当社は、「双日グループ企業理念」(「双日グループは、誠実な心で世界を結び、新たな価値と豊かな未来を創造します」)に基づき、中長期に亘る企業価値の向上を図っております。
この実現に向け、コーポレート・ガバナンスの充実が経営の重要課題であるとの認識のもと、以下のようなコーポレート・ガバナンス体制を構築し、株主をはじめとするステークホルダーに対する経営責任と説明責任を果たすことを含め、健全性、透明性、効率性の高い経営体制の確立に努めております。
コーポレート・ガバナンス体制図(2020年6月18日株主総会以後)
1)経営及び業務執行体制
当社では、経営の意思決定と業務執行の分離による権限、責任の明確化及び業務執行の迅速化を実現するため、執行役員制度を導入しております。取締役会は、当社グループ経営に係る基本方針と最重要案件の審議、決議を行う最高意思決定機関であると共に、業務執行機関からの重要事項の付議、定例報告などを通じて業務の執行状況の監督を行っております。業務執行機関としては、当社グループの経営及び執行に係る重要事項を全社的視野並びに中長期的な観点で審議、決裁する経営会議を設置し、最高経営責任者である社長が議長を務めております。加えて、社長管下には、重要な投融資案件を審議・決裁する投融資審議会、重要な人事事項を審議・決裁する人事審議会、組織横断的な視点で取り組むべき事項を推進する社内委員会を設置しております。
なお、急速な経営環境の変化に迅速かつ適切に対応し、経営に対する責任を明確にするため、取締役と執行役員の任期を1年としております。
2)経営に対する監視・監督体制
当社では、当社経営に対し、客観的な立場からの外部視点による適切な助言・提言を受けること及び取締役会の監督機能の強化を図ることを目的に複数の社外取締役を選任しております。また、社外取締役が取締役会の諮問機関である指名委員会、報酬委員会の委員長を務めることにより、取締役の選任、報酬に関する妥当性、透明性を確保しております。
なお、当社は監査役会設置会社であり、監査役会が独立した立場から、経営に対する監視・監督機能を果たしております。
1)取締役会
最高意思決定機関として、当社グループ経営に係る基本方針と最重要案件の審議、決議を行うと共に、業務執行機関からの重要事項の付議、定例報告などを通じて業務の執行状況の監督を行っております。また、社外取締役は、業務執行取締役及び当社執行体制全般に対する監督、当社ガバナンス体制全般への意見具申を行っております。
●取締役の選任方針及び取締役会の構成
広範で多岐に亘る事業を行う総合商社における適切な意思決定、経営監督の実現のため、取締役の選任においては、ジェンダーや国際性の面を含む多様性を考慮し、社内及び社外それぞれから豊富な経験、高い見識、高度な専門性を有する者を複数選任することとしております。なお、当社は、定款において取締役の員数を10名以内と定めており、2020年3月31日時点では、当社において豊富な業務経験を持つ社内取締役(4名)と、客観的かつ専門的な視点や多様な知見を持つ社外取締役(2名)の計6名(男性5名・女性1名)で構成されております。
●取締役の指名手続き
上記指名方針に基づき、取締役会の諮問機関である指名委員会の審議結果を踏まえ、取締役会が個々の候補の実績並びに取締役としての資質について審議のうえ、決議し、株主総会に付議しております。
●取締役会での審議内容等
当社は、法令・定款によるほか、取締役会規程を定め、経営方針・経営計画及び重要な人事・組織・制度などの当社グループ経営に係る基本事項・重要事項ならびに定量面より重要性の高い投融資案件等の業務執行に係る重要事項に関して、取締役会において審議・決議しております。
取締役会決議事項を除く業務執行に関しては、各事案の内容・規模・重要性・リスク等に応じて、最高経営責任者である社長、その管下の業務執行機関である経営会議・投融資審議会・人事審議会等において、審議・決裁しております。
●取締役の支援体制
取締役を補佐する専属組織として取締役会業務室を設置しており、取締役に対し、専任スタッフ3名(2020年3月31日時点)を中心に適時適切な情報提供、報告及び連絡などを行っております。
●取締役会の実効性に関する分析・評価
当社は、取締役会の機能向上を図るため、毎年、取締役会の実効性評価を行っております。
2019年3月期の取締役会実効性評価の結果を踏まえ、2020年3月期は下記の取り組みを行いました。
・取締役会における中期経営計画の進捗状況のフォローアップの実施。
・ 投融資案件につき、意思決定プロセスの実効性を高めるべく、当該案件の本部内での位置付け等を営業本部長より説明。また、投融資審議会議長を務める社内取締役から投融資審議会での論点等の補足説明を実施。
・ 社外取締役と社外監査役のコミュニケーションを促進するため、社外取締役向け取締役会付議議案の事前説明への社外監査役の同席、および社外役員間の定期的な意見交換会を実施。
・指名委員会・報酬委員会での協議・検討事項につき、取締役会での報告を実施。
・ 当社及び当社グループの幅広い事業内容についての理解を深め、業務執行者とのコミュニケーション機会を設けるため、2019年12月に社外役員によるベトナムにおける製紙事業会社等の視察を実施。
2020年3月期の分析・評価結果及び今後の取り組みは以下のとおりです。
社外役員によるベトナムにおける製紙事業会社の視察(2019年12月)
● 2020年度の体制
2020年6月18日開催の株主総会決議後、取締役会は、当社において豊富な業務経験を持つ社内取締役(4名)と、客観的かつ専門的な視点や多様な知見を持つ社外取締役(3名)の計7名(男性5名・女性2名)で構成されることとなります。
2)監査役会
諸法令、定款、諸規程及び監査役会が定めた監査役監査基準に基づき、独立した立場で取締役の職務執行の監査を行っております。また、監査役は、取締役会に加えて、業務執行に関する重要な会議に出席するほか、取締役からの聴取、重要な決裁書類の閲覧などを通じて経営に対する監視・監査機能を果たしております。
● 監査役会の構成
2020年3月31日時点で、当社における豊富な業務経験を持つ社内監査役1名と、客観的かつ専門的な視点や多様な知見を持つ社外監査役4名の計5名で構成されており、常勤監査役を2名としております。
● 監査役の支援体制
監査役を補佐する専属組織として監査役業務室を設置しており、社内外の監査役に対し、専任スタッフ3名(2020年3月31日時点)を中心に適時適切な情報提供、報告及び連絡などを行っております。
3)取締役会の諮問機関(指名委員会、報酬委員会)
当社は、取締役会の諮問機関として以下を設置しております。
4)社外役員の選任方針及び独立性に関する基準
当社は、社外役員の実質的な独立性を重視し、会社法及び金融商品取引所が定める独立役員の要件に加え独自の社外役員の独立性基準を策定し、社外役員全員がこの基準を満たしていることを確認しております。
なお、「社外役員の選任及び独立性に関する基準」につきましては、招集ご通知P.20をご参照ください。
5)取締役・監査役に対するトレーニングの方針
当社は、取締役や監査役がその機能や役割を適切に果たせるように、以下を実施しております。
・ 新任役員に対して、弁護士による役員の法的な義務・責任等に関するレクチャーのほか、第三者によるコンサルテーションなど経営者向けのプログラムを受ける機会を設定。
・ 社内外の取締役・監査役が、当社の広範な事業活動に関する理解を深めるため、各本部長による事業・取り組みの説明会を実施するほか、最新のマクロ経済情勢についての理解を深めるため、当社シンクタンク子会社による月例説明会を実施。加えて、その他の必要な情報についても、継続的に情報提供を実施。
・ 日本取締役協会や日本監査役協会等の外部機関において開催されるセミナー等への参加機会を提供。
6)取締役・監査役の報酬の決定方針
取締役・監査役の報酬は、当社定時株主総会において決議された報酬限度額の範囲内で決定されます。取締役の報酬は、会社業績並びに、非財務面のパフォーマンスを総合的に勘案し決定され、監査役の報酬は原則、監査役会において協議、決定されます。
当社は、最高経営責任者である社長管下の業務執行機関として以下を設置しております。
1)経営会議
業務執行取締役及び営業管掌役員やコーポレートの責任者などから構成され、当社グループの経営政策、経営戦略及び経営管理事項を全社的視野並びに中長期的な観点から審議・決裁を行います。
2)投融資審議会
業務執行取締役及び営業管掌役員やコーポレートの責任者などから構成され、重要な投融資案件(投融資保証案件、与信案件など)を全社的な視野に立って審議・決裁を行います。
3)人事審議会
業務執行取締役及び営業管掌役員やコーポレートの責任者などから構成され、重要な人事事項を全社的な視野に立って審議・決裁を行います。
4)社内委員会
企業価値向上のため、組織横断的に取り組むべき経営事項を推進する社長管下の業務執行機関として、以下の社内委員会を設置しており、各社内委員会は、取締役会や経営会議にその活動内容に基づく報告を定期的に行っております。
なお、社内委員会の下部組織として、開示分科会、情報セキュリティ分科会を設置しております。また、2020年4月1日より、「双日グループ危機管理基本方針書」に基づく危機管理基本方針の実効性の担保と、経営環境の変化に対応し、継続的に見直し・改善・発展させていく事を目的として、事業継続マネジメント委員会を設置しております。
監査役、会計監査人及び監査部は、それぞれの立場で監査業務を行ううえで、監査の相互補完及び効率性の観点から双方向的な情報交換を行い、監査の実効性を高めております。
1)監査役監査
監査役は、監査役会が定めた監査役監査基準に則り、取締役会、経営会議、投融資審議会などの重要な会議に出席するほか、監査実施計画及び業務分担に基づき、取締役などからその職務の執行状況の聴取、重要な決裁書類などの閲覧、さらには連結子会社から事業の報告を求めるなどの方法により監査を実施し、経営に対する監視・監査を行っております。
監査役は、会計監査人より監査計画の説明及び定期的な監査実施状況の報告を受けることで、効率的な監査を実施すると共に、会計監査人の独立性について監視しております。また、監査部から監査計画及び監査実施状況の報告を受け、監査結果に対して意見書を提出するなど、会計監査人、監査部と連携のうえ、当社の状況を適時適切に把握する体制としております。
2)会計監査
当社は、会社法に基づく会計監査並びに金融商品取引法に基づく財務諸表監査、四半期レビュー及び内部統制監査に関し、有限責任 あずさ監査法人に監査を依頼しております。当事業年度における業務執行社員の氏名、監査業務に係る補助者の構成は以下のとおりです。なお、継続監査年数については業務を執行した公認会計士全員が7年以内であるため、記載を省略しております。
(指定有限責任社員、業務執行社員): 平野 巌、大西 健太郎、山田 大介
(監査業務に係る補助者): 公認会計士18名、その他18名
3)内部監査
取締役会で決議した監査計画に基づき、内部監査小委員会の指揮のもと、監査部27名(2020年3月31日時点)が、営業部、コーポレート、連結子会社を主たる対象とし、以下の通り監査を実施しております。
・ 監査時は、組織体のガバナンス・リスク管理・内部統制が適切に機能しているかを検証すると共に、損失の未然防止や問題解決に向け、実効性のある改善提案を実施。
・ 監査後は、監査対象組織及び関係先(主管本部長、コーポレート各部の担当本部長、監査役等)を対象とする監査講評会において意見交換を行ったうえで、監査報告書を内部監査小委員会及び監査役へ提出。また、内部監査小委員会に対しては、月次で監査報告会を実施。
・ 監査での指摘事項について、監査対象組織より3ヶ月後、6ヶ月後に改善状況の報告を受けると共に、フォローアップ監査により改善状況を確認。
1)保有に関する方針
政策保有株式として保有する上場株式については、毎年個別の銘柄毎に受取配当金や関連する収益が資本コスト(WACC)を上回っているかを定量的に検証すると共に、当社企業価値の向上に寄与しているかといった定性面についても精査し、保有意義の見直しを行っております。検証の結果、保有意義が認められる銘柄については、継続して保有し、保有による効果・便益を追求してまいります。一方、保有意義が希薄化した銘柄については、一定期間内での改善を目指す、あるいは、改善が見込めない銘柄については売却を検討してまいります。なお、保有意義の見直しは、取締役会及び経営会議にて個別の銘柄毎に検証を行っております。
2)議決権の行使
上場株式の保有意義を踏まえ、当社と投資先企業双方の持続的成長と中長期的な企業価値の向上に適うか否かを基準に、議決権を行使することとしており、議決権の行使状況を会社として把握する体制としております。