事業の経過及びその成果
◆概 況
当社グループは金属加工機械の総合メーカーとして板金部門、溶接部門、切削部門、プレス部門、工作機械部門をもとに、世界のお客さまの「モノづくり」に貢献すべく、最適なソリューションの提案を進めるとともに、激しい競争環境で勝ち抜く商品力とコスト競争力の強化に努めてまいりました。
当期の連結経営成績は、売上高につきましては2,788億4千万円(前期比8.3%減)となりました。国内売上高は前連結会計年度に実施された省エネ補助金による需要増の反動減により、 1,312億3百万円(同6.1%減)となりました。海外売上高は、米国での新政権発足による政策の不確実性や英国のEU離脱問題による欧州全体への経済影響が懸念されましたが、設備投資の回復や個人消費の拡大により、回復基調となりました。しかし、前連結会計年度と比較して円高に推移したため1,476億3千7百万円(同10.1%減)となりました。
損益面につきましては、新商品の投入による販売価格の改善や製造合理化によるコスト削減に取り組みましたが、国内での減収や円高による収益性の悪化により、営業利益は330億3千万円(同22.3%減)、経常利益は343億7百万円(同20.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は258億9千4百万円(同5.6%減)といずれも減益となりました。
◆主な事業別営業の概況
事業別売上高の状況は、次のとおりであります。前期比較では、金属加工機械事業8.5%減、金属工作機械事業6.6%減の実績となりました。
金属加工機械事業の売上高は2,294億9千2百万円(前期比8.5%減)となりました。板金部門では、主力のファイバーレーザ商品や急速に進む省力化ニーズに対応したベンディング自動化商品が欧米のみならずアジアでも拡大しました。しかしながら国内での省エネ補助金による需要増の反動減により、売上高2,060億5千1百万円(同9.6%減)となりました。
一方、溶接部門では自動車や通信機器向けにレーザ溶接機の販売が拡大し、売上高234億4千1百万円(同2.7%増)となりました。
当連結会計年度に実施した主な施策は次のとおりであります。
- ① 戦略ビジネスであるファイバーレーザの拡販に向けた新商品の投入(ACIES-AJシリーズ、ML-6811C/ML-6810C)
- ② 省力化ニーズに対応したベンディング自動化商品の拡販
- ③ IoT技術を活用したV-factory「つながる工場」によるモノづくり改革の提唱
- ④ ソリューション提案営業の拠点としての海外テクニカルセンターの新設(タイ・台湾)
- ⑤ ASEAN地域統括本部アマダ・アジア・パシフィック社設立によるASEAN一体化戦略の推進
- ⑥ 国内外での積極的なトレードショーへの出展(JIMTOF、EuroBLECH、Fabtech、CeBIT他)
- ⑦ 米国レーザ発振器メーカーとの提携関係強化による原価低減の推進
金属工作機械事業の売上高は480億5千6百万円(前期比6.6%減)となりました。国内で産業機械や電気・電子機器向けに研削盤商品の販売が回復し、中国ではプレスの販売が拡大しましたが、アジアでの販売が低調に推移し、円高による為替の影響もあったことにより減収となりました。
当連結会計年度に実施した主な施策は次のとおりであります。
- ① 超硬丸鋸盤の2倍の生産性を実現した新商品バンドソー「HPSAW-310」の市場投入
- ② 超硬ブレードのラインナップ拡充(AXCELAシリーズ)
- ③ デジタル電動サーボプレス「SDEシリーズ"GORIKI"」による高付加価値成形、高精度加工の提案
- ④ 国内外での積極的なトレードショーへの出展(JIMTOF、INTERMOLD、IMTS、MWCS他)
- ⑤ タイ現地法人の集約による板金、溶接部門と一体となった販売強化及び効率的な事業運営
◆主な地域別営業の概況
地域別売上高の状況は、国内外の別では日本6.1%減、海外10.1%減となり、海外売上高比率は、前期の54.0%から52.9%となりました。
主要地域の状況は以下のとおりであります。
日本では、雇用や所得環境の改善により緩やかな回復に向かったものの、英国のEU離脱問題や米国の大統領選挙等の影響により、為替相場や株式相場が不安定に推移しました。
そのような中、当社グループでは工作機械部門が産業機械や電気・電子機器向けに回復し、切削部門や溶接部門では概ね前期並みに推移しました。一方で主力の板金部門では、前年度に実施された省エネ補助金による需要増の反動減で販売が落ち込み、売上高は1,312億3百万円(前期比6.1%減)となりました。
北米では、米国の大統領選挙の様子見などがありましたが、雇用や所得環境の改善を背景に堅調に推移しました。
そのような中、当社グループでは、米国が堅調に推移し、カナダも回復したことから現地通貨ベースでは増収となりましたが、為替が円高に推移した影響により、売上高は518億1千万円(前期比9.5%減)となりました。
欧州では、EU離脱問題の影響で英国が減速したものの、緩やかな回復基調で推移しました。
そのような中、当社グループでは、英国が減速したものの、ドイツやイタリアが堅調に推移したため現地通貨ベースでは増収となりましたが、為替が円高に推移した影響により、売上高は492億5百万円(前期比7.6%減)となりました。