事業報告

当連結会計年度の事業の状況

売上高は8兆9,010億円となり、2015年度から192億円(0.2%)増加しました。2015年度から、ヤフー事業で2,014億円、国内通信事業で491億円増加しました。2016年第2四半期に新設したアーム事業は1,129億円の売上高となりました。ヤフー事業の増加は主に、ヤフー㈱がアスクル㈱を子会社化(2015年8月)したことによるものです。スプリント事業は、米ドルベースでは増収でしたが、為替変動の影響で減収となりました。

営業利益は1兆260億円となり、2015年度から1,171億円(12.9%)増加しました。スプリント事業で1,249億円の大幅増益となったほか、国内通信事業で312億円の増益となりました。また、新設のアーム事業では129億円のセグメント利益を計上しました。一方、ヤフー事業のセグメント利益は、2015年度にアスクル㈱の子会社化に伴う、企業結合に伴う再測定による利益594億円が含まれていたため、330億円の減少となりました。また流通事業は、Brightstar Global Group Inc.(以下「ブライトスター」)に係るのれんの減損損失303億円を計上したため、営業損失は88億円悪化の100億円となりました。

親会社の所有者に帰属する純利益は1兆4,263億円となり、2015年度から9,521億円(200.8%)増加しました。これは、非継続事業からの純利益として、2016年4月1日から7月29日までの期間におけるSupercell Oy(以下「スーパーセル」)の税引後利益を282億円、スーパーセル株式の売却益(税引後)を5,266億円(2015年度は計上なし)それぞれ計上したことが主な要因です。

財務費用は、主にソフトバンクグループ㈱が普通社債およびハイブリッド社債を発行したことなどにより支払利息が増加し、2015年度から266億円増加の4,673億円となりました。また、持分法による投資損益は、主に、Alibaba Group Holding Limited(以下「アリババ」)の持分法投資利益の減少により、2015年度から538億円減の3,216億円の利益となりました。このほか、アリババ株式の一部売却に伴い関連会社株式売却益を2,381億円、アリババ株式先渡売買契約に含まれるカラー取引等に関するデリバティブ関連損益として2,528億円の損失、FVTPL(注1)の金融商品から生じる損益として1,604億円の損失を計上しました。

これらの結果、親会社の所有者に帰属する持分は、2015年度末から9,727億円増加して3兆5,864億円となりました。これは主に、利益剰余金が7,917億円増加したほか、消却により自己株式が2,470億円減少したことによるものです。

親会社所有者帰属持分比率は、2015年度末の12.6%から2.0ポイント上昇して14.6%となりました。

スーパーセルに係る業績について

当社グループは、2016年7月29日、保有するスーパーセルの全ての株式をTencent Holdings Limitedの関係会社に売却しました。これに伴い、2016年7月29日までの期間の同社の純利益は、継続事業と区分し非継続事業として表示しており、2015年度の同社の純利益についても、遡及修正を行い、非継続事業として表示しています。なお、株式の譲渡日である2016年7月29日をもって、スーパーセルはソフトバンクグループ㈱の子会社に該当しなくなり、連結の範囲から除外されています。

(注)

  • Fair Value Through Profit or Lossの略称でIFRSにおける金融商品の分類の一つ。
  • 純有利子負債=有利子負債-手元流動性
    手元流動性=現金及び現金同等物+流動資産に含まれる短期投資