事業報告

資金調達等の状況

2017年度において、当社グループの有利子負債(注1)は2兆1,838億円増加しています。これは、主にソフトバンクグループ㈱による借入金の増加および外貨建普通社債の発行、ソフトバンクグループ㈱の100%子会社によるアリババ株式を活用した借入の実施、2017年5月に初回クロージングを完了したソフトバンク・ビジョン・ファンドによる借入の実施、ならびにスプリントによる借入の増加および社債の発行によるものです。主な取引の概要は、次のとおりです。

借入金

2017年度において、当社グループによる金融機関等からの借入金は1兆9,991億円増加しています。当社グループにおける借入残高の主な変動は次のとおりです。

  • ソフトバンクグループ㈱によるリファイナンスの実施

    2017年11月に、スプリント買収資金等のリファイナンスに係る借入(2013年9月契約締結)、およびアーム買収に係るブリッジローン(2016年7月契約締結)のリファイナンスを主な目的として2兆6,500億円のシニアローンの借入契約を㈱みずほ銀行、㈱三井住友銀行、㈱三菱東京UFJ銀行、クレディ・アグリコル銀行、三井住友信託銀行㈱をアレンジャーとした銀行団と締結したほか、ハイブリッドローン840億円の借入契約を締結しました。

  • ソフトバンクグループ㈱によるコミットメントラインの組成

    ソフトバンクグループ㈱は、2016年度に組成したコミットメントライン契約の満期終了に伴い、新たに2017年8月に総額1,785億円のコミットメントライン契約を㈱みずほ銀行、シティバンク銀行㈱、クレディ・アグリコル銀行をアレンジャーとした銀行団と締結しました。2017年度末におけるコミットメントラインの借入残高は1,785億円です。

  • ソフトバンクグループ㈱の100%子会社によるアリババ株式を活用した借入の実施

    ソフトバンクグループ㈱の100%子会社であるスカイウォークファイナンス合同会社は、保有するアリババ株式を活用し、額面8,000百万米ドルを借り入れました。当該借入はソフトバンクグループ㈱に対してノンリコースです。2017年度末における当該借入残高は8,423億円です。

  • ソフトバンク・ビジョン・ファンドによる借入の実施

    2017年5月に初回クロージングを完了したソフトバンク・ビジョン・ファンドは、投資の資本効率の向上等を目的として総額4,984億円を借り入れました。

  • スプリントによる借入の実施

    スプリントは、2018年3月に、保有する周波数帯の一部を担保とする担保付社債の発行を通じて、39億米ドルの資金調達を行いました。一方で、2017年4月から2018年1月にかけて、通信設備を担保として調達していた資金合計19億米ドルを返済しました。

(注)

  • 有利子負債は、アリババ株式の株式先渡売買契約に係る金融負債、ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドの有利子負債、および㈱ジャパンネット銀行の銀行業の預金を控除しています。

社債

2017年度において、当社グループの社債残高は2,510億円増加しています。同年度において、ソフトバンクグループ㈱は総額33.5億米ドルおよび総額22.5億ユーロの外貨建普通社債を、スプリントは15億米ドルの社債を発行しました。一方、ソフトバンクグループ㈱は額面総額1,200億円の社債を、スプリントは額面総額3,176百万米ドルの社債を償還しました。

当社グループにおける主な社債の発行および償還は、次のとおりです。

(注)

  • Sprint Communications, Inc.は、Sprint Corporationの子会社です。
  • 発行額3,000百万米ドルうち一部を複数回に分けて早期償還しています。
  • 満期償還日
  • 一部を早期償還、残額を満期償還しております。
  • Clearwire Communications LLCは、Sprint Corporationの子会社です。
  • 満期は2040年12月ですが、2017年12月に早期償還済です。

ソフトバンクグループ㈱は、2018年4月に、2015年4月に発行した外貨建社債(以下「2015年外債」)のコベナンツの一部を、2017年9月に発行した外貨建社債(以下「2017年外債」)のコベナンツと整合させる変更を行いました。ただし、2015年外債の保有者のうち、交換社債への交換を希望する保有者に対しては交換社債(同交換社債と2017年外債のコベナンツは整合)への交換を行いました。

交換社債の発行および交換の対象となる2015年外債の買取消却は、次のとおりです。

ソフトバンクグループ㈱は、2017年7月に総額45億米ドルの外貨建永久劣後社債を発行しました。本永久劣後社債は、連結財政状態計算書において「その他の資本性金融商品」として資本の部に計上されています。

本永久劣後社債の発行は、次のとおりです。

(注)

  • 利払繰延条項とは、発行者(ソフトバンクグループ㈱)の裁量により、利息の支払いの全部または一部の繰り延べを可能とする条項。期限前償還条項とは、予め定められた期間の経過後に、発行者の選択により期限前償還を可能とする条項。劣後特約とは、発行者が清算、破産、会社更生、民事再生および日本法以外の清算手続きまたは倒産手続きを行う場合、発行者の清算手続き等における債務の支払いに関し、一般の債務(発行者が2014年および2015年に発行した劣後債を含む)よりも債務の履行が後順位、最上位の優先株式(今後発行した場合)と実質的に同順位になる旨の特約。

ファイナンス・リース

当社グループでは、主に国内通信事業に係る設備投資資金についてリースを利用した資金調達を行っています。2017年度末におけるリース債務の残高は1兆2,219億円です。