第54回 定時株主総会招集ご通知 証券コード : 9749

第6号議案
自己株式取得の件〔株主提案〕

〈株主提案(第6号議案)〉

第6号議案は、株主様からご提案いただいたものです。
なお、以下の提案の内容(議案の要領)及び提案の理由は、形式的な調整を除き提案株主から提出されたものを原文のまま記載しています。

当社の取締役会としては、第6号議案に反対いたします。

第6号議案に対する反対の理由は招集通知46頁に記載しています。

-株主提案-
第6号議案は、株主3D OPPORTUNITY MASTER FUND様から提案されたものです。

議案の要領及び提案の理由等
① 議案の要領
 富士ソフトの取締役会における検討の結果として、富士ソフトが第5号議案「提案の理由」に記載の提案者による買収提案に応じないことを決定したときは、富士ソフトは、会社法第156条第1項の規定に基づき、以下のとおり、富士ソフト普通株式を金銭の交付をもって取得する。
・取得する株式の数:11,013,216株(1株6,810円)
・株式取得対価の総額:75,000,000,000円(ただし、会社法により許容される取得価額の総額(会社法第461条に定める「分配可能額」)が、当該金額を下回るときは、会社法により許容される取得価額の上限額)
・株式を取得することができる期間:本件定時株主総会の終了後一年間

② 提案の理由
 コーポレートガバナンス・コードにおいて、取締役は中長期的な企業価値向上を推進するものとされています。取締役が、潜在的な買収者からの真摯な買収提案を慎重かつ客観的に検討することは、かかる義務に即したものです。そのため、富士ソフトの取締役会には、買収提案の価値(買収価格及び企業価値向上策)と、富士ソフトの経営計画の継続的な実行を通じて達成されうるリスク調整後の潜在的価値とを比較する義務があると考えられます。

 かかる比較の結果、富士ソフトの取締役会が、富士ソフトの潜在的価値が買収提案の価値(株価を上回ることがほぼ確実である買収価格)よりも高いと判断し、買収提案を拒否することは、取締役会において、富士ソフトが市場で過小評価されていると考えていることを意味します。

 かかる場合、取締役会は、富士ソフトの市場評価と取締役会が考える富士ソフトの潜在的価値との間の重大な乖離を解消するための措置を講じる必要があります。3Dは、かかる乖離を解消する最も端的かつ直接的な方法は、富士ソフトが自社株式を取得することであると考えています。

 また、3Dは、富士ソフトによる自社株式の取得は富士ソフトの過剰資本を解消させるものでもあると考えています。すなわち、富士ソフトは、不動産の保有とその含み益によって過剰資本の状態にあると考えられます。3Dは、富士ソフトの不動産の価値を約1,950億円と推計していますが、かかる推定を前提とすると、2023年12月31日時点の含み益(税引後のもの)は約780億円となり、これを純資産に加えると合計約2,400億円6となります。これによれば、富士ソフトにおける2023年12月期の自己資本利益率(ROE)は約6%7となり、直近の業界平均の約16%8を大きく下回ることとなります。したがって、富士ソフトの過剰資本は資本効率を低め、ひいては企業価値成長を棄損しています。

 3Dは、富士ソフトにおいては、自社のROEを業界の平均水準まで引き上げるべきであり、それが富士ソフトにおける中長期の企業価値の成長を支えるものになると考えています。なお、仮に富士ソフトが、2026年までに自社のROEを業界の平均水準まで引き上げるためには、1,650億円9の余剰資産を償還する必要があります。

 富士ソフトの株式の、過去6カ月の一日当たり平均出来高を前提とし、市場参加率を35%10とした場合、今後1年以内で購入することができる富士ソフト株式の数量は約1,100万株11です。

 そこで、3Dは、富士ソフトが今後1年以内に1,100万株程度の自己株式を取得することを提案します。なお、2024年1月12日現在の株価(6,810円)を前提とした場合、かかる自己株式の取得額は約750億円となります。なお、富士ソフト単体の分配可能額は約770億円12であることからすれば、3Dが提案する上記の金額は十分に実現可能な金額です。

脚注
2024年1月12日付け富士ソフトプレスリリース
企業買収行動指針3.1.2
企業買収行動指針では、買収価格や経営方針等に関する十分な情報を含んだ「真摯な買収提案」を受領した場合、取締役会は当該提案について「真摯な検討」を行い、企業価値を最大化するための措置を講じることが求められている。
企業買収行動指針3.1.2
2024年1月12日付け富士ソフトプレスリリース
62022年12月期の期末純資産 (1,527億)+2023年12月期の想定純利益 (140億)-想定配当額 (49億円)+税後不動産含み益 (780億円) で算出。想定純利益は会社計画の営業利益×70%で算出、想定配当額は、想定純利益に会社計画の配当性向35%を乗じて算出。
7想定純利益 (140億円)/不動産含み益考慮後の純資産(2,400億円)で算出。
8CTC,SCSK,TIS,BIPROGY,ネットワンシステムズ,NSSOL,システナ,ISID,NSD,DTSの直近年度平均。
92024年12月期~2026年12月期のブルームバーグコンセンサス営業利益に70%を乗じたものを想定純利益、想定配当性向は35%としたうえで、2026年12月期時点の自己株式取得前の不動産含み益考慮後の純資産を想定した上で算出。
10シチズン時計、東芝の自己株式取得の実例から35%の市場参加率は実現可能と想定。シチズン時計は2023年2月-2023年6月の間に発行済株式総数(自己株式除く)の約17%を取得、その際の一日当たりの平均取得株式数は自己株式取得が公表される前日までの6か月の一日当たり平均出来高の36%程度。東芝は2018年11月-2019年11月の間に発行済株式総数(自己株式除く)の約30%を取得、その際の一日当たりの平均取得株式数は自己株式取得が公表される前日までの6か月の一日当たり平均出来高の35%程度。(東芝はToSTNETを活用)
11過去6か月の一日当たり平均出来高(126,600株)に2024年の取引日数(245日)及び、市場参加率(35%)を乗じて算出。
122022年12月期時点の単体のその他資本剰余金 (5億円)+その他利益剰余金 (750億円)-自己株式 (46億円)+2023年12月期の想定単体純利益 (100億円)-2023年12月期の想定配当総額 (39億円) で算出。想定単体純利益は2022年12月期の連結純利益に単体が占める割合を会社想定連結純利益に乗ずることで算出。想定配当総額は単体想定純利益に、会社公表の予想単体配当性向を乗ずることで算出。


○第6号議案(自己株式取得の件)に対する取締役会の反対意見
[意見]

当社の取締役会は、第6号議案に 反対 です。


 当社が2024年2月14日に公表した「中期経営計画2028」に記載のとおり、当社は、今後5年間で1,000億円以上の自己株式取得を含む約1,400億円規模の株主還元を、戦略的提携やM&A、子会社政策、人的投資、研究開発等の成長投資とあわせて実施していく予定です。
 かかる方針は、当社の中長期的な企業価値及び株主共同の利益を最大化させるという観点から、取締役会で慎重に検討し、決定したものです。5年間で1,400億円規模の株主還元を実施することも含めて、株主還元と成長投資の最適なバランスを確保しつつ、適切なタイミングで機動的な資本配分を実行する当社の方針こそが、資本収益性の向上と持続的な成長の双方を実現し、当社の中長期的な企業価値及び株主共同の利益の向上に資するものであると考えております。
 これに対し、提案株主から提案された第6号議案は、本総会終了後1年間で750億円という規模の自己株式取得を求めるものですが、第6号議案「提案の理由」に記載のとおり、提案株主の主張する自己株式取得の規模・期間は、足許の当社の株価水準と出来高から機械的に算出されたものにすぎず、また、当社の中長期的な企業価値及び株主共同の利益を最大化させるという観点から検討されたものでもありません。
 かかる自己株式取得を実行しようとすれば、当社が中期経営計画に基づいて行う今後の投資活動の機動性や経営の自由度を損なうおそれがあるとともに、今後5年間にわたって予定している成長投資や配当を含む株主還元の原資とすべきキャッシュの相当部分を本総会終了後1年間の自己株式取得に利用することとなり、中長期にわたっての当社の企業価値向上のための成長投資や株主還元を行うことができなくなる結果、当社の中長期的な企業価値及び株主の皆様の中長期的な利益を毀損するおそれがあります。また、提案されている自己株式取得の規模・期間は、そもそも市場における当社株式の流動性等を踏まえると実現可能性が低い上に、現時点における当社の分配可能額(約770億円)のほぼ全てを単年の自己株式取得に充てるというものである点において、実行時の当社の財務状況を著しく不安定にし、配当を含む今後の株主還元を困難にするおそれも高い短視眼的な提案であると考えております。
 なお、提案株主は、当社が非公開化提案を拒否した場合、当社株式が市場で過小評価されていることになるため、自己株式取得をしてその乖離を解消すべきであると述べていますが、当社は、5年間で約1,400億円の株主還元を行うことを含む上記のキャピタルアロケーションを実施していくことこそが、当社の中長期的な企業価値及び株主共同の利益の向上につながり、それが市場株価にも反映されていくものと考えております。
 以上の理由から、当社取締役会としては、第6号議案に反対いたします。

以 上

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2024/03/15 16:00:00 +0900
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