第73回定時株主総会招集ご通知 証券コード : 2267
当社取締役会の意見
ア.当社の取締役候補者の決定プロセス
当社は、取締役の指名・報酬等に係る事項について、取締役会の機能の独立性・客観性と説明責任を強化するために、取締役会の諮問機関であり委員の過半数を独立社外取締役で構成する指名・報酬諮問委員会(以下、「指名・報酬諮問委員会」といいます。)を設置し、取締役候補者の指名については、指名・報酬諮問委員会の答申を踏まえ、取締役会で決議することとしております。
当社は、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上の観点から、取締役候補者の選任にあたっては、豊富な知識・経験とグループ経営に関する深い知見を有し、取締役にふさわしい能力、人格・識見を備えた者であることを基準としております。また、取締役会の構成においては、多様性を有し、闊達な議論がなされる構成とするため、社内からの内部昇格のみならず、ヤクルトグループである販売会社の経営者および各界の有識者の中から、適材適所の観点をもとに決定しております。
なお、当社が社外取締役に期待する役割は、各取締役の知見や経験等に基づき、社外取締役が「当社経営陣に対する客観的な視点で提言や業務執行に対する適切な監督を行うこと」と認識しており、当社は、社外取締役に幅広い人材を登用し、様々な視点からの提言・監督を受けることにより、当社経営のさらなる強化・充実を図っております。
このように、当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値向上の観点から、指名・報酬諮問委員会の答申を踏まえて、適切な取締役候補者を選定するとともに、各取締役候補者のスキルのバランスや多様性の確保を踏まえて、取締役会構成を決定しております。
イ.当社の取締役会が持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に寄与する最適な構成であると考える理由
当社取締役会は、現在、取締役14名(うち独立社外取締役5名)で構成されておりますが、これまでも、企業理念の実現や中長期的な企業価値向上に向けた建設的な議論を行うとともに、事業拡大に向けた積極的な成長投資を行い、安定した財務基盤を維持することで、株主の皆さまへの還元強化を実現してきたものと考えております。
本定時株主総会において、「第1号議案取締役14名選任の件」をご承認いただきますと、取締役会の構成は14名中6名が独立社外取締役となり、また、取締役会の構成として女性2名・外国人1名を含むことから、取締役会における多様性は確保されていると考えております。また、当該6名の独立社外取締役は、いずれも弁護士、企業経営経験者、学識経験者、証券アナリスト経験者といった専門家であり、それぞれが専門知識と様々な経験とともに、コーポレート・ガバナンスに対する深い知見を有しております。
そのため、本定時株主総会後の当社取締役会においても、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に向けたガバナンスの有効性は十分に確保されますので、社外取締役を過半数とすることが必須とは考えておりません。
ウ.社外取締役を過半数とする定款規定を設ける必要がないと考える理由
コーポレートガバナンス・コード【原則4−8.独立社外取締役の有効な活用】は、「業種・規模・事業特性・機関設計・会社をとりまく環境等を総合的に勘案して過半数の独立社外取締役を選任することが必要と考えるプライム市場上場会社・・・は、十分な人数の独立社外取締役を選任すべきである」と述べるにとどまり、各社個別の事情を勘案した上で、必要に応じて過半数の社外取締役の選任を要請しているに過ぎず、すべてのプライム市場上場会社が過半数の独立社外取締役を選任すべきであるとはしておりません。
本議案のように、当社取締役の過半数を常に社外取締役とすることを義務付ける規定を定款に設けた場合、取締役会のあるべき姿の議論や取締役候補者の選択範囲を却って制限し、その時々において最適な取締役会を検討・構成する上での妨げになります。
以上の理由から、当社取締役会は、本議案に反対いたします。
なお、本取締役会意見の決議に先立ち、指名・報酬諮問委員会は、本議案の内容について審議をし、取締役会に答申を行っております。取締役会は指名・報酬諮問委員会からの答申を踏まえ、本取締役会意見を決議しております。
当社としましては、今後も引き続き、企業価値向上に資するガバナンス体制の強化に向けて、独立社外取締役の数や比率の向上、企業価値向上に資する適切なスキルを含む取締役会のあり方について、指名・報酬諮問委員会およびその答申を受けた取締役会において検討を進めてまいります。
以上のとおり、当社取締役会は、本株主提案のすべての議案に反対いたします。
株主の皆さまには、本株主提案に係る議決権の行使について、慎重にご検討いただきますようお願い申しあげます。
当社は、引き続き株主の皆さまと建設的な対話を重ね、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に努めてまいります。
(参考①)新中期経営計画のURL
https://www.yakult.co.jp/company/ir/library/pdf/Medium-term_Management_Plan_2025_2030.pdf
(参考②)2月14日付ニュースリリースのURL
https://www.yakult.co.jp/company/news/article.php?num=1730