第73回定時株主総会招集ご通知 証券コード : 2267

第7号議案
社外取締役の構成に関する定款変更の件<株主提案>

  1. 議案の要領
     当社の社外取締役を過半数とするため、当社の定款第17条を下記の通り変更する。

  2. 提案の理由
     弊社は今日の上場企業経営において取締役会の多様性と独立性が不可欠であると考えます。多様性ある取締役会とはスキル、経験、年齢、国籍、ジェンダーなど幅広い視点から経営判断ができる取締役会を意味し、独立性のある取締役会とは少なくとも過半が独立社外取締役から構成されている取締役会を意味します。
     コーポレートガバナンス・コード原則4−8は、「独立社外取締役は会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に寄与するように役割・責務を果たすべきであり、プライム市場上場会社はそのような資質を十分に備えた独立社外取締役を少なくとも3分の1(その他の市場の上場会社においては2名)以上選任すべきである。また、上記にかかわらず、業種・規模・事業特性・機関設計・会社をとりまく環境等を総合的に勘案して、過半数の独立社外取締役を選任することが必要と考えるプライム市場上場会社は、十分な人数の独立社外取締役を選任すべきである。」と規定しています。また、コーポレートガバナンス・コード原則4−7は、独立社外取締役の役割・責務の一つとして、「経営陣・支配株主から独立した立場で、少数株主をはじめとするステークホルダーの意見を取締役会に適切に反映させること」を挙げています。
     当社は、2025年3月末時点で取締役14名のうち社外取締役は5名となっており、コーポレートガバナンス・コード原則上の要件は充たしているものの、より積極的に取締役の過半数を社外取締役とすることで、資本効率を上げ、株主還元を図り、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上に寄与するガバナンス体制を整えることができると考えます。
      また、社外取締役の人数のみならず、社外取締役の資質についても、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上に寄与することができる人材が必要であり、この点、女性及びアナリストとして高い経験とスキルを持つ人材の登用を検討すべきと考えます。
     「アナリストとして高い経験とスキルを持つ人材」の登用は、外部投資家・株主の目線を取締役会にもたらすと同時に、健全なリスクテイクを通じた企業価値向上に資する効果的な手段と考えます。本来、上場企業の取締役会と投資家・株主は企業価値の長期的な向上という同じ目標を共有しながら、不幸にも日本においては両者が対立的な構図でとらえられることも少なくありません。上述の経験・スキルを持つ取締役が取締役会の議論・意思決定に参画することは、健全なリスクテイクと資本配分、そして市場とのより良いコミュニケーションを通じて取締役会と株式市場の関係を本来の建設的なものにするでしょう。しばしば銀行出身者や会計士がスキルマトリックスのファイナンス部分を担うと説明されますが、「健全なリスクテイク」を促す観点からは会計や負債市場の専門性だけでは不十分であり、そこにエクイティ市場の専門家の意義があると考えます。

 当社取締役会の意見 

当社取締役会は、第7号議案に反対いたします。

 ア.当社の取締役候補者の決定プロセス
 当社は、取締役の指名・報酬等に係る事項について、取締役会の機能の独立性・客観性と説明責任を強化するために、取締役会の諮問機関であり委員の過半数を独立社外取締役で構成する指名・報酬諮問委員会(以下、「指名・報酬諮問委員会」といいます。)を設置し、取締役候補者の指名については、指名・報酬諮問委員会の答申を踏まえ、取締役会で決議することとしております。
 当社は、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上の観点から、取締役候補者の選任にあたっては、豊富な知識・経験とグループ経営に関する深い知見を有し、取締役にふさわしい能力、人格・識見を備えた者であることを基準としております。また、取締役会の構成においては、多様性を有し、闊達な議論がなされる構成とするため、社内からの内部昇格のみならず、ヤクルトグループである販売会社の経営者および各界の有識者の中から、適材適所の観点をもとに決定しております。
 なお、当社が社外取締役に期待する役割は、各取締役の知見や経験等に基づき、社外取締役が「当社経営陣に対する客観的な視点で提言や業務執行に対する適切な監督を行うこと」と認識しており、当社は、社外取締役に幅広い人材を登用し、様々な視点からの提言・監督を受けることにより、当社経営のさらなる強化・充実を図っております。
 このように、当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値向上の観点から、指名・報酬諮問委員会の答申を踏まえて、適切な取締役候補者を選定するとともに、各取締役候補者のスキルのバランスや多様性の確保を踏まえて、取締役会構成を決定しております。

 イ.当社の取締役会が持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に寄与する最適な構成であると考える理由
 
当社取締役会は、現在、取締役14名(うち独立社外取締役5名)で構成されておりますが、これまでも、企業理念の実現や中長期的な企業価値向上に向けた建設的な議論を行うとともに、事業拡大に向けた積極的な成長投資を行い、安定した財務基盤を維持することで、株主の皆さまへの還元強化を実現してきたものと考えております。
 本定時株主総会において、「第1号議案取締役14名選任の件」をご承認いただきますと、取締役会の構成は14名中6名が独立社外取締役となり、また、取締役会の構成として女性2名・外国人1名を含むことから、取締役会における多様性は確保されていると考えております。また、当該6名の独立社外取締役は、いずれも弁護士、企業経営経験者、学識経験者、証券アナリスト経験者といった専門家であり、それぞれが専門知識と様々な経験とともに、コーポレート・ガバナンスに対する深い知見を有しております。
 そのため、本定時株主総会後の当社取締役会においても、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に向けたガバナンスの有効性は十分に確保されますので、社外取締役を過半数とすることが必須とは考えておりません。

 ウ.社外取締役を過半数とする定款規定を設ける必要がないと考える理由
 
コーポレートガバナンス・コード【原則4−8.独立社外取締役の有効な活用】は、「業種・規模・事業特性・機関設計・会社をとりまく環境等を総合的に勘案して過半数の独立社外取締役を選任することが必要と考えるプライム市場上場会社・・・は、十分な人数の独立社外取締役を選任すべきである」と述べるにとどまり、各社個別の事情を勘案した上で、必要に応じて過半数の社外取締役の選任を要請しているに過ぎず、すべてのプライム市場上場会社が過半数の独立社外取締役を選任すべきであるとはしておりません。
 本議案のように、当社取締役の過半数を常に社外取締役とすることを義務付ける規定を定款に設けた場合、取締役会のあるべき姿の議論や取締役候補者の選択範囲を却って制限し、その時々において最適な取締役会を検討・構成する上での妨げになります。
 以上の理由から、当社取締役会は、本議案に反対いたします。
 なお、本取締役会意見の決議に先立ち、指名・報酬諮問委員会は、本議案の内容について審議をし、取締役会に答申を行っております。取締役会は指名・報酬諮問委員会からの答申を踏まえ、本取締役会意見を決議しております。
 当社としましては、今後も引き続き、企業価値向上に資するガバナンス体制の強化に向けて、独立社外取締役の数や比率の向上、企業価値向上に資する適切なスキルを含む取締役会のあり方について、指名・報酬諮問委員会およびその答申を受けた取締役会において検討を進めてまいります。

 以上のとおり、当社取締役会は、本株主提案のすべての議案に反対いたします。
 株主の皆さまには、本株主提案に係る議決権の行使について、慎重にご検討いただきますようお願い申しあげます。
 当社は、引き続き株主の皆さまと建設的な対話を重ね、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に努めてまいります。

(参考①)新中期経営計画のURL
https://www.yakult.co.jp/company/ir/library/pdf/Medium-term_Management_Plan_2025_2030.pdf


(参考②)2月14日付ニュースリリースのURL
https://www.yakult.co.jp/company/news/article.php?num=1730

以 上
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2025/06/25 11:00:00 +0900
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