第82回 定時株主総会招集ご通知  証券コード : 6857

事業の経過および成果

〈全般の状況〉
 当連結会計年度における世界経済は、コロナ後の正常化が進んだものの、欧米を中心とした金融引き締め政策や中国経済の成長鈍化などから、全体としては減速感が強まりました。
 このような世界経済情勢のもと、スマートフォンやパソコン、テレビなど主要な民生機器の需要は停滞し、データセンタへの投資も減速したことから、それらに関連する半導体の需要が落ち込みました。一方で半導体市場においては、生成AI関連などの一部の半導体では需要の増加が見られ、半導体売上も下半期には増加に転じましたが、年間を通しては前年度と同水準となりました。
 当社の半導体試験装置ビジネスにおいては、過去3年度にわたり顧客の旺盛な投資が行われてきました。しかし半導体市況が弱含んだことで、多くの顧客サプライチェーンにおける設備の余剰が発生し、当社製品の需要は前年度に比べて大きく落ち込みました。
 これらの結果、当連結会計年度における売上高は4,865億円(前年度比13.2%減)となりました。利益面では、減収のほか、製品ミックスの変化および原材料費の上昇に加え、のれんの一部減損損失約90億円を第4四半期に計上したことなどから、営業利益は816億円(同51.3%減)となりました。為替差損による金融費用の増加に伴い税引前利益は782億円(同54.4%減)、将来一定期間に日本国内において実現する可能性が高い繰延税金資産約38億円を第4四半期に計上した結果、当期利益は623億円(同52.2%減)となりました。当連結会計年度の平均為替レートは米ドルが143円(前年度134円)、ユーロが155円(同140円)、海外売上比率は95.9%(同96.3%)でした。

〈部門別の状況〉
(半導体・部品テストシステム事業部門)
 当部門では、SoC半導体用試験装置は自動車や産業機器関連などの成熟半導体に向けた売上は堅調でした。しかしながらスマートフォン市況の停滞やサーバー投資の減速から、それらに関連する高性能な半導体に向けた売上が落ち込みました。メモリ半導体用試験装置の売上については、高性能DRAMに向けた旺盛な試験装置需要や中国メモリ企業向け売上の伸長により前年度を上回りました。利益面においては、減収に加え、製品ミックスの変化や原材料費の上昇もあり、当セグメントの収益性が低下しました。
 以上により、当部門の売上高は3,315億円(前年度比18.0%減)、セグメント利益は919億円(同43.7%減)となりました。

(メカトロニクス関連事業部門)
 当部門では、半導体試験装置の需要減少を背景に、関連するデバイス・インタフェース製品、テスト・ハンドラの売上が減少しました。
 以上により、当部門の売上高は527億円(前年度比12.0%減)、セグメント利益は92億円(同38.7%減)となりました。

(サービス他部門)
 当部門では、当社製品の設置台数の増加に伴い保守サービスの売上は伸長しました。しかしながら、システムレベルテスト事業においては、中長期的な事業成長を見越した生産体制強化の取り組みによるコストが増加しました。加えて、テストソケットに関連するEssai, Inc.のビジネスにおいて大口顧客向け売上予想が落ち込み、想定していた将来キャッシュ・フローの見通しが悪化したことで、のれんの一部減損損失約90億円を計上しました。これらの結果、当セグメントの利益額は前年度を大幅に下回りました。なお当連結会計年度のセグメント損失は、取引先との係争に関する受取和解金等による利益約32億円を含んでいます。
 以上により、当部門の売上高は1,023億円(前年度比6.4%増)、セグメント損失は28億円(同105億円悪化)となりました。

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2024/06/28 12:00:00 +0900
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