(1)コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方と基本方針
当社グループは、情報技術で新しい「しくみ」や「価値」を創造し、より豊かで調和のとれた社会を実現することを使命とし、常に時代の先を読み、市場環境の変化、お客様のニーズ及び最新の技術動向に迅速・的確に対応しつつ、持続的な成長により安定して利益を創出できる企業体質の確立をめざしています。
この企業理念のもと、当社グループは2022年度から2025年度までの中期経営計画を策定しました。未来に向けた価値をつくり、様々な人々をテクノロジーでつなぐことでお客様とともにサステナブルな社会を実現することを目標に「Realizing a Sustainable Future」をスローガンに設定しました。
「Realizing a Sustainable Future」の実現に向け、従来取り組んできたESG経営をサステナビリティ経営に発展させ、Environment、Economy、Societyの3つの軸を設定し、9つのマテリアリティ(重点課題)に取り組んでおります。経済価値の向上と、社会価値・環境価値の創出を両立する「Business with Sustainability」を基本的な考え方とし、社会に貢献できる事業活動に取り組んでまいります。
更に、当社グループは、国内外において、法令・契約を遵守し、人権を含む各種の国際規範を尊重することに加えて、様々な情報サービスの提供を役員や社員が社会的良識に基づき適正に実施することを通じ、社会が直面する様々な課題の克服に向けて、積極的に貢献していきます。
この考え方のもと、当社は、株主や投資家の皆様をはじめ、お客様やお取引先、従業員等様々なステークホルダー(利害関係者)の期待に応えつつ、企業価値の最大化を図るため、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するよう、コーポレートガバナンス・コードの各原則の趣旨を踏まえ、①経営の透明性と健全性の確保、②適正かつ迅速な意思決定と事業遂行の実現、③コンプライアンスの徹底、を基本方針としてこれらの充実に取り組んでいます。
①経営の透明性と健全性の確保
当社は、「ディスクロージャー規程」に則り制定した「ディスクロージャーポリシー」に基づき、適時、公正かつ公平な情報開示に努めており、このことによって市場から適切な企業評価を得ることが重要であると認識しています。そのため、当社は四半期ごとの決算発表に合わせて決算説明会を実施している他、国内外の投資家・アナリストの皆様とのミーティングも積極的に実施し、経営の透明性の確保を図っています。また、社外取締役及び監査等委員である取締役を置いて、業務執行に対する監督・監査の機能を強化することにより、経営の健全性の確保を図っています。更に、当社の親会社である日本電信電話株式会社、NTTグループ内の各社と取引を行う際には、当社株主全体の利益の最大化を意識し実施しています。
②適正かつ迅速な意思決定と事業遂行の実現
当社の意思決定は、取締役会の監督のもと、社長、副社長、リージョン・分野担当役員及び各組織の長の責任・権限を定めた「権限規程」に基づき行っています。また、事業運営に関する円滑かつ迅速な意思決定及び監督を行うことを目的に、社長、副社長、リージョン・分野担当役員、常務執行役員及びその他関連する重要な組織の長をもって構成される「経営会議」を設置し、取締役会で決議される事項についても、審議を充実させるため、事前に「経営会議」で協議を行っています。その他、業務執行に専念する責任者として執行役員を配置し、取締役から業務執行に関わる権限を大幅に委譲するとともに、「組織規程」に基づき主管組織が自主的かつ責任ある事業運営を実施することにより、適正かつ迅速な意思決定と事業遂行の実現を追求しています。
③コンプライアンスの徹底
当社は、企業倫理・コンプライアンス意識の醸成及び昨今の経営環境の変化に対応することを目的とし、当社グループ社員一人ひとりの日々の活動における基本的な規範として「NTTデータグループ行動規範」を制定しています。これを実効あるものとするためには継続的な啓発活動を行う必要があると考えており、経営幹部によるコンプライアンス徹底に関するメッセージの社内発信や、全役員・社員向けのコンプライアンス研修等を継続して実施しています。更に、より風通しの良い企業風土を醸成するため、グループ全社員が利用できる内部通報制度を設置し、社内外から匿名・記名を問わず申告を受け付けています。当該窓口等に申告したことを理由として、申告者に対して不利益となる取扱を行わないことをグループ内部通報ポリシーにおいて規定しています。