第73回定時株主総会招集ご通知 証券コード : 2267

第6号議案
譲渡制限付株式報酬制度に関する報酬額承認の件<株主提案>

  1. 議案の要領
     当社の取締役の報酬限度額は、2008年6月25日開催の定時株主総会において年額1,000百万円以内(使用人兼務取締役の使用人分給与および賞与は含まない)とし、当該報酬枠の別訳で、2023年6月21日開催の定時株主総会において、株式報酬の額として年額300百万円以内、株式数の上限を年150,000株以内(使用人兼務取締役の使用人分給与および賞与は含まない、社外取締役および非常勤取締役を除く)とすることが承認されているが、今般、譲渡制限付株式報酬制度の対象となる当社の取締役に対し、年額800百万円以内、付与株式数の上限200,000株の譲渡制限付株式付与のための金銭報酬債権を付与することとする。具体的な支給時期及び配分については、取締役会において決定するが、ROEとTSR(株主総利回り)を含む業績連動型のインセンティブ制度として設計し、かつ、業績基準を満たす場合には累計で固定報酬の3倍相当の譲渡制限付株式を今後3年間で付与するよう設計するものとする。
  2. 提案の理由
     弊社は日本の取締役会の最大の弱点が各取締役による株式保有の少なさ、それによる株主目線の欠如にあると考えます。当社においても各取締役の株式保有が少なく、取締役の経済的利益の大半は固定報酬としての基本報酬であり、一部業績の達成に紐づく報酬があるものの、譲渡制限付株式報酬の目的である株主との価値共有が不十分と考えます。取締役に当社の企業価値の持続的向上を図る経済的インセンティブを持たせ、株主と利益を一体化することで企業価値向上の成果を株主とともに享受することが必要です。
     取締役と株主との価値共有を図るための効果的な株式報酬の目安は、固定報酬の3倍相当とされております。当社は譲渡制限付株式報酬制度を導入しているものの、第72期(2023年4月1日から2024年3月31日)では当社の取締役(社外取締役を除く)に年額504百万円の固定報酬が支払われているのに対し、株式報酬は72百万円となっており、固定報酬の14%しかありません。このペースでは、取締役と株主との価値共有を図るために効果的な株式報酬の目安とされる固定報酬の3倍相当の株式保有に到達するまで、約21年かかることになります。譲渡制限付株式報酬は取締役の在任中に付与されなければ意味がありませんので、より短期間で一定規模の付与がなされる必要があります。
     また、欧米においてはほぼすべての主要上場企業において、株主との価値共有に必要と考えられる一定量の株式について一定期間の継続保有要件を定める株式保有ガイドラインが採択されています。数年間の猶予期間を経て、トップマネジメントであれば基本報酬の3〜5倍、社外取締役でも報酬の1倍とするケースが大半です。弊社は当社の取締役その他の経営陣にも、過去の常識にとらわれず、世界水準に劣らないオーナーシップのレベルを目指すこと、適切な開示を通じてそのコミットメントを示すことを提案し、株式保有ガイドラインを制定すべきと考えます。

 当社取締役会の意見 

当社取締役会は、第6号議案に反対いたします。

 ア.当社の取締役報酬の決定プロセス
 当社は、取締役の指名・報酬等に係る事項について、取締役会の機能の独立性・客観性と説明責任を強化するために、取締役会の諮問機関であり委員の過半数(注)を独立社外取締役で構成する指名・報酬諮問委員会(以下、「指名・報酬諮問委員会」といいます。)を設置しております。そして、取締役の個人別の報酬等の内容の決定方針および報酬の算定方法、個人別の報酬等については、指名・報酬諮問委員会の答申を踏まえ、取締役会で決議しており、固定報酬および業績連動報酬に関する個人別の報酬額については、取締役会の委任を受けて指名・報酬諮問委員会が決定しております。

(注)

当社社外取締役の新保克芳氏が2025年2月8日に急逝し、同日、当社取締役を退任したことにより、指名・報酬諮問委員会の委員の構成に一時的に変動が生じ、現在は、社内取締役2名、独立社外取締役2名の計4名となっていますが、今後、独立性・客観性の観点から委員の体制について、対応を進めていく予定です。

 具体的には、指名・報酬諮問委員会の答申を踏まえて、当社は、当社事業の原点である「代田イズム」の実現に加えて、経営者がより業績に責任を持ち、株主の皆さまと一層の価値共有を進める報酬制度とするため、固定報酬、業績連動報酬(短期インセンティブ(金銭))および株式報酬(長期インセンティブ(株式))で構成される報酬体系を採用しております。
 また、当該報酬体系のもと、適正なインセンティブとして機能するように、当社は、取締役(社外取締役および非常勤取締役を除きます。)の固定報酬:業績連動報酬:株式報酬の割合を70:15:15の基準に設定しております。なお、当該基準は、外部調査機関からの情報や他社の動向等を踏まえた分析・検討に基づいて、決定しております。このように、バランスの取れた報酬体系が、企業理念を実践し、株主の皆さまをはじめとする幅広いステークホルダーの期待に応えることができる優秀な人材の登用・保持を支え、企業価値の持続的な向上につながっていると考えております。
 そして、株式報酬については、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えるとともに、株主の皆さまとの一層の価値共有を進めることを目的に、2023年6月21日開催の当社第71回定時株主総会(以下、「第71回定時株主総会」といいます。)において、当社取締役(社外取締役および非常勤取締役を除きます。)に対し、株式報酬の額を年額300百万円以内、発行または処分される普通株式の株式数を15万株以内(2023年10月1日付の株式分割による調整後の株式数を記載しています。)とする譲渡制限付株式報酬制度を導入することについて株主の皆さまにお諮りし、95.9%と高い賛成率をもって承認されております。
 このように、当社取締役の現在の株式報酬制度は、株主の皆さまのご承認も得た上で、指名・報酬諮問委員会を中心とする独立性・客観性を備えた適切な手続のもとに実施しております。

 イ.本株主提案の株式報酬を導入する必要がないと考える理由
 本議案は、当社取締役(社外取締役および非常勤取締役を除きます。以下本項において同じです。)に対し、第71回定時株主総会において承認された株式報酬に加えて、ROEおよびTSR(株主総利回り)を含む業績連動型で、業績基準を満たす場合には、累計で固定報酬の3倍相当の譲渡制限付株式を3年で付与するように設計された譲渡制限付株式報酬(年額800百万円以内、発行または処分される普通株式の株式数年20万株以内)を導入することを求めるものです(なお、本議案では、既存の株式報酬制度に代えて、本議案が提案する譲渡制限付株式報酬制度を導入する旨の記載がないことから、既存の株式報酬制度に追加する趣旨と考えられます。)。
 本議案に基づく追加の譲渡制限付株式報酬制度が導入され、かつ、業績基準を満たす場合には、既存の株式報酬の額を合わせると、譲渡制限付株式の累計額は取締役の固定報酬の3倍を超える譲渡制限付株式が3年間で付与されることになります。現在の当社役員報酬制度において、固定報酬の割合を70%に設定していることから、本制度が導入され、固定報酬の金額が現状どおり維持された場合には、取締役の報酬総額が現在の数倍に増加することと想定されますが、これでは当社として現時点において適正なインセンティブとして機能するように設計している固定報酬、業績連動報酬とのバランスを欠く過大な報酬枠となり、当社が現在定める取締役の個人別の報酬等の内容の決定方針から大きく乖離いたします。
 また、本議案のとおり、従前の業績連動報酬制度に追加する形で、ROEやTSRを含む業績連動型のインセンティブ制度として設計した場合、過度に業績連動報酬に傾斜した報酬体系となり、現在当社が妥当と考える報酬体系のバランスを大きく逸脱するものと考えております。
 以上の理由から、当社取締役会は、本議案に反対いたします。
 なお、本取締役会意見の決議に先立ち、指名・報酬諮問委員会は、本議案の内容について審議をし、取締役会に答申を行っております。取締役会は指名・報酬諮問委員会からの答申を踏まえ、本取締役会意見を決議しております。
 当社としましては、今後も引き続き、企業価値向上に資する報酬制度の枠組みづくりに向けて、当社取締役の報酬に占める株式報酬の割合を増やしていくことや、従業員の企業価値向上へのインセンティブを高めるために、従業員に対する株式報酬を導入すること等について、検討を進めてまいります。

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2025/06/25 11:00:00 +0900
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