第84回 定時株主総会招集ご通知 証券コード : 9409

第5号議案
定款の一部変更の件<株主提案>

1.定款の追加
 株式会社テレビ朝日(以下「テレビ朝日」という)の個別番組の放送内容については、本来は、社内の放送番組審議会において是正されるのが放送法の趣旨であるところ、放送番組審議会に機能不全又はその恐れがある場合には、独立の第三者委員会を設立し、調査、公表する旨の定款を新しく追加する。

2.提案理由
 テレビ朝日の番組2023年10月7日「大下容子ワイド!スクランブル」及び2024年3月1日「羽鳥慎一モーニングショー」において、放送番組審議会の委員長である見城徹氏が社長を務める幻冬舎の書籍の宣伝、広告部分があると視聴者に疑いを抱かせる番組が報道された。日本民間放送連盟放送基準において番組内容が広告放送と誤解されることはあってはならないし、そのようなことは民放テレビの放送の根幹にかかわる問題であると指摘されている。しかもBPOからも同種の番組については勧告も受けている。このような個別番組の有り方は、本来は放送番組審議会において是正・検証されるべきである。しかし、同書籍の出版社社長である見城氏が委員長を務める放送番組審議会で審議が行われた形跡はない。このように放送番組審議会の機能不全が疑われる場合に、第三者委員会を設立し調査しその結果を公表する旨の定款追加は、本社の信頼性を高める。

当社取締役会は、第5号議案に「反対」しております。

【当社取締役会の意見】
 テレビ朝日は、放送法第6条で定められている放送番組審議機関(テレビ朝日放送番組審議会。以下、「放送番組審議会」といいます。)において、課題番組以外でも委員から常に、自由にご意見をいただいており、放送番組全般といったテーマでも、日頃テレビ朝日の番組を観て気が付かれたことについて、番組の適正を図るため、幅広いご意見をいただいております。また、放送した番組で問題が発生した場合には、第三者の視点からご指摘、ご意見をいただいております。
 委員の皆さまは、様々な分野で活躍され、社会に貢献されてきた方々で、豊富な経験と多岐にわたる深い知見をお持ちです。時には厳しいご指摘やご意見も伺い、その都度、番組制作の現場と共有して改善に努めております。
 また、テレビ朝日系列独自の取り組みとして「系列24社放送番組審議会委員代表者会議」を開催しております。「動画配信時代 地上波テレビに望むこと」や「いま、テレビの役割を問う〜地域に貢献するメディアであり続けるために〜」など、毎年違うテーマで深い議論を行っており、系列各局にとって、大変有意義なものとなっております。さらに番組表彰制度「PROGRESS賞」を設けて、制作スタッフの育成にも貢献しております。テレビ朝日の放送番組審議会は番組の審議だけでなく、系列全体の番組の質の向上にも寄与しております。
 テレビ朝日の放送番組審議会は、放送法の定めに則り、放送番組の適正向上を図る職責・機能を十分に果たしていると考えております。
 また、提案理由にある2つの番組に関してですが、テレビの情報番組は日々のニュースを扱うのが主流で、いわゆる企画・特集もの、芸能やスポーツ、生活情報など多様な映像素材で構成されております。少子高齢化が進み、コロナ禍等も加わって視聴者の志向が変化しています。例を挙げると、健康や美容に関するもの、ダイエット・老化防止・介護から、趣味・スポーツまで実に幅広くあります。そのような題材はもちろん独自に取材し構成しますが、出版・新聞・インターネットをベースにした企画コーナーもございます。ご指摘の番組の件は、こうした範疇に入るものと考えます。
 こうしたことから、提案理由にある「放送番組審議会が機能不全」とのご指摘につきましては、そのような状態ではないと考えており、今後もテレビ朝日は、放送番組審議会委員からの客観的なご意見を参考にし、放送番組の適正向上を図るべきであると考えます。また、第三者委員会の関与を定款において義務付けることにつきましては、業務の適時適切な執行を阻害するおそれがあるとも考えますので、当社取締役会としては、本総会に上程する本株主提案に対して反対いたします。
 なお、今般の株主さまからのご指摘は、表現方法に対する注意喚起と考え、真摯に受け止め、今後の番組制作に活かしてまいることを申し添えさせていただきます。

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2024/06/27 12:00:00 +0900
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