社外取締役・監査等委員である取締役からの提言

成長のタネが持つ力をサプライチェーンに活かし、お客さまに寄り添った商品を

原料の高騰、円安など未曽有の環境変化の中で、カゴメはM&Aや協業などを通して将来の成長のタネをまきつつ、さらなるタネの探索を強化し「トマトの会社から、野菜の会社に」に向けて邁進しています。このような経営基盤の強化により持続的な成長を図るために重要なことは、タネの持つ“力”をカゴメの技術力、商品開発力、研究開発力、マーケティング力に効果的に組み込んで展開すること、最終的には「栄養」と「おいしさ」の二つを兼ね備え、かつコロナ禍で大きく変化した人々の食行動様式に即した「顧客視点に基づく商品」の開発・提供です。取締役会では、以上のような商品の開発・提供を基点としてさかのぼった事業の拡大や展開の実現可能性に注目していきます。


今こそ成長に向けた体質強化を行い、コロナ禍以降の将来像の実現を

3年におよぶコロナ禍に少し明るい兆しが見えてきたにもかかわらず、「コロナ禍後の将来像をどう構築していくべきか」と重ねてきた議論を根底から覆すような、大きな世界情勢の変化が押し寄せています。2022年から第3次中期経営計画がスタートしましたが、策定時からの環境変化を踏まえた見直しの必要性が出てくることは避けられないと思われます。しかし、カゴメが目指す成長への歩みは止めるべきではないことは言うまでもありません。むしろ、今こそ成長のための体質強化が必要とされます。グローバル原材料調達体制の強化、経営資源の戦略的配分、事業ポートフォリオ戦略など、取締役会において成長戦略への効果的な後押しができるよう、尽力したいと思います。


先進志向とイノベーション、コーポレートガバナンスの拡充

国際政治、エネルギーコスト、天候などの変化により経営環境は厳しさを増しています。特に原価の上昇は1年前には想定できなかったほど激しく、しかも数年は続くと思われます。今、必要なことは、環境適応に向けたカゴメという組織全体の変革であり、これを実行する個人の成長と熱意と勇気であると思います。「感謝、自然、開かれた企業」を基に、ブレることなく「野菜の会社」を目指し、先進志向とイノベーション、コーポレートガバナンスの拡充により着実に経営に取り組んでまいります。


厳しい経営環境だからこそ価値の高い商品の開発に注力を

第3次中期経営計画1年目の2022年に起こった円安、エネルギー価格の上昇、気候変動による原材料の上昇などにより、カゴメは過去に例を見ないコスト増の影響を受けました。この影響は、2023年以降も続くものと予想されます。このような大変厳しい経営環境であるからこそ、サプライチェーン全体のコスト構造のさらなる見直しのみならず、持続的な成長に資するべくお客さまのご要望に応える価値の高い商品、生鮮トマトなどの開発に注力することを期待いたします。


中長期的な企業価値の向上に向け、人的資本経営の在り方を深める

経営環境が激変する中でも、カゴメの未来の成長に向けた事業探索は強化されています。それを支えるのが人材戦略です。カゴメでは多様な働き方が定着し、経験機会の整備・自律的キャリア・多様な採用やキャリアパスなど、働きがいを高めてイノベーティブな人材を創出する施策が進められています。2023年度からの人的資本の開示義務化を機に、比較や対話を通じたフィードバックで人材の活用と制度の改善を進めるとともに、人的資本経営の在り方を深められるよう期待します。


前の項目へ次の項目へ
2023/03/28 12:00:00 +0900
外部サイトへ移動します 移動 ×

カメラをかざして
QRコードを
読み取ってください

{{ error }}