当連結会計年度(2025年4月1日〜2026年3月31日)における国内景気は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果を背景に緩やかな回復の兆しが見られた一方、米国の通商政策や中東情勢の影響によるエネルギー価格の上昇や物流への不透明感が増すなどの下振れリスクが顕在化しました。
建設業界においては、資材価格の高騰や労務需給の逼迫に加え、「2024年問題」以降の労働環境の変化によるコスト上昇圧力が継続しており、さらに中東情勢の影響による日本国内における原油由来の建設資材の価格高騰や供給遅延についても注視していく必要があります。
当社グループにおいては、2025年5月に「中期経営計画2027」を公表し、営業・作業所における提供価値を高める「タテ展開」と、建設事業と戦略事業の連携を深める「ヨコ展開」を推進することで、高収益化を目指す取り組みを行っております。また重点管理事業として、SECC事業(スマート・エネルギー・コンプレックスシティ)、環境・エネルギー事業(洋上風力発電事業)及び海外事業を掲げ、これらの事業へ成長投資を行い事業基盤を一層強固なものにする成長戦略を実施しております。そして、このような成長投資を推進する一方でROE(自己資本利益率)10%以上を中長期的に確保するため、ROIC(投下資本利益率)5%以上を目標として設定するなど投資プロセスの強化にも取り組んでおります。
このような状況の中、当社グループは建設事業における戦略的受注を徹底するとともに、設計・施工準備段階におけるフロントローディングを通じたムダの排除と原価低減に注力し、生産性の向上に努めてまいりました。
連結売上高については、当社の建築事業及び国内グループ会社の大型工事が進捗したこと、また、海外グループ会社における販売用不動産の売却により売上高が増加し、6,457億円と前連結会計年度比10.1%の増加となりました。
営業損益については、主に当社の建築事業において工事の採算性が向上したことや、海外グループ会社において販売用不動産の売上総利益が増加したことなどから、売上総利益は922億円と前連結会計年度比21.6%の増加となりました。また、販売費及び一般管理費は人件費や浮体式洋上風力などの研究開発費が増加し540億円と前連結会計年度比9.7%の増加となり、営業利益は382億円と前連結会計年度比43.5%の増加となりました。
経常利益については、保有する投資有価証券の受取配当金などを営業外収益に計上し、439億円と前連結会計年度比51.2%の増加となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益については、国内投資開発事業等において減損損失を計上しましたが、政策保有株式の売却を進めたことによる投資有価証券売却益の計上により、369億円と前連結会計年度比46.8%の増加となりました。
また、事業の種類別セグメントにおける業績は次のとおりであります。




建築事業及び土木事業においては、国内及び海外において、施工を核として建設物のライフサイクル全般にわたり、事業の展開を図ってまいりました。
この結果、建築事業の売上高は3,625億円(前連結会計年度比1.2%増)となり、セグメント利益は269億円(前連結会計年度比62.8%増)となりました。また、土木事業の売上高は1,278億円(前連結会計年度比0.5%増)となり、セグメント利益は46億円(前連結会計年度比42.9%減)となりました。


国内投資開発事業においては、国内において保有する土地及び建物の有効利用を図るとともに、賃貸並びに国内の建築及び土木事業に付帯する販売を中心に事業を展開してまいりました。この結果、売上高は334億円(前連結会計年度比30.0%減)、セグメント利益は20億円(前連結会計年度比63.0%減)となりました。

国内グループ会社事業においては、国内の連結子会社が行う建築事業、土木事業、ビル管理を主とする不動産事業、ホテル事業、グループ企業内を中心とした人材派遣業、並びに金融・リース事業を中心に事業を展開してまいりました。この結果、売上高は678億円(前連結会計年度比16.6%増)、セグメント利益は27億円(前連結会計年度比8.8%減)となりました。

海外グループ会社事業においては、海外の連結子会社が行う海外における建設工事及びこれに付帯する事業、不動産の自主開発、売買及び賃貸等に関する事業、並びにホテル事業を中心に展開してまいりました。この結果、売上高は676億円(前連結会計年度比18.7%増)、セグメント利益は56億円(前連結会計年度比449.0%増)となりました。

環境・エネルギー事業においては、当社グループが行う発電及び売電に関する事業を中心に展開してまいりました。この結果、売上高は33億円(前連結会計年度比261.5%増)、セグメント損失は12億円(前連結会計年度は11億円のセグメント損失)となりました。

なお、当社個別の部門別の受注高・売上高・繰越高は、次のとおりであります。

・Meiji Seika ファルマ(株) 足柄デュアルユースプロジェクト
・東京都中央区 中央区立日本橋中学校改築及び中央区立千代田公園整備工事(建築工事)
・ラムマスター2(同) (仮称)ESR南港データセンターFit-out2工事
・福岡国際空港(株) 福岡空港国際線ターミナルビル南側コンコース整備工事
・羽曳野市 羽曳野市本庁舎建替整備実施設計及び工事施工
・スズキ(株) 本社EM・EPT棟新築工事
・首都高速道路(株) (修負)高速都心環状線(築地川区間)銀座・新富地区擁壁他工事
・大栄不動産(株) 坂戸インターチェンジ地区土地区画整理事業 造成工事
・西宮市上下水道局 公共下水道新設(合流貯留管整備その6)工事
・近畿中部防衛局 祝園(7)火薬庫新設等土木その他工事(その1)・(その2)
・(株)出雲村田製作所 出雲村田製作所新生産棟及びインフラ物流棟建設工事
・センコーグループホールディングス(株) (仮称)センコーグループホールディングス株式会社浦和大門物流センター新築工事
・デジタル東京2特定目的会社 (仮称)NRT14新築工事
・旧奈良監獄保存活用(株) 旧奈良監獄保存活用事業
・福岡市 福岡市拠点文化施設整備及び須崎公園再整備事業
・(株)下関ホテルマネジメント (仮称)下関ホテルプロジェクト 新築工事
・東京都 城北中央公園調節池(一期)工事 その2
・国土交通省近畿地方整備局 すさみ串本道路東地トンネル他工事
・所沢市北秋津・上安松土地区画整理組合 北秋津・上安松土地区画整理事業
・広島県水道広域連合企業団 広島水道事務所 二期トンネル整備工事(矢野〜二河工区)