第82回 定時株主総会招集ご通知  証券コード : 6857

対処すべき課題

 当社は、経営理念である「先端技術を先端で支える」を体現する会社であり続けるため、当社がどうありたいか、何をなすべきかを定めた中長期経営方針「グランドデザイン(10年)(2018年度〜2027年度)」を2018年度に策定し、以後、この方針のもとで企業価値向上に取り組んできました。
 そして2021年度に、「第1期中期経営計画(2018〜2020年度)」(略称:MTP1)が成功裡に終了したこと、またグランドデザイン策定から3年が経過したことから、業績進捗と最新の外部環境認識に沿った内容へグランドデザインを更新しました。同時に、「第2期中期経営計画(2021〜2023年度)」(略称:MTP2)を2021年5月に策定し、グランドデザインの実現をより確実なものとすべく全社一丸となり取り組んできました。

1.グランドデザイン(10年)(2018年度〜2027年度)
<ビジョン・ステートメント>
 「進化する半導体バリューチェーンで顧客価値を追求」

<戦略>
 当社は、半導体の量産テスト用システムの開発・販売に加え、半導体量産工程の前後工程にある半導体設計・評価工程や製品・システムレベル試験工程といった近縁市場へ事業領域を広げることで、業容の拡大と企業価値向上を目指すこととしました。
 そしてその達成に向け、「コア・ビジネスの強化、重点投資」、「オペレーショナル・エクセレンスの追求」、「さらなる飛躍への価値探求」、「新事業領域の開拓」、「ESGのさらなる推進」の5つの戦略課題に取り組みました。

2.第2期中期経営計画(MTP2、2021〜2023年度)の結果
<経営指標>
 MTP2では、さらなる成長に向けた事業強化の取り組みを推進するとともに、成長投資と株主還元の双方を拡充し、企業価値向上を目指すという考えのもと、売上高、営業利益率、当期利益、親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)、基本的1株当たり当期利益(EPS)を重要な経営指標と位置づけました。また、計画の進捗を中長期視点で評価するため、経営指標には単年の業績変動の影響を平準化できる3カ年平均の値を用いました。

 MTP2における経営指標については、当初、中期的な市場動向の予測に基づき算出した財務指標の見通しを2021年5月に公表しました。その後、半導体テスト関連市場が当初の計画よりも想定以上に規模が拡大したことを背景に、2022年7月に経営指標を上方修正いたしました。しかしながら、当該計画期間の後半から半導体市況が弱含んだことにより、当連結会計年度の主要な民生品向けの半導体試験装置需要は前年度と比べて大きく落ち込みました。その結果、当初設定した第2期中期経営計画の経営指標については全て達成することができましたが、改訂後の目標においては、売上高に関しては達成することができた一方で利益を含むその他の指標については未達となりました。

*1 2021年5月の公表時において前提とした為替レートは1米ドル=105円、1ユーロ=130円
*2 2022年7月の改訂時において2022年度第2四半期〜第4四半期および2023年度の業績予想の前提とした為替レートは1米ドル=130円、1ユーロ=140円(2021年度実績は1米ドル=112円、1ユーロ=130円。2022年度第1四半期実績は1米ドル=124円、1ユーロ=134円)
*3 2021〜2023年度(平均実績)の前提とした為替レートは、2021年度実績は1米ドル=112円、1ユーロ=130円、2022年度実績は1米ドル=134円、1ユーロ=140円、2023年度実績は1米ドル=143円、1ユーロ=155円
*4 当社は、2023年10月1日付で普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行っております。「基本的1株当たり当期利益(EPS)」は、2021年度期首に当該株式分割が行われたと仮定して、期中平均の発行済株式総数から自己株式数を控除した株式数に基づいて算出しております。

3.今後の見通し
 今後の当社を取り巻く事業環境を展望しますと、暦年2024年は半導体需給の改善が期待されるとともに、生成AI関連の投資の活発化が予想され、半導体市場は暦年後半から活況に転じると考えます。半導体試験装置市場においても、生成AIに向けた半導体の需要の高まりに連動して、関連する半導体試験装置需要の増加が見込まれます。具体的には高性能DRAMに向けた旺盛な試験装置需要が通年継続するとともに、SoC半導体用試験装置においても暦年後半以降に徐々に需要が立ち上がることを予想しています。一方で、自動車や産業機器関連では半導体試験装置への投資に一服感が見られることや、スマートフォン市況の回復の不透明感も継続する中、関連する半導体試験装置の回復には時間を要するものと想定しています。このようなことから暦年2024年の半導体試験装置市場は前年からやや上向くものと見込んでいます。他方、世界経済を俯瞰すると、景気後退に対する懸念は払拭されておらず、加えて地政学的リスクの拡大や急激な為替変動リスクなど、不確実性の高い状況が継続すると見ています。
 これら先行き不透明な事業環境を基とした各事業の今後の見通しなどを踏まえ、2024年度の通期連結業績予想については売上高5,250億円、営業利益900億円、税引前利益890億円、当期利益670億円を予想しています。予想の前提とした為替レートは、米ドルが140円、ユーロが155円です。なお、米国および同盟国による半導体製造装置の対中輸出規制強化に関して、当連結会計年度の業績に対する直接的な影響は限定的と考えておりますが、引き続き状況を注視してまいります。
 中長期的には、半導体は社会の隅々まで広がるインフラストラクチャーとして、生産量の増加やさらなる高性能化、品質・信頼性向上への要求もより一層高まっていくものと予想します。また社会要請としての気候変動対策を背景に、エネルギー効率改善を実現する半導体技術の重要度も増しています。半導体メーカーは、技術開発を通じてこのような社会課題の解決に向けて日々取り組みを進めていますが、特に先端半導体においては、設計難易度、製造難易度は年々増しており、まさに複雑性の時代(Era of Complexity)を迎えています。
 このような中、当社の経営理念である「先端技術を先端で支える」を忠実に遂行し、最先端のテスト・ソリューションで顧客の課題解決に貢献することで、半導体のイノベーションを支えながら、より良い社会の実現に寄与していきます。今後とも、全てのステークホルダーに対する責任を果たすべく、誠心誠意取り組んでまいります。

4.新たな中長期経営方針について
 2018年の中長期経営方針「グランドデザイン」策定時から自社の経営体制と外部環境が大きく変化していることを踏まえ、当社は現在中長期経営方針の見直しを行っています。2024年6月に、第3期中期経営計画を含めた新たな中長期経営方針を公表する予定です。公表後は以下のURLにて、詳細を掲載いたします。
 URL: https://www.advantest.com/ja/investors/management-policy/management-policy.html

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2024/06/28 12:00:00 +0900
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