第85回定時株主総会招集ご通知 証券コード : 9409
1.広告と番組の混同があったとの疑いが生じた場合には今後の再発防止に関する株主提案(定款の追加)
視聴者が広告と番組とを判別することが困難であるテレビ番組について、民放連の放送基準がある。2023年10月1日に景品表示法が改正され、消費者庁がその運用基準を定めた。万一、広告と番組の混同に関する疑いがある番組が生じたときには「関係者からの通報者の保護およびその制度の整備」「社内においてその是正措置などを講じることに努めること」を本法人の定款に新しく追加する。
2.提案の理由
広告と番組の混同に関する民放連の放送基準が作成され、BPOでもその放送基準に抵触する疑いがあった番組にはその是正勧告が行われている。更に上記の通り景品表示法が一部改正された。昨年の株主総会にテレビ朝日の看板番組である「大下容子ワイドスクランブル」「羽鳥慎ーモーニングショー」において幻冬舎の出版物を放送した番組について、独立の第三者委員会の設置を求める株主提案を行った。これに対して取締役会は今般の株主の指摘は「表現方法に対する注意喚起と考え、真摯に受け止め、今後の番組制作に活かす」という趣旨でお茶を濁し株主提案に反対した。
「広告と番組の判別することが困難であるテレビ番組についての疑いがある番組が生じた場合」には景品表示法も改正されたことも踏まえ、「関係者からの通報者の保護およびその制度の整備」さらに「社内においてその再発防止策などを講じることに努めること」を本法人の定款に追加することを提案する。
【当社取締役会の意見】
当社を含むテレビ朝日グループでは、公益通報者保護法を遵守するとともに、コーポレートガバナンス・コードに記載のある「内部通報にかかる適切な体制整備」のため、「コンプライアンス・ホットライン運用規程」に基づいて、景品表示法を含む法令・定款・会社規則の違反やハラスメント行為などの企業倫理にもとる行為について、相談・報告をした通報者の保護および通報対象事実の適正な処理のための仕組みを定めております。
具体的には、役職員等に向けた通報窓口を社内および外部に設置し、「相談者および調査関係人に対し、調査に協力したことを理由としていかなる不利益な取り扱いも行ってはならない」など、通報者を保護する措置を取っております。
また、同規程では、調査の結果、コンプライアンス違反等が明らかになった場合、速やかに是正措置および再発防止策を講じるよう義務付けております。
さらに、テレビ朝日の報道局内には「放送倫理ホットライン」を設置しており、こちらも情報管理を徹底して通報者を保護した上で、放送上問題が生じた、あるいは生じる恐れがある事態に適切に対処、是正する体制を整えております。
提案理由にある2つの番組ですが、昨年もお答えしました通り、情報番組において、様々な情報を取り扱う際、独自に取材し構成しますが、出版・新聞・インターネットをベースにした企画コーナーもあります。ご指摘の番組の件は、こうした範疇に入るものと考えております。
各番組において商品を取り上げて紹介することは、視聴者の皆様への有益な情報提供として行っているものです。放送に至る過程では、コンテンツ編成局など関係部署において、「広告と番組の混同の疑い」が生じないよう厳しくチェックしているほか、万一、そのような番組を放送した場合は、速やかに情報共有し、再発防止策を検討、実施する体制を整えております。
株主様からの今回のご提案は、私どものガバナンスの強化に向けた真摯なご提案であると理解いたしますが、私ども取締役会は、上記の通りすでに整備が進められていることから、ご提案には反対いたします。