関連が持ち直しました。年明け以降、新型コロナウイルスの再拡大に伴うGoToトラベル一時停止などの影響で観光関連が再度落ち込むなど厳しい分野もあります。先行きについては、変異株による感染拡大やワクチン接種状況などに注視が必要であります。

【当社グループの事業の経過及び成果】

 当社は、2015年10月1日、肥後銀行と鹿児島銀行(以下、総称して「両行」といいます。)との経営統合に伴い、共同株式移転により設立いたしました。両行の地元を中心とした九州での存在感を更に発揮できる盤石な経営基盤を確立することで、広域化した新たな地域密着型ビジネスモデルを創造し、地元との信頼関係を更に強化するとともに経営の効率化を促進し、企業価値を高め、地域総合金融グループとして活力あふれる地域社会の実現に積極的に貢献してまいります。
 なお、当社グループは持続可能な成長の実現に向け、
 1.「お客様の信頼と期待に応え、最適かつ最良の総合金融サービスを提供します」
 2.「地域とともに成長し、活力あふれる地域社会の実現に積極的に貢献します」
 3.「豊かな創造性と自由闊達な組織風土を育み、より良い未来へ向かって挑戦し続けます」
の3つをグループ経営理念として定めております。
 このグループ経営理念を実現すべく、第2次グループ中期経営計画(計画期間:2018年4月1日~2021年3月31日)を以下のとおり策定し、当社グループの企業価値向上・持続的成長に向け取り組みました。

【第2次グループ中期経営計画の概要】
1.名  称:第2次グループ中期経営計画~融合ステージ~
2.計画期間:3年(2018年4月~2021年3月)
3.目指す姿:お客様にとって九州トップの総合金融グループ
4.基本方針:お客様にとって最適かつ最良のサービス提供に向けたグループシナジーの最大化
5.基本戦略・戦略の柱

6.指標目標

※お客様向けサービス業務利益:貸出金平残×預貸金利鞘+役務収益等利益-経費

 「融合ステージ」と位置付ける本中計期間の最終年度となる2020年度において、当社グループが実施した主な施策は次のとおりです。

【「地域活力共創」グループへの進化】
「地域総合金融機能の高度化」
(「銀・証・信」連携の確立)
 当社グループは、高齢化社会の進展を背景に高まる相続・資産承継ニーズに対応するため、九州の地方銀行グループとしては初の取り組みとなる銀行本体での信託業務を2019年4月より開始し、2020年7月からは両行で「後見支援預金」の取り扱いを開始いたしました。2020年10月には当社グループの九州FG証券において、株式上場を目指す取引先を支援する「IPO(新規株式公開)支援業務」を開始しております。開業3周年を迎えた九州FG証券とともに、「銀・証・信」が連携し「ためる」・「ふやす」・「のこす」というお客様のライフサイクル・相続などのご要望に応じたサービスをワンストップで提供しております。今後も両行及び九州FG証券の適切な連携により、専門性の高い金融商品・サービスのご提供に努めてまいります。
(サービス・チャネル拡充)
 当社グループは、九州の事業者に対する成長資金供給を目的に、2020年5月よりクラウドファンディング事業会社「株式会社グローカル・クラウドファンディング」の事業を開始いたしました。当年度において新型コロナウイルス感染症の影響を受けている熊本県内の飲食店を応援する「さしより応援プロジェクト」や、「令和2年7月豪雨災害」により被害を受けた熊本県人吉球磨の観光産業を応援する「球磨焼酎を飲んで人吉温泉を応援するプロジェクト」など様々なプロジェクトを実施しております。今後も地域が有する資源、アイデア等の具現化のため、全国の投資家の「共感する思い」と「資金」を事業者の皆様へ届ける橋渡し役となり、持続可能な地域経済の発展に貢献してまいります。
 また、両行ではお客様の「想い」を地域に届ける取り組みとして、発行額の一定割合をお客様がご指定する学校や団体等へ寄付・寄贈を行う私募債や医療機関債など豊富な商品ラインナップを取り揃えております。肥後銀行では「学び舎応援私募債」「くまもと復興応援私募債」「ひぎんSDGs私募債」「ひぎんSDGs医療機関債」、鹿児島銀行では「かぎんSDGs推進私募債」「かぎんSDGs推進医療機関債」を取り扱っております。
 さらに、2021年2月より紙通帳の代わりにお客様のスマートフォンで預金口座の残高や入出金明細をリアルタイムに照会できる「ひぎん通帳アプリ」「かぎん通帳アプリ」の取り扱いを両行同時に開始いたしました。
 今後も当社グループ一丸となり、地域やお客様の課題解決に向けた取り組みを強化してまいります。

「地域産業振興機能の発揮」
(地域の活性化支援)
 当社グループは、各自治体・関係団体の皆様と協働し、地域の様々な魅力を発信する取り組みを行っております。
 肥後銀行では、2020年9月より公益財団法人地方経済総合研究所と連携し、球磨焼酎のブランディングおよび海外への販路拡大支援事業を実施しております。
 鹿児島銀行では、2020年5月に新本店ビルが完成し、Payどんを始めとした各種電子マネーや各種クレジットカード等を決済手段とする、完全キャッシュレス商業施設「よかど鹿児島(賑わい施設)」を開業いたしました。鹿児島にゆかりのある「人・コト・モノ」が融合・発展することにより、街全体に活気と新しい価値が生まれる鹿児島の新たな賑わい拠点を目指し、五感を通して地元の魅力を発信しております。また、地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の活用促進に関する活動が評価され、2021年1月に「地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)に係る大臣表彰」を受賞いたしました。
 両行では、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部より、地方創生に資する金融機関等の「特徴的な取り組み事例」として認定を受け、地方創生担当大臣から表彰されました。肥後銀行は2021年3月に熊本県阿蘇郡高森町の漫画を起点とした地域活性化・国内外からの移住定住促進支援の取り組みに対する支援策や観光誘客策について、鹿児島銀行は2020年5月に外国人技能実習事業を通じた人材に関する課題解決支援について認定されたものです。
 今後も関係機関等と連携しながら、地方創生実現に向け積極的に貢献してまいります。
(観光分野への取り組み)
 当社グループは、地域が有する観光資源の活用や新たな観光コンテンツの企画・発信などを通じ、観光振興及び地域活性化へのご支援を行っております。
 環境省の「令和2年度(補正予算)国立・国定公園への誘客の推進事業」を活用し、両行において観光プログラムの造成や情報発信等について取り組んでおります。
 肥後銀行では2020年9月から2021年2月に株式会社くまもとDMCと連携し、阿蘇くじゅう国立公園における自然体験プログラムの造成やプロモーション動画の作成、モデルツアー事業を実施いたしました。
 鹿児島銀行では、2020年7月から10月にかけて霧島錦江湾国立公園の霧島エリアにおいて、高千穂峰と霧島神宮、韓国岳とえびの高原を一体で周遊可能なアクティビティ・プログラムを開発し、プロモーションを展開すると共にモデルツアー事業を実施いたしました。
 今後もこのような取り組みを通じた地元各地域の観光資源を発掘し、交流人口拡大による地域活性化を推進してまいります。
(農林水産分野への取り組み)
 当社グループは、農林水産分野における両行それぞれの特徴を活かし、ノウハウを共有することにより、お客様の事業拡大支援を強化しております。
 肥後銀行では、2021年2月に熊本県物産振興協会と連携し、熊本県内の農水産物の生産者の皆様と県外のスーパーおよびECサイト等の食品関連バイヤーをマッチングさせた「くまもと物産オンライン商談会」を開催いたしました。
 鹿児島銀行では、2020年6月より農水産物の生産者の皆様の支援と食品廃棄問題(フードロス)の解決への取り組みを通じて、地域の将来を担う子どもたちの支援や鹿児島県産品活用による食育を目的に子ども食堂への食材の寄贈を継続的に行っております。
 今後も両行が連携し、農林水産分野の成長産業化・地域経済の活性化に努めてまいります。
(創業・新事業分野への取り組み)
 当社グループは、事業者に対するコンサルティングメニュー充実の一環として、創業・新事業分野への取り組みを強化しております。
 肥後銀行では、2020年7月に次世代ベンチャーコンテスト「熊本テックプラングランプリ」を開催し、アグリ・バイオなどの自然共生型産業創出に向けて、次世代技術と情熱をもって熊本から世界を変えようとする起業家を育成する創業支援を行っております。
 鹿児島銀行では、鹿児島県内の大学など8校と「地方創生への取り組みに関する連携協定」を締結し、2020年10月から2021年2月にかけて次世代の人材育成および地域への新産業創出を目的とした「かぎん未来創造アイデアソンプログラム」を実施しております。
 また両行では、肥銀オフィスビジネス株式会社および株式会社みらいワークスと連携し、地域企業と都市部副業人材をつなぐマッチングサービスを開始し、副業人材を活用した経営課題の解決に取り組んでおります。
 今後も創業や第二創業、新規事業の開発などを支援することで、地域企業の成長や雇用創出などの地域活性化に資する取り組みを行ってまいります。
(産学官連携による地方創生支援)
 当社グループは、地域貢献の観点から設立した「九州FG PPP/PFIプラットフォーム」の活動の一環として継続的にセミナーを開催しております。地域の各自治体とそれぞれの地域の課題共有・課題解決に向けた協議を進めており、今後も協働して進めてまいります。
(新型コロナウイルス感染症への対応)
 当社グループは、新型コロナウイルス感染症により影響を受けている地域やお客様に対し、グループ一体となって継続的な支援を行っております。
 金融面では、両行で相談窓口を設置しお客様のご融資やご返済に関するご相談等に迅速かつきめ細やかな対応を行う体制を整備し、「新型コロナウイルス感染症対応特別融資」等により売上減少などの影響を受けている事業者の皆様への支援を行っております。また、お客様への経営支援をさらに強化し、専門性の発揮によるお客様、地域の持続可能性向上に貢献することを目的とし、肥後銀行では「企業支援室」、鹿児島銀行では「新型コロナ事業支援チーム」を新設しました。さらに、新型コロナウイルス感染症により経営が悪化した事業者様に対し、毀損した財務基盤の充実を図っていただくことを目的とし、2021年1月に両行で「資本性劣後ローン」の取り扱いを開始いたしました。当年度の新型コロナウイルス感染症関連の融資実行先数は両行で11,901先、融資実行金額は2,855億円であります。
 非金融面では、肥後銀行で「副業でみんながつながる熊本産マスクプロジェクト」へ参画し、収入減等の影響を受けている皆様の手作りしたマスクを買い取り、熊本県内の事業者・団体や個人の皆様に無料で配布いたしました。鹿児島銀行ではキャッシュレスアプリ「Payどん」を活用した地域振興券や商品券の電子発行サービスを開始し、地域経済活性化や新型コロナウイルス感染症拡大防止に寄与する取り組みを行っております。
 2020年8月には、新型コロナウイルス感染症の対応に従事される医療関係者の皆様の取り組みを支援するため、第5期定時株主総会において、事前に議決権行使いただいた株主様お一人につき100円、総額459,800円を鹿児島県医師会および熊本県医師会へ寄付いたしました。
 さらに、新型コロナウイルス感染症により影響を受けた地元経済の復興および地方創生事業への支援の一環として、2020年9月に両行で熊本県および鹿児島県に総額2億円の企業版ふるさと納税による寄付を行いました。
 今後も持続可能な地域社会の実現に向け、積極的な取り組みを行ってまいります。
(令和2年7月豪雨災害への対応)
 当社グループは、「令和2年7月豪雨災害」により被害を受けた皆様に寄り添った支援を行っております。
 皆様からのご相談に適切かつ迅速に対応するため特別窓口を設置し、事業者の皆様に対し熊本県信用保証協会との連携による「緊急時短期資金」等の活用を通し事業者の皆様に対するご支援を行っております。また肥後銀行の移動店舗車「HarmoniCar(ハモニカー)」に加え、鹿児島銀行の「移動ATMカー」を被災地に派遣しました。さらに、「なりわい再建支援補助金」に関する説明会を実施するなど、あらゆる課題解決を通じお客様の復旧・復興のサポートを継続してまいります。

【グループ人材力の強化】
(人事部門の融合促進)
 当社グループは、グループ一体感の醸成と相互理解による組織力強化を目的として、人事異動を伴う交流や合同研修を継続的に実施しております。人事異動を伴う交流は、当年度までの累計で150名となりました。また、合同研修では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、集合型研修からオンライン形式に移行して開催し、当年度130名を含め累計で2,400名程の交流を実現することができました。
 人材育成では、幹部養成や専門領域の育成施策を積極的に展開しております。幹部養成では、若手層を中心に、事業構想に特化した1年間のプログラムのもと、グループの中核人材に必要とされる実践力・創造力などのスキルを習得させる「次世代リーダー養成トレーニング」(受講者15名)を実施、あわせて、新しい領域のデジタル人材を育成すべく、デジタル人材育成セミナー(受講者20名)、オープンイノベーションセミナー(95名)を実施いたしました。
 採用活動においては、WEB採用説明会・動画配信などの積極的なオンライン採用活動により、グループ採用機能の強化を図りました。
(働き方改革への取り組み)
 当社グループは、従業員が活き活きと働ける職場づくりを実現するため、働き方改革に積極的に取り組んでおります。これまで、生産性向上に効果の高い朝型勤務制度や従業員の健康維持に資するインターバル勤務制度、ライフスタイルも尊重する時差勤務制度を実施してまいりました。
 また、更なる柔軟な働き方の実現はもとより、災害や緊急事態に備えたBCP(事業継続計画)の観点から、在宅勤務を含めたテレワークの積極的な活用及びスプリット勤務を実施しております。

【グループガバナンスの高度化】
(組織の改定)
 当社グループは、社会・環境のデジタル化に向けた新たな顧客体験・サービスの提供、デジタル化推進による働き方改革・生産性向上を目的として、2020年1月に業務・IT統括部を「デジタルイノベーション部」へ組織改正しております。デジタルイノベーション部は、グループ横断的なデジタルイノベーションの企画・立案・推進や新たな事業領域拡充に向けたデジタル化企画・立案などに取り組み、グループ一体でのDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進してまいります。
(委員会の改定)
 当社グループは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う地域経済等への影響を踏まえ、当社グループの取り組み姿勢を明確にするとともに、新型コロナウイルス感染症に対するグループ横断的な情報共有の促進及びお客様・地域経済への取り組みについて協議する「新型コロナウイルス感染症対策委員会」を2020年5月に新設いたしました。地域活力共創グループとして、お客様や地域の皆様と共に、「経済の再生」と「活力あふれる地域社会」の実現に向け、感染症に強い社会づくりにグループを挙げて取り組んでおります。
 2021年4月には、「SDGs・ESGの先駆的取組み」に関わる重要課題を協議、議論する「サステナビリティ推進委員会」を新設しております。それに伴い「新型コロナウイルス感染症対策委員会」を「サステナビリティ推進委員会」に統合し、感染症や自然災害等を地域社会の重要課題として認識し、お客様、地域社会への取り組み等について協議してまいります。
(事務・システムの共通化)
 当社グループは、経営統合による統合効果の最大化に向けた取組みを継続して進めております。その中で、基幹系システムにつきましては、統合のコストと効果、マンパワーや開発期間など多面的な検証を行った結果、統合しても大きなコスト削減効果が無く、2年間程度の開発凍結期間が必要であることなど、デメリットが大きいことから、当面統合を行わないことといたしました。
 変革とスピードが求められる現状において、勘定系統合にかかるコストを第3次中期経営計画の3年間においてDX投資に重点的に振り向け、デジタルによるお客様への新たな体験やサービスの提供と、グループ内業務プロセス改革による生産性向上を図ってまいりたいと考えております。
 具体的には、お客さまの資産形成のお手伝いや利便性の向上に向けて、日本初となる米国ムーブン社の機能を取り入れたグループ共通の金融アプリの開発に取り組んでおります。今後とも地域のDX支援や金融・非金融分野のデジタルサービス提供に向けた地域のデジタルプラットフォーム構築に取り組んでまいります。
 デジタル化の取組みの成果として、本年2月にはお客様の利便性の向上に資する通帳アプリを両行にてリリースしております。

「持続的な社会の実現に向けて」
 当社グループは、グループ経営理念に基づき、持続的な地域の経済発展及び社会づくりに資する取り組みを行っております。
 この取り組みを更に強化するため、国連が定めた「持続可能な開発目標(SDGs)」及び「環境・社会・ガバナンス(ESG)」などの視点を取り入れ、グループ全体の持続可能な事業活動を組織的に統括することを目的に、「サステナビリティ統括室」を設置するとともに、「サステナビリティ宣言」を策定し、グループ一体で持続可能な社会づくりに取り組んでおります。
 本宣言を踏まえ、2019年7月に本業である投融資を通じた持続的な地域社会発展への貢献を目的に「投融資に関する指針」を策定し、お客様や地域の環境・社会問題解決につながる自律的で責任ある投融資を推進するとともに、気候変動の抑制や生物多様性に資する事業、地域の基幹産業の振興に資する事業等に対する積極的な支援を行っております。
 こうしたESG金融に関する当社グループの取り組みが評価され、「第1回環境省ESGファイナンス・アワード・ジャパン(融資部門)」で銀賞を受賞いたしました。
 また、2020年9月に、国内地方銀行で2例目となる責任銀行原則(PRB)に署名し、SDGsやパリ協定等の社会的目標に沿った事業戦略を定め、持続可能な地域社会の実現のために役割と責任を果たしていく決意であります。
 地域とのかかわりにおいても、両行は2020年1月、大分銀行、宮崎銀行、環境省九州地方環境事務所と中・南九州の地域循環共生圏に関する連携協定を締結いたしました。本連携協定の下、国立公園等の地域資源活用を通じた地域活性化や、地域へのSDGs普及・啓発への取り組みを共同で展開するなど、地域及び持続的な地方創生への対応力を強化してまいります。
 このほか、災害に強い街づくりに貢献するため、肥後銀行では防災井戸を熊本県内に計10ヶ所設置し、災害時の地域開放について必要な事項を定めた協定を関係5市と締結いたしました。また鹿児島銀行ではグループ会社等と協力して、地域のお客様のBCP策定を支援しております。
(環境保全活動・地域貢献活動への取り組み)
 当社グループは、豊かな地域社会づくりのため、環境、社会等に関する課題にも積極的に取り組んでおります。ふるさとの豊かな自然の恵みを次世代に継承するため、水源涵養林の育成や水田湛水事業、森林整備の取り組みなど、継続した環境保全活動を行っております。
 2019年6月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明し、2020年3月に「グリーン購入に関する指針」を策定しております。本指針に基づく購買活動を推進するとともに、脱マイクロプラスチックに向けた顧客配布用プラスチックバッグの廃止など、グループ全体で環境に配慮した取り組みを行ってまいります。
 また、2020年12月には、気候変動等の新たな環境課題へのグループ方針の統一および対応強化を図るため、当社グループの「環境方針」を制定しました。脱炭素社会の実現を目指し、地域の環境保全の取り組みなどを通して、持続可能な地域社会の実現に積極的に貢献してまいります。
 このほか、地域行事への参加やスポーツ・文化イベントの協賛、社会福祉など、中長期にわたる地域社会活性化への貢献活動を継続して行っております。

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