第113回定時株主総会招集ご通知 証券コード : 8291
<株主提案(第3号議案から第6号議案)>
第3号議案から第6号議案は、同一の株主様からのご提案によるものであります。
なお、株主提案の内容は、形式的な変更を除き、提案株主から提出された株主提案に係る書面の該当箇所(提案の理由は提出された内容)を原文のまま掲載したものであります。
当社取締役会としては、後述のとおり本株主提案に反対いたします。
[提案の内容]
(1)配当財産の種類
金銭
(2)配当財産の割当てに関する事項及びその総額
普通株式1株当たりの配当金額(以下「1株配当」という。)として、101円から、第113回定時株主総会において可決された当社取締役会が提案した剰余金処分に係る議案(以下「会社側利益処分案」という。)に基づく1株配当を控除した金額を配当する。
2025年3月期1株当たり純資産の100分の12について1円単位未満を切り捨てた金額から12円を控除した金額が101円と異なる場合は、冒頭の101円を、2025年3月期1株当たり純資産の100分の12について1円単位未満を切り捨てた金額から12円を控除した金額に読み替える。
なお、配当総額は、当社の第113回定時株主総会の議決権の基準日現在の配当の対象となる株式数を乗じた額となる。
(3)剰余金の配当が効力を生じる日
当社の第113回定時株主総会の開催日の翌日
なお、本議案は、第113回定時株主総会に会社側利益処分案が提案された場合、同提案とは独立かつ同提案と両立するものとして、追加で提案するものである。
[提案の理由]
本議案は、1株当たり純資産の100分の12、すなわち株主資本配当率Dividend on Equity(以下「DOE」といいます。)12%に相当する配当を企図しています。DOEとは、1株当たり年間配当金額を1株当たり純資産で除して算定される株主還元指標です。なお、提案株主は当社の株主資本コストを12%程度と算定しています。また、当社は2024年12月3日に1株当たり12円の中間配当を行ったため、DOE12%に基づき計算した金額から12円を控除しております。
当社の株価は、PBR(株価純資産倍率)1倍を大きく下回る水準にあり、これは株主資本コストに対し、当社のROE(自己資本利益率)が継続的に未達であることを示しています。このような状況を踏まえ、株主還元を通じて最低限のリターンを充足し、更に業績及び資本効率性の改善を図ることによって、PBR1倍以上の株主価値を実現することが期待されます。
【取締役会の意見】
当社取締役会としては、本株主提案に反対いたします。
当社は、株主の皆さまへの利益還元を行うことを経営の最重要課題のひとつと認識し、成長性を確保するための内部留保にも考慮しながら、安定的な配当を行うことを基本方針としております。
また中期経営計画(2022年11月11日公表)で公表しておりますとおり、当社グループがこれまで以上に収益力を強化し、中長期的な成長力と安全・環境を中心とした持続可能性を高めていくためには、取り巻く環境の変化にいち早く対応していくことが重要と捉え、「電動化リーダー」、「安全・運転支援技術」、「モビリティ事業」を柱とする3つの成長戦略を推進しております。その中で継続投資等に加えて、注力する領域において、内部留保も活用した300億円以上というこれまでの水準を大幅に上回る規模の投資戦略を着実に進めております。
2024年度(2024年4月〜2025年3月)におきましては、株式市場において政策保有株式の保有見直しの動きが進む中、当社といたしましてもコーポレートガバナンスをさらに強固なものとすべく、約1,390万株の株式売出しを発表いたしました。株式売出しに伴い、資本効率の向上を図るとともに、将来の経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とすることを目的として、売出予定株式の内、7百万株については自己株式として取得することとし、約697万株の株式売出しを実施しました。これにより2024年度は株主の皆さまに対して、総還元性向にして103.8%の株主還元を実施いたしました。
本株主提案による議案は、DOE12%に相当する配当を企図する議案であるとされていますが、上述いたしました通り、当社は株主の皆様からお預りしている資本を有効に活用するべく、300億円以上の戦略投資を着実に進めているところであり、当社の配当額は、こうした中長期的な成長投資とのバランスを鑑みて決定しております。
本議案は、こうした当社の持続的な成長に向けた投資戦略の必要性を顧慮しない、専ら短期的な株主還元を要請するものであり、当社の中長期的な成長と株主還元のバランスの観点に立脚した、資本の活用策には合致しないものと判断いたします。
以上の理由により、当社取締役会といたしましては、本株主提案に反対いたします。