第57回 定時株主総会招集ご通知 証券コード : 8439
当連結会計年度におけるわが国経済は、堅調な企業収益と過去最高水準の賃上げを背景とした所得環境の改善、さらにはデジタル化や省力化に向けた旺盛な設備投資等により、内需を中心に緩やかな回復基調が続きました。一方で、日本銀行による政策金利の引き上げに伴い、長らく続いた低金利環境からの大きな転換期を迎えたほか、米国トランプ政権が本格始動させた関税政策や保護主義的な動きが、輸出環境やサプライチェーンに大きな影響を及ぼし、依然として続く物価上昇や深刻な人手不足、不安定な為替相場の推移など、外部環境の急激な変化による景気の下押しリスクを常に抱え、予見困難な状況で推移いたしました。
当社グループにおきましては、2023年5月に公表した5ヵ年の「中期経営計画2027」について当初の想定を大幅に上回るスピードで早期達成いたしました。また、2025年度より企業変革プログラム「TC Compass」を始動し、2026年5月11日に10ヵ年の「長期ビジョン2035」及び5ヵ年の「中期経営計画2030」を発表いたしました。当社は10年後のありたい姿を「地球規模の社会課題を解決に導く “永遠のベンチャー企業”」として定義し、今後、当社独自の知恵と競争力を用いて未踏領域を開拓し、新たな価値を創出し、地球規模の社会課題を解決へと導くリーディングカンパニーを目指してまいります。
① 営業基盤の強化
■ 国内リース事業分野
●当社は、広島県東広島市及び東広島スマートエネルギー株式会社(以下、HSE)との間で、東広島市における脱炭素社会の実現を目指す「地域脱炭素化の実現に向けた連携協定」を締結いたしました。環境省の「脱炭素先行地域」に選定されている同市は、都市型脱炭素化特有の複合的な課題に直面しています。本協定に基づき、当社の持つ脱炭素ソリューションの知見と、HSEの地域密着型の供給力を掛け合わせ、同市への省エネ機器・高効率機器の普及促進、安定的な電力供給体制の構築を推進してまいります。今後もパートナー企業や自治体との連携を通じて、再生可能エネルギーの導入や省エネ機器の普及など、地域の脱炭素化と地域経済の発展を支援してまいります。
●当社のNTTグループとの合弁会社で総合リース事業を展開しているNTT・TCリース株式会社(以下、NTL)は、円金利上昇による資金原価増加を打ち返し、過去最高益を更新いたしました。海外データセンター向けファイナンスなどのNTTグループ関連ビジネスの強化、環境・不動産・教育分野における当社との共創・パートナー連携の強化による成長分野の拡大に注力したことにより、ベース収益が伸長しました。引き続き当社はNTLをはじめとするNTTグループとの様々な分野での連携を深め、共創案件を創出することで両社の企業価値向上と社会課題の解決に貢献してまいります。
■ オートモビリティ事業分野
●当社は、豪州の独立系レンタカー会社であるBargain Car Rentals Australia Pty Ltd(以下、Bargain Car Rentals)の全株式を取得することについて契約を締結いたしました。本件は、当社にとって単独では初となる海外レンタカー事業への出資となります。豪州は都市間移動のインフラとしてレンタカー需要が底堅く、今後もさらなる市場成長が見込まれています。当社は連結子会社のニッポンレンタカーサービス株式会社で培った運営ノウハウやDX推進等の知見を、Bargain Car Rentalsが持つ豪州の拠点ネットワークに注入することで、早期の企業価値最大化を図り、将来的には車両リース・ファイナンスや中古車事業といった周辺領域への展開も視野に入れ、豪州におけるモビリティ事業のバリューチェーン構築と事業基盤の拡大を加速させるとともに、グローバルなモビリティ社会の発展に貢献してまいります。
■ スペシャルティ事業分野
●当社は、アドバンテッジパートナーズグループ(以下、APグループ)の統括会社であるAdvantage Partners Pte. Ltd.の株式を追加取得し、同社を持分法適用関連会社といたしました。当社は、APグループを企業投資事業の中核と位置付け、両社の強みを融合させた独自の「ハイブリッド投資事業モデル」を推進することで、事業承継や親子上場の解消といった多様な経営課題に対する高度なソリューションを提供いたします。本パートナーシップの強化を通じて、従来の国内バイアウト投資に加え、上場企業への成長支援、アジア地域での企業投資や再生可能エネルギー分野などにも協業範囲を拡大し、社会課題の解決と日本の経済社会の発展に貢献してまいります。
●当社は、モナコを拠点とする有力海運グループであるC Transport Maritimeから、船舶の保有・調達機能を担うC Transport Maritime Ltd.の株式を取得し、持分法適用関連会社といたしました。世界最大級のドライバルク船(ばら積み船)プールを運営する同グループとの連携により、海運市況インテリジェンスや、専門的な配船・運航管理ノウハウを組織的に蓄積し、当社が培ってきた国内海事クラスター(造船所・船主・商社など)との強固なネットワークと同グループのグローバルな基盤を融合させることで、優良な船舶資産へのアクセスを容易にし、共同投資機会の創出や多様な海事ソリューションの提供など、海運業界の持続的な発展に貢献してまいります。
■ 国際事業分野
●当社は、いすゞ自動車株式会社の100%子会社であるIsuzu Australia Ltd.との合弁により、豪州にリース会社Isuzu Financial Services Australia Pty Ltd.(以下、IFSA)を設立いたしました。豪州は輸送コストの上昇等を背景に車両の安定稼働や運用コスト最適化へのニーズが高まっており、いすゞの商用車が高いシェアを誇る同国においてリース市場の安定的な成長が見込まれています。新会社のIFSAでは、新車販売と一体となったメンテナンスリースを提供し、車両のライフサイクル全体を通じてサポートし、今回のいすゞとの合弁事業を通じ、高品質な車両と当社の強みを掛け合わせることで、多様化・高度化するお客さまのニーズに的確に応えるソリューションを提供してまいります。
●当社の連結子会社であるCSI Leasing, Inc.は、航空機地上支援機材(以下、GSE:Ground Support Equipment)の専門企業であるAeroservicios USA, Inc.の過半の株式を取得いたしました。本件により、従来のGSEリース事業に機器のリファービッシュ及び再販機能を加え、機材の導入から処分までを一貫して担う「GSEライフサイクルマネジメント」を本格展開いたします。安定成長が見込まれるGSE市場において、高品質な機材の提供と資産管理をワンストップで実施し、機器の長寿命化と再利用を通じて資源の有効活用を図り、多様な顧客ニーズへの対応と循環型経済社会の実現に貢献し、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。
■ 環境インフラ事業分野
●当社は、英国で再生可能エネルギー投資や開発を手掛けるDowning LLPと共同で、同国における太陽光発電所への投資、建設及び運営を目的とした合弁会社を設立いたしました。本件は、当社にとって英国における太陽光発電所の建設フェーズに初めて参画し、再生可能エネルギー事業において海外パートナーと合弁会社を設立して共同運営を行う初の事例となります。2028年までに累計約500MW(10ヵ所程度)の太陽光発電所ポートフォリオ構築を目指しており、英国政府の促進制度であるCfD(注)を通じて長期安定的な収益の確保を見込んでいます。当社は本事業を通じて、発電所の建設・開発のリスクマネジメントやガバナンスのノウハウを獲得し、海外事業運営能力を向上させるとともに、クリーンエネルギーの普及と脱炭素社会の実現に貢献してまいります。
(注)Contract for Difference(差額決済型固定価格買取制度)の略であり、事前に決定された価格を発電事業者に保証し、市場価格との差額を調整することで収益の安定化を図る制度。
●当社は、成長戦略の柱として系統用蓄電池事業を強力に推進しております。国内の再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、その出力変動を吸収し、電力系統を安定させるための調整力として、系統用蓄電池の重要性が高まる中、当社は大阪府や岩手県において系統用蓄電池の商業運転を開始したほか、鹿児島県では国内最大級となる太陽光発電所の蓄電池併設プロジェクトに着手するなど、着実に稼働案件を積み上げてまいりました。今後、自社主導の開発体制に注力することにより事業組成のスピード強化と運営ノウハウの確実な蓄積を図り、約600MW規模の運転開始を目指し、再生可能エネルギーの拡大ならびに電力系統の安定化を通じて、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。
② 経営基盤の強化
・当社事業の成長・グローバル化が進み、複雑化・多様化する外部環境の変化や社会課題に迅速かつ柔軟に対応する力を強化していく必要性が増す中、中長期的に当社の企業価値を最大化していくため、2026年4月1日付にて組織改編及びCxO体制の導入を行いました。これにより、事業競争力の強化、意思決定の迅速化及びグループガバナンスの向上を推進することで、企業変革の加速と経営基盤の強化を図り、当社の企業価値の持続的向上・最大化を目指してまいります。
・当社は、CDP(注)が実施する2025年度調査の「気候変動」分野において、初めてリーダーシップレベルの「A-(Aマイナス)」スコアを獲得いたしました。今回の選定は、TCFD提言に基づく情報開示の深化や、サプライチェーン全体における温室効果ガス排出量算定の精緻化、再生可能エネルギー事業の拡大といった当社の継続的な取り組みと、透明性の高い情報開示が総合的に評価されたものと認識しております。今回の評価を新たな原動力とし、金融・サービスの機能を通じたソリューションの提供により、気候変動という地球規模の社会課題の解決に向けた取り組みを一層加速させ、持続可能な未来の創造に全力を尽くしてまいります。
Carbon Disclosure Projectの略であり、環境情報開示システムを運営する国際的な非営利団体として企業や都市を対象に気候変動等の分野で調査を実施し、評価・公表している機関。
・当社は、国内初となる「自己評価型ポジティブ・インパクト・ファイナンス・フレームワーク」(以下、本フレームワーク)を策定し、これに基づき総額1,714億円の資金調達を実施いたしました。本フレームワークは、当社が主体的に事業活動の社会的・環境的インパクトを評価・管理し、貸付人との対話を通じて自律的にサステナビリティ経営を推進することを特徴としています。当社は、今後も多様な資金調達手法を確保し、事業活動を通じてポジティブなインパクトの創出を加速させることで、循環型経済社会の実現と持続的な企業価値の向上に努めてまいります。
・当社は、一般社団法人work with Prideが策定した職場におけるLGBTQ+など性的マイノリティに関する取組評価指標「PRIDE指標2025」において、昨年に続き最高位の「ゴールド」を受賞しました。あわせて、当社の連結子会社でANA インターコンチネンタル別府リゾート&スパとホテルインディゴ軽井沢を経営するTCホテルズ&リゾーツ株式会社においても「ゴールド」を受賞し、グループでのダブル受賞となりました。当社は「ダイバーシティ基本方針」に基づき、多様な人材の採用・育成・登用を推進しており、今後も一人ひとりが働きやすい職場づくりを通じて、多様な人材が活躍・融合するダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを実現してまいります。
業績につきましては、売上高は前期比890億円(6.5%)増加し1兆4,577億円、売上総利益はスペシャルティ事業及び国際事業での増益を主因に前期比480億円(17.1%)増加し3,283億円となりました。
販売費及び一般管理費は、前期比168億円(10.3%)増加し1,799億円となりました。主な要因は、オートモビリティ事業、スペシャルティ事業及び国際事業の人件費及び物件費の増加であります。
営業外損益は前期比1億円(0.7%)減少し151億円の利益となりました。
これらにより、経常利益は前期比311億円(23.5%)増加し1,634億円となりました。
また、特別損益はロシア関連保険和解金の計上はあったものの、バイオマス混焼発電事業を主因とする減損損失の計上の影響が上回り前期比207億円減少し75億円の損失、法人税等は前期比130億円(25.7%)減少し376億円、非支配株主に帰属する当期純利益は前期比25億円(26.7%)減少し70億円となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比260億円(30.5%)増加し1,113億円となりました。