第73回定時株主総会招集ご通知 証券コード : 2267
当社取締役会の意見
ア.当社の取締役報酬の決定プロセス
当社は、取締役の指名・報酬等に係る事項について、取締役会の機能の独立性・客観性と説明責任を強化するために、取締役会の諮問機関であり委員の過半数(注)を独立社外取締役で構成する指名・報酬諮問委員会(以下、「指名・報酬諮問委員会」といいます。)を設置しております。そして、取締役の個人別の報酬等の内容の決定方針および報酬の算定方法、個人別の報酬等については、指名・報酬諮問委員会の答申を踏まえ、取締役会で決議しており、固定報酬および業績連動報酬に関する個人別の報酬額については、取締役会の委任を受けて指名・報酬諮問委員会が決定しております。
当社社外取締役の新保克芳氏が2025年2月8日に急逝し、同日、当社取締役を退任したことにより、指名・報酬諮問委員会の委員の構成に一時的に変動が生じ、現在は、社内取締役2名、独立社外取締役2名の計4名となっていますが、今後、独立性・客観性の観点から委員の体制について、対応を進めていく予定です。
具体的には、指名・報酬諮問委員会の答申を踏まえて、当社は、当社事業の原点である「代田イズム」の実現に加えて、経営者がより業績に責任を持ち、株主の皆さまと一層の価値共有を進める報酬制度とするため、固定報酬、業績連動報酬(短期インセンティブ(金銭))および株式報酬(長期インセンティブ(株式))で構成される報酬体系を採用しております。
また、当該報酬体系のもと、適正なインセンティブとして機能するように、当社は、取締役(社外取締役および非常勤取締役を除きます。)の固定報酬:業績連動報酬:株式報酬の割合を70:15:15の基準に設定しております。なお、当該基準は、外部調査機関からの情報や他社の動向等を踏まえた分析・検討に基づいて、決定しております。このように、バランスの取れた報酬体系が、企業理念を実践し、株主の皆さまをはじめとする幅広いステークホルダーの期待に応えることができる優秀な人材の登用・保持を支え、企業価値の持続的な向上につながっていると考えております。
そして、株式報酬については、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えるとともに、株主の皆さまとの一層の価値共有を進めることを目的に、2023年6月21日開催の当社第71回定時株主総会(以下、「第71回定時株主総会」といいます。)において、当社取締役(社外取締役および非常勤取締役を除きます。)に対し、株式報酬の額を年額300百万円以内、発行または処分される普通株式の株式数を15万株以内(2023年10月1日付の株式分割による調整後の株式数を記載しています。)とする譲渡制限付株式報酬制度を導入することについて株主の皆さまにお諮りし、95.9%と高い賛成率をもって承認されております。
このように、当社取締役の現在の株式報酬制度は、株主の皆さまのご承認も得た上で、指名・報酬諮問委員会を中心とする独立性・客観性を備えた適切な手続のもとに実施しております。
イ.本株主提案の株式報酬を導入する必要がないと考える理由
本議案は、当社取締役(社外取締役および非常勤取締役を除きます。以下本項において同じです。)に対し、第71回定時株主総会において承認された株式報酬に加えて、ROEおよびTSR(株主総利回り)を含む業績連動型で、業績基準を満たす場合には、累計で固定報酬の3倍相当の譲渡制限付株式を3年で付与するように設計された譲渡制限付株式報酬(年額800百万円以内、発行または処分される普通株式の株式数年20万株以内)を導入することを求めるものです(なお、本議案では、既存の株式報酬制度に代えて、本議案が提案する譲渡制限付株式報酬制度を導入する旨の記載がないことから、既存の株式報酬制度に追加する趣旨と考えられます。)。
本議案に基づく追加の譲渡制限付株式報酬制度が導入され、かつ、業績基準を満たす場合には、既存の株式報酬の額を合わせると、譲渡制限付株式の累計額は取締役の固定報酬の3倍を超える譲渡制限付株式が3年間で付与されることになります。現在の当社役員報酬制度において、固定報酬の割合を70%に設定していることから、本制度が導入され、固定報酬の金額が現状どおり維持された場合には、取締役の報酬総額が現在の数倍に増加することと想定されますが、これでは当社として現時点において適正なインセンティブとして機能するように設計している固定報酬、業績連動報酬とのバランスを欠く過大な報酬枠となり、当社が現在定める取締役の個人別の報酬等の内容の決定方針から大きく乖離いたします。
また、本議案のとおり、従前の業績連動報酬制度に追加する形で、ROEやTSRを含む業績連動型のインセンティブ制度として設計した場合、過度に業績連動報酬に傾斜した報酬体系となり、現在当社が妥当と考える報酬体系のバランスを大きく逸脱するものと考えております。
以上の理由から、当社取締役会は、本議案に反対いたします。
なお、本取締役会意見の決議に先立ち、指名・報酬諮問委員会は、本議案の内容について審議をし、取締役会に答申を行っております。取締役会は指名・報酬諮問委員会からの答申を踏まえ、本取締役会意見を決議しております。
当社としましては、今後も引き続き、企業価値向上に資する報酬制度の枠組みづくりに向けて、当社取締役の報酬に占める株式報酬の割合を増やしていくことや、従業員の企業価値向上へのインセンティブを高めるために、従業員に対する株式報酬を導入すること等について、検討を進めてまいります。