第62回定時株主総会招集ご通知 証券コード : 2678

事業の経過およびその成果

(1)事業の状況

 当社グループが属するeコマース市場は、様々な技術革新とお客様の行動の変化により急速に進化しております。ビッグデータやAIを活用した分析・サービス普及が進む中で顧客体験が増加し、また、サステナブルに関連した商品の需要等お客様別のニーズが高まっており、求められる価値に配慮した選択肢を提供する会社がお客様の支持を得ながら、市場全体は引き続き成長しております。
 このような状況の中、当社グループは、当連結会計年度が中期経営計画(2022年5月期〜2025年5月期)の最終年度にあたり、売上高、営業利益ともに過去最高額の更新を目指してまいりました。当連結会計年度においては、主力であるASKUL事業におけるお客様数の減少および従来型オフィス商材の需要の伸び悩みを背景に売上高成長率が鈍化したものの、お客様購入単価が伸長し売上高は過去最高額を更新しました。売上高再成長を図るためDXによる価格適正化やお客様ニーズに応える品揃え拡大、オリジナル商品の強化等に取り組んでおり、施策の実行スピードを加速させてまいりました。また、期初計画通りではありますが、関東圏の物流センター再編のスタートとして2025年6月に稼働しました「ASKUL関東DC」の準備費用の発生に対して、為替影響等による仕入原価上昇に伴い売上総利益で当該費用を吸収するまでには至らず営業利益は減益となりました。
 以上の結果、当連結会計年度の当社グループの業績は、売上高4,811億1百万円(前期比2.0%増)、営業利益140億4百万円(前期比17.4%減)、経常利益138億16百万円(前期比17.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益90億68百万円(前期比52.6%減)となりました。


 当連結会計年度のeコマース事業については、売上高は、4,722億31百万円(前期比2.1%増)と堅調に伸長しました。一方、当連結会計年度の下期以降改善しているものの為替影響等による売上総利益率の低下に加えて、2025年6月に稼働した「ASKUL関東DC」に係る地代家賃の固定費の増加等もあり、営業利益は142億55百万円(前期比16.6%減)となり、増収減益となりました。売上高、営業利益の状況は、主に以下のとおりです。なお、当連結会計年度よりeコマース事業の売上高について「ASKUL事業」「LOHACO事業」「グループ会社・内部取引消去」の区分に変更しております。
①売上高
a. ASKUL事業3,584億63百万円
・従来型オフィス用品(オフィス家具、インクやトナー、文具など)に対する需要は伸び悩むも、生活用品、メディカルは堅調に推移し、前期比1.5%の伸長
・仕入原価の高騰を背景とした断続的な商品値上げや配送バー(注)改定等によりお客様単価は前期比で増加、一方、お客様数は当第4四半期連結会計期間では回復しているものの前期比で減少
・中小企業向け売上高は需要回復遅れによる購買金額に伸び悩みも、中堅大企業向け売上高は堅調に推移
b. LOHACO事業368億42百万円
・LINEヤフー株式会社と連携した販促施策等の効果もあり、前期比1.9%の伸長
c. グループ会社・内部取引消去769億25百万円
・株式会社アルファパーチェス、フィード株式会社の売上高が堅調に推移し、前期比5.6%の伸長
②営業利益
 営業利益は、142億55百万円と前期比で28億42百万円減少しておりますが、主に、売上総利益率が24.8%と前期比で0.5ポイント低下したこと、固定費が増加した影響等により販管費比率が21.8%と前期比で0.2ポイント増加したことによるものであり、内容は以下のとおりです。
・コピーペーパー等の輸入商品について、為替影響により仕入原価が増加し、売上総利益率が低下
・前期に実施した配送バー改定後もお客様のまとめ買いが継続しており、一箱あたりの売上単価が改善するとともに、売上高配送費比率が低下し、配送費を逓減
・「ASKUL関東DC」の賃借開始により、地代家賃や来期稼働に向けた準備費用(合計17億30百万円)が発生

長崎県対馬の海洋プラスチックを再資源化し活用した商品

アスクルオリジナル
やさしいバスケット、
連結ワンハンドペール47L

アスクルオリジナル
大人用紙おむつ


 ASKUL LOGIST株式会社の当社グループ外の物流業務受託の売上高は減収となりました。サービス価格の見直しや生産性の向上等により採算性の改善を進めたものの、減収を吸収するには至らず、減益となりました。
 この結果、当連結会計年度の売上高は82億15百万円(前期比4.0%減)、営業損失は2億99百万円(前期は営業損失1億46百万円)となっております。

ASKUL関東DC
(埼玉県上尾市)


 嬬恋銘水株式会社での飲料水の販売が新商品を含め堅調に推移しました。営業利益は生産性の一層の向上により大幅な増益となりました。
 この結果、当連結会計年度の売上高は20億30百万円(前期比4.0%増)、営業利益は99百万円(前期比241.5%増)となっております。

LOHACO
Water 210ml
ラベルレス
(注)

基本配送料を当社が負担する注文金額基準。

(2)設備投資の状況

 当連結会計年度に実施いたしました企業集団の設備投資の総額は127億65百万円で、その主なものは以下のとおりであります。
① 当連結会計年度中に完成した主要な設備
ASKUL事業 新アスクルWEBサイト構築(eコマース事業)  5億85百万円
② 当連結会計年度において継続中の主要設備の新設・拡充・改修
ASKUL関東DC 新設(eコマース事業)           49億82百万円
基幹システムリプレイス(eコマース事業)         24億90百万円
ASKUL事業新アスクルWEBサイト構築(eコマース事業)   6億52百万円

(3)資金調達の状況

 当連結会計年度において、長期借入金41億99百万円を返済する一方、手許流動性の確保および将来の成長資金等として金融機関から長期借入金66億35百万円を調達しました。

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2025/08/05 11:00:00 +0900
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