事業報告
当連結会計年度の事業の状況
2017年度の売上高は9兆1,588億円となり、2016 年度から2.9 % 増加しました。2016年度から、国内通信事業で361億円(1.1%)、ヤフー事業で309億円(3.6%)、流通事業で1,239億円(9.6%)、アーム事業(注1)で894億円(79.2%)それぞれ増収となりました。一方、スプリント事業は214億円(0.6%)の減収になりました。
営業利益は、2016 年度から2,778 億円(27.1%)増加し、1兆3,038億円となりました。ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドからの営業利益3,030億円が全体の利益を押し上げました。このほか、スプリント事業も、減収となったものの大規模なコスト削減が奏功し、929億円の大幅増益となりました。一方、国内通信事業は、顧客基盤の拡大に向けた施策の影響で移動通信サービスが減収となった結果、366億円の減益となりました。また、アーム事業は、研究開発のさらなる強化を目的として技術関連人員を中心に従業員の新規採用を進めたことにより、443億円の減益となりました。
親会社の所有者に帰属する純利益は1兆390億円となり、2016年度から3,873億円(27.2%)減少しました。2017年12月の米国税制改正により、スプリント事業で6,850億円の利益押し上げ影響があったほか、業績が引き続き好調なアリババの持分法投資利益4,248億円が増益に貢献しました。一方で、2016年度に行ったアリババ株式を利用した資金調達に伴うデリバティブ関連損失6,042億円を計上しましたが、当該取引の決済期日である2019年6月にはデリバティブ負債取崩しで利益を計上し、3年間の累計損失は9億米ドルに収れんする見込みです。
2017年度は、情報革命の次の段階の基盤となり得るグループを構築するため、ソフトバンク・ビジョン・ファンドによる投資を開始し、人々のライススタイルを変革する可能性を備えた革新的な技術やビジネスモデルを持つ企業に対し、積極的な投資を行いました。ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドによる投資は、累計297億米ドルとなりました。このほか、当社グループはライドシェアリングの代表的な企業であるUber Technologies, Inc. およびXiaoju Kuaizhi Inc.(以下「DiDi」) へ合計129億米ドルの投資を実施しました。
ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド事業について
2017年5月20日にソフトバンク・ビジョン・ファンドが大規模な初回クロージングを完了したことに伴い、2017年6月30日に終了した3カ月間に、新たな報告セグメントとして「ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド事業」を設けました。ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドから生じる損益は、他の事業から生じる営業損益と区分し、営業利益の内訳として、連結損益計算書上、「ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドからの営業利益」として表示しています。
(注)
- アーム事業において、アームの業績は2016年9月6日から反映されています。
- 純有利子負債=有利子負債-手元流動性 手元流動性=現金及び現金同等物+流動資産に含まれる短期投資
なお、有利子負債は、アリババ株式の株式先渡売買契約に係る金融負債、ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドの有利子負債、および㈱ジャパンネット銀行の銀行業の預金を控除しています。また、手元流動性は、ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドならびに㈱ジャパンネット銀行の手元流動性を控除しています。