第1号議案
定款一部変更の件

1.変更の理由

 当社は、「情報革命で人々を幸せに」という経営理念の下、創業以来一貫して、情報革命を通じ人類と社会へ貢献すべく事業を推進してきました。通信事業の持続的な成長を図りながら、通信キャリアの枠を超え、情報・テクノロジー領域のさまざまな分野で積極的に事業を展開する成長戦略「Beyond Carrier」に基づき、企業価値の最大化に取り組んでいます。
 2023年5月10日には、当社が「デジタル化社会の発展に不可欠な次世代社会インフラを提供する企業になる」ことを長期ビジョンとして掲げ、その実現に向けた事業基盤の再構築を目指す3ヵ年の中期経営計画(2023年度から2025年度)を発表しました。
 当社は、今後AIを活用した次世代デジタルサービスが日常に溶け込み、人々の生活がより便利で豊かなものになると考えています。一方で、AIの活用にあたっては膨大なデータ処理と電力の需要が発生すると指摘されており、持続可能な社会の実現との両立に向けた課題になると見込まれ、次世代社会インフラにはこれに対応できる構造が求められます。今後当社は、通信・IT技術の高度化に加えて、次世代社会インフラの構築に向け、AIのデータ処理や電力消費などを地理的に分散化・平準化できる「分散型AIデータセンター」、その分散型AIデータセンターを仮想的に一つのシステムであるかのように見なす「超分散コンピューティング基盤(xIPF:cross Integrated PlatForm)」、生成AI(文章、画像、プログラムコードなどの様々なコンテンツを生成することのできる人工知能)を用いたサービスなどの実現や、再生可能エネルギーの開発・調達に中長期的に取り組んでいきます。
 2018年12月の上場以降、当社は成長戦略「Beyond Carrier」に基づき、Zホールディングス㈱(旧ヤフー㈱)の子会社化、そのZホールディングス㈱とLINE㈱の経営統合、キャッシュレス決済サービス「PayPay」の立ち上げなど、非通信領域に事業を拡大・成長させてきました。この間、高水準の株主還元を継続しつつ、これらの成長投資を自己資金と負債性の資金調達により賄ってきた結果、当社の連結総資産は14兆円超に拡大し、連結純有利子負債残高は約4兆円へと増加しました。
 今後、通信・IT技術の高度化や次世代社会インフラに関連した成長投資を行いながら、成長投資と高水準の株主還元との両立を継続していくには、負債性のみならず資本性の資金調達を組み合わせて資本の充実と財務基盤の強化を図ることが望ましいとの考えに至りました。
 このような背景のもと、既存の当社普通株式の株主(以下「普通株主」)の皆さまの利益を可能な限り損なわず、自己資本の拡充を実現する調達手法として、以下の特徴を有する「社債型種類株式」が有用な選択肢であり、個人投資家を含めた幅広い投資家層のニーズに応えるものであると考えました。
 ・株主総会における議決権がなく、普通株式への転換権がないため、議決権の希薄化が生じません。(保有割合にかかわらず株主総会における議決権や普通株式への転換権がないこと等から、買収防衛策に活用できる性質ではないと考えており、そのような想定もありません。)
 ・当初設定された優先配当金以上の配当が行われない「非参加型」の種類株式であり、優先配当金以上の配当に対する参加権は普通株主の皆さまのみが有します。
 ・既存の発行可能株式総数(普通株式と社債型種類株式を合計して発行することができる総数)の範囲内での発行であり、本議案により、発行可能株式総数を拡大するものではありません。
 今後、社債型種類株式を発行する場合には、無償割当を含む株主割当や第三者割当方式ではなく一般公募による発行を行い、株式会社東京証券取引所プライム市場への上場申請を予定しています。かかる社債型種類株式は、普通株主の皆さまに与える希薄化等の影響を抑えながら、幅広い投資家の皆様に投資可能な商品とすることを企図しており、本邦における新しい設計の「社債型」種類株式となります。
 本議案は、かかる社債型種類株式の発行を可能とするため、当該株式に関する規定を新設するとともに、それに伴う所要の調整をする旨の定款変更を行うことについてご承認をお願いするものであります。なお、現時点で社債型種類株式の発行について決定しているものではありませんが、ご承認いただいたあかつきには、市場環境にもよるものの、第1回号の発行を2023年度内に最大1,200億円の規模で行うことを想定しております。
 また、今後の段階的な資金需要に対し柔軟に対応するため、順次第5回号までの発行を可能とする旨の定款変更を行うことについても承認をお願いしております。なお、第2回号以降の具体的な発行時期、内容については、今後の資金需要や市場の動向等を総合的に勘案して決定していきますが、現時点においては第1回号と同様の商品性や規模を想定しております。

2.変更の内容

 変更の内容は次のとおりであります。
 なお、本定款変更の効力は、本株主総会終結の時をもって生ずるものとします。

(下線は変更部分を示します。)

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2023/06/20 13:00:00 +0900
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