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 低誘電有機絶縁樹脂「スネクトン®」を上市

 デンカは、急速に発展する生成AIや次世代高速通信(Beyond5G、6G)で求められる“大容量、低遅延、多数同時接続”を可能にする高速通信基板に求められる電気特性(低誘電率、低誘電正接)を備える低誘電樹脂絶縁材料(製品名:スネクトン®)を上市しました。
 スネクトンは整備が進むデータセンターや通信基地局などに組み込まれる高速通信基板の重要な材料である銅張積層板(CCL)向けで販売を開始したほか、完全硬化後も軟質性を有する特徴を生かし、フレキシブル銅張積層板(FCCL)や各種層間絶縁材料での採用検討が進んでおり、AI用データセンター、携帯電話基地局、自動運転、医療・建設業などでの遠隔操作など幅広い分野への展開が期待されます。
 デンカグループは2023年~2030年までの8カ年を対象とした経営計画「Mission 2030」にて、「ICT & Energy」分野への注力を掲げており、「スネクトン®」は通信・エネルギー分野向けの中核素材として、社会やお客様のニーズに応えてまいります。

 環境配慮型素材の「バイオマスBOPS」を上市

 デンカは、地球にやさしいサステナブルポリスチレンシート「バイオマスBOPS」を上市しました。本製品は持続可能なバイオマス由来の原料をマスバランス方式(*)によって割り当てたISCC PLUS認証製品として、株式会社ファミリーマートで販売されている一部デザートの容器に採用されました。
 デンカグループは、経営計画「Mission 2030」の中で、スチレン系材料のサーキュラーエコノミー推進を、取り組むべき施策の一つと位置付けています。その一環として、既にリサイクル原料やバイオマスなどの持続可能な原料を用いた製品をサプライチェーン上で管理・担保する国際的な認証制度「ISCC PLUS 認証」を取得しており、今回の「バイオマスBOPS」は、マスバランス方式による初のバイオマス製品となります。
 今後も2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、持続可能な社会の実現に向けた環境貢献製品の開発を進め、環境負荷低減に対する社会やお客様のニーズに応えてまいります。

(*) マスバランス方式とは、異なる原料(例:石油由来原料と廃プラスチック由来のリサイクル原料)が混合される場合に、特定の原料の投入量に応じて生産する製品の一部にその特性を割り当てる流通管理方式。

 高機能材料事業拡大に向けてスタートアップへ出資

 デンカは、ペガサス・テック・ベンチャーズと共同で運営するCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)ファンドを通じて、エン・チオール(*1)系光学フィルムを開発するスタートアップ企業のAres Materials Inc. (以下Ares Materials社)へ出資いたしました。
 Ares Materials社はエン・チオールを原料としたマテリアルズ・インフォマティクス(*2)の設計デザインを開発し、それを利用して高性能な光学フィルムを生産する技術を保有しており、当社は、同社と協業の検討を進めてきました。同社の保有する光学フィルム製造技術は、有機溶剤や熱を使用しない独自のUV硬化プロセスで、かつ原料にはPFAS(*3)を一切含有しないため、環境負荷の低減やCO2排出の削減に貢献し、低コストと光学特性を両立した光学フィルムを生産できます。
 今回の出資を通じて、当社独自の技術であるエン・チオール系接着剤「ハードロックOPシリーズ」と同社の光学フィルムとの併用によるディスプレイの表示性能の向上に向けた共同開発、ならびに市場開拓で連携を図り、フレキシブルディスプレイ分野での社会実装を目指していきます。

(*1)エン・チオール反応
チオール(R-SH)およびアルケン(C=C-R)間の反応を指す。さまざまな機能をもつ分子を合成するときに、複雑な化学合成法を使わなくても簡単に分子同士を結合させる方法として、2022年ノーベル化学賞を受賞した「クリック化学」に代表されるもの。
(*2)マテリアルズ・インフォマティクス
材料開発に情報科学の技術を用いて、効率化を図る取り組み。ビッグデータやAIなどのデジタル技術を活用し、膨大な実験や論文のデータを解析して、素材の組み合わせや製造方法を予測する手法。
(*3)PFAS
炭素とフッ素の結合を持つ有機フッ素化合物の総称で、ペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物を指す。自然界で分解しにくく水などに蓄積することがわかったほか、人への毒性も指摘されており、国際条約で廃絶や使用制限されている。

<Ares Materials社概要>
・本社:米国テキサス州ダラス
・事業概要:エン・チオール系光学フィルムの開発、販売、ライセンス供与およびマテリアルズ・インフォマティクスを活用したデザイン設計
・公式HP:https://aresmaterials.com/home

 ウェアラブル電子聴診器に関するスタートアップへ出資~デジタルヘルスの新時代、AIと化学で実現~

 デンカは、ペガサス・テック・ベンチャーズと共同で運営するCVCファンドを通じて、ウェアラブル電子聴診器を開発するスタートアップ企業Aevice Health Pte Ltd.( 以下、Aevice Health社)へ出資いたしました。
 Aevice Health社は、慢性の呼吸器疾患である喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)(*)の疾患管理方法の改善を目指したデジタルヘルスのパイオニア企業です。AI技術や電子聴診器技術を活用して、呼吸の異常音、呼吸数、心拍数を精密に分析する独自のスマートウェアラブル電子聴診器「AeviceMD」を用いたリモートモニタリングプラットフォームを開発し、現在シンガポールおよびアメリカ合衆国にて事業を展開しています。
 今回の出資を通じて、当社がヘルスケア分野で取り組む「予防・診断・治療」の領域において、Aevice Health社が持つ呼吸器疾患に関するAI技術や電子聴診器技術と、当社の強みである感染性呼吸器疾患や免疫学に関する技術や知見を融合させて、当社のデジタルヘルスに対する取り組みのさらなる深化を図り、医療課題の解決を目指してまいります。さらに、呼吸器疾患や関連疾患領域における新たなAI技術の共同研究開発にも取り組んでまいります。

(*)慢性閉塞性肺疾患(COPD)
従来、慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称です。
[以下(1)URLご参照]
長期間の喫煙に起因する生活習慣病で本邦には500万人を超える患者がいると見積もられています。
[以下(2)URLご参照]
(1)https://www.jrs.or.jp/citizen/disease/b/b-01.html
(2)https://www.jrs.or.jp/publication/file/COPD6_20220726.pdf

<Aevice Health社概要>
・本社:シンガポール
・事業概要:ウェアラブル聴診器および遠隔モニタリングプラットフォームによる疾患管理サービス
・公式HP:https://www.aevice.com/


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2025/06/20 11:00:00 +0900
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