第61回 定時株主総会 招集ご通知 証券コード : 2678

事業の経過およびその成果

(1)事業の状況

 当社グループが属するeコマース市場は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が解除され、社会経済活動が日常を取り戻している中においても、新しく定着した生活様式に適した購買活動としての役割に対する期待は依然として高く、成長が続いております。
 このような状況の中、当社グループは、前連結会計年度に達成した「売上成長カーブを変える」を継続しながら、2024年5月期では「利益成長カーブも変える」を最大のミッションと位置付け、中期経営計画(2022年5月期〜2025年5月期)に掲げた最終年度の業績目標達成に向け、取扱い商品数の拡大に加え、BtoB事業での積極的な広告費・販促費の投下、本格稼働した新アスクルWEBサイトへのお客様の移行等、当社グループの成長に繋がる積極的な施策を進めてまいりました。
 また、当社は「エシカルeコマース」の実現を目指していることから、いわゆる「物流2024年問題」解決の一助となるべく、BtoB事業のASKULおよびソロエルアリーナの2023年10月31日18時以降のご注文分から、配送バー(注1)を変更しました。お客様にまとめてご注文いただくことで、サプライチェーン全体における環境・労働負荷低減によるサステナブルな社会の実現に向けた取り組みも進めてまいりました。
 この結果、当連結会計年度の当社グループの業績は、売上高4,716億82百万円(前期比5.6%増)、営業利益169億53百万円(前期比16.0%増)、経常利益166億77百万円(前期比15.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益191億39百万円(前期比95.6%増)の増収増益となり、売上高、利益ともに過去最高を更新しました。


 当社グループの主力分野であるBtoB事業につきましては、仕事場で働く全てのお客様のご要望にお応えすべく、飲料、日用消耗品等の生活用品商材、抗原検査キット等の新型コロナウイルス感染症関連商材、袋・梱包資材等のMRO(注2)商材など、幅広く商品を取り揃えております。新型コロナウイルス感染症関連商材については、感染者数の減少により感染症対策がひと段落したことから、抗原検査キット、消毒剤等の売上高が減少しましたが、日常の生活への回帰等もあり、ペットボトル飲料や日用消耗品等の生活用品の売上高が順調に増加しました。新型コロナウイルス感染症関連商材の特需の減少やご注文数の計画未達等の影響はあるものの、主力商品の一部の価格改定等による購入単価の上昇等により、当社サービスによる中小企業向け、中堅大企業向け売上高は、ともに増加しております。また、前連結会計年度末に連結子会社化した株式会社AP67の事業子会社であるフィード株式会社等の業績が当連結会計年度を通じて寄与したことや、連結子会社である株式会社アルファパーチェスの業績が順調であったことも、売上高の大きな成長に寄与しました。
 この結果、BtoB事業の売上高は、前期比で352億75百万円増収の4,091億43百万円(前期比9.4%増)となりました。
 BtoC事業につきましては、売上高は、LINEヤフー株式会社のコマース事業のコスト最適化によるキャンペーン変更も影響し、期首計画通りの減収となりました。当連結会計年度においては、BtoBとBtoCの融合により、BtoB事業で取り扱うコストパフォーマンスの高い大容量品等の「LOHACO」での販売や組織・機能の融合によるオペレーションの低コスト化、加えて、「LOHACO by ASKUL(LOHACO 本店)」と「LOHACO Yahoo!店」の統合によるお客様の利便性向上等、継続的な営業利益創出のための収益力の強化を進めてまいりました。
 この結果、「LOHACO」の売上高は、前期比で100億16百万円減収の361億60百万円(前期比21.7%減)となり、BtoC事業合計で、前期比で100億22百万円減収の532億30百万円(前期比15.8%減)となりました。
 以上の結果、両事業を合計したeコマース事業の売上高は4,623億74百万円(前期比5.8%増)となりました。販売費及び一般管理費が998億46百万円となり、営業利益は170億97百万円(前期比14.4%増)となりました。

アスクルオリジナル
透明養生テープ・
ふせん

アスクル限定販売
ハンドソープオート
ディスペンサー


 ASKUL LOGIST株式会社の当社グループ外の物流業務受託の売上高は概ね前期と同水準で推移しました。人件費等の高騰もあり、営業損失となっておりますが、価格改定等により前期比で収益性は改善しており、一層の生産性の向上を進めてまいります。
 この結果、当連結会計年度の売上高は85億58百万円(前期比1.6%減)、営業損失は1億46百万円(前期は営業損失3億24百万円)となっております。

ASKUL関東DC
(埼玉県上尾市)

 嬬恋銘水株式会社での飲料水の販売が堅調に推移しました。下期において製造ラインの不具合等により一時的に製造数量および販売数量が減少し、期首計画には未達となったものの、増収増益となりました。
 この結果、当連結会計年度の売上高は19億51百万円(前期比2.4%増)、営業利益は29百万円(前期比124.7%増)となっております。

嬬恋村の森林整備活動
「嬬恋グリーンプロジェクト」
始動

(注)
  1. 基本配送料を当社が負担する注文金額基準。
  2. Maintenance, Repair and Operationsの頭文字をとった略称で、工場・建設現場・倉庫等で使用される消耗品・補修用品等の間接材全般を指します。

(2)設備投資の状況

 当連結会計年度に実施いたしました企業集団の設備投資の総額は134億85百万円で、その主なものは以下のとおりであります。
① 当連結会計年度中に完成した主要な設備
BtoB事業新アスクルWEBサイト構築(eコマース事業)   14億84百万円
ASKUL Value Center 関西 拡充(eコマース事業)     14億31百万円
② 当連結会計年度において継続中の主要設備の新設・拡充・改修
ASKUL関東DC 新設(eコマース事業)           56億23百万円

(3)資金調達の状況

 当連結会計年度において、長期借入金101億22百万円を返済する一方、手許流動性の確保および将来の成長資金等として金融機関から長期借入金70億円を調達しました。

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2024/08/08 13:00:00 +0900
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