当社は、双日グループ企業理念に掲げるとおり、企業活動を通じ、世界中の多様なステークホルダーのニーズや期待に誠実に応え、新たな価値を提供し続けることを通じて、当社グループの事業基盤拡充や持続的成長などの「双日が得る価値」と、国、地域経済の発展や人権・環境配慮などの「社会が得る価値」の2つの価値の最大化に取り組んでおります。
また、企業理念を実践し、ステークホルダーとの強固な信頼関係を築くために、グループ全役職員が実践すべきものとして、「双日グループ サプライチェーンCSR行動指針」や「双日グループ・コンプライアンス行動基準」などの行動指針・基準を定めるほか、国連グローバル・コンパクト10原則や、パリ協定、SDGs(持続可能な開発目標)などの国際規範にも沿ったサステナビリティに関する諸方針として、「双日グループ 環境方針」、「双日グループ 人権方針」などを整備し、グループ各社、役職員へこれらの指針・基準・方針の周知・徹底を図っております。
1)サステナビリティに関する取り組み
双日では、将来にわたり「2つの価値」を創造し続けるため、事業を通じて中長期的に取り組む6つの「サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)」を設定すると共に、長期ビジョンとして「サステナビリティ チャレンジ」を設定し、グローバルな環境・社会課題の解決と企業活動との融合促進、及びその体制の構築に取り組んでいます。
<サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)>
<サステナビリティ チャレンジ>
『事業を通じた脱炭素社会実現への挑戦と、サプライチェーンを含めた人権尊重への対応により、双日と社会の持続的な成長を目指します。』
「中期経営計画2020」の3ヶ年を長期ビジョン実現に向けた準備期間と位置づけ、経営が先頭に立ち、事業活動により生じるCO₂排出量の把握・評価や、低炭素社会実現に貢献するビジネスの積み上げを加速し、今後10年で低炭素ビジネスの拡大を図ると共に、恒常的に人権尊重の取り組みを拡大していきます。
<低炭素・脱炭素に向けた取り組み>
当社グループは、2015年の第21回気候変動枠組条約締約国会議(COP21)で採択されたパリ協定の要請を踏まえ、「サステナビリティ チャレンジ」で掲げる「事業を通じた脱炭素社会の実現」に向けて、再生可能エネルギー事業など、気候変動対策に結びつく事業への取り組みを進めています。
また、2018年8月にTCFDの最終提言への賛同を表明し、幅広いステークホルダーとの協働、積極的な情報開示と透明性向上に努めています。
2)人材の多様性に関する取り組み
当社は、グローバルに事業を展開する中で、長期的に競争力を発揮し続けるため、性別、国籍、年代などを問わず、多様な人材の採用や育成、活用を進めています。また、これらの人材が、個々の能力を最大限に発揮し、組織の成果に貢献できるよう、制度・環境の整備に取り組んでおります。
●女性活躍推進
中長期的な視点から行動計画及び数値目標を定め、仕事と育児の両立支援などの制度を含む職場環境の整備、上司・本人を含めた社員の意識向上に取り組むなど、女性管理職をはじめとした女性社員の活躍に向けた諸施策に取り組んでいます。また、その進捗は定期的に経営会議、取締役会へ報告を行っております。経営からの社内外へのメッセージ発信も積極的に行っており、2018年10月には「双日のイクボス宣言」を表明、多様な人材を活躍させ組織の成果に繋げる管理職を増やし、柔軟で生産性の高い働き方を推進しています。また、2020年3月には、女性活躍推進に優れた上場企業を表彰する「なでしこ銘柄」(経済産業省、東京証券取引所主催)に4年連続で選定されました。
●グローバル人材の採用及び育成
本社における採用において、外国人の新卒及びキャリア採用を進めております。また、海外事業会社では現地の優秀な経営者を雇用し、グローバルでの成長戦略を推進すべく活用するほか、海外グループ社員に対しては、幹部候補者の育成の一環として、東京本社での研修を継続実施しております。このほか、本社においては、入社5年以内に全員を海外に派遣する海外トレーニー制度や海外語学研修制度、MBA・LLMプログラムへの留学制度などグローバルな視点をもった人材に育成するための施策も積極的に行っております。なお、2019年度から本部の垣根を越えたトレーニー派遣制度を開始、所属本部の経験を活かして他本部の管轄拠点で経験を積むことにより、事業経験の幅出しにつなげられるよう全社をあげて取り組んでいます。
●年代を問わない人材の活用
年齢や勤続年数にとらわれず、役割に応じた処遇を徹底すると共に、早期登用も可能な人事制度を導入しており、個々人がモチベーション高く働くことの出来る環境整備を進めております。
また、シニア社員が自らの経験、知見及び人脈等を最大限活用し発揮できるよう、シニア社員の活躍を促す人事制度を導入しております。
●障害者雇用
本社での採用に加え、法に則した「特例子会社」を設けており、個々の障害特性に合わせた業務の細分化及び生活面を含めたフォロー体制を整備することで、知的・精神障害者にも適した就労環境を構築し、雇用の促進を図っております。2020年3月末時点では、法定雇用率2.2%を達成し、引き続き特例子会社と連携して法定雇用比率の充足はもとより、障害者の雇用促進を進めてまいります。
●場所や時間に捉われない柔軟な働き方を実現できる環境整備
働き方改革の一環として、2017年度よりコアタイムを設けないフレックス勤務制度(スーパーフレックス)を導入しています。続いて、2019年度においては、2018年度から行ってきた社内トライアルを経て2020年1月から正式にテレワーク勤務制度を導入し、自律的に働く多様な人材が柔軟に業務遂行できる環境を整えています。
3)株主との対話
当社は、経営方針や持続的な成長と中長期的な企業価値向上に向けた取り組みについて、適切な情報を適時に提供すると共に、分かり易い説明の継続的な実施、株主の意見の経営への報告・反映などを通じ、株主との間で建設的な対話を行うことを基本方針としております。
また、当社では株主・投資家をはじめとするステークホルダーへ公平かつ適切な情報開示を行うため、フェア・ディスクロージャー・ルールの趣旨を尊重し、社内規程として、インサイダー取引防止規程のほか、法令・規則の遵守、透明性、適時性、公平性、継続性、機密性を基本原則とする情報開示規程を定め、これらを遵守すると共に、各役職員への徹底を図っております。
●株主への情報提供
全ての株主に対して公正かつ平等に情報発信を行うことを基本とし、中期経営計画や決算内容については、取締役会での決議後速やかにTDnetや当社ウェブサイトにて公表しております。また、当社の事業活動やビジネスモデルについて理解を深めていただくべく、統合報告書の発行や、個人株主説明会/懇談会・事業説明会の実施及び当社ウェブサイトでの動画配信など、積極的な情報開示を行っております。
●株主総会における取り組み
定時株主総会開催日の約3週間前に招集通知などを発送することに加え、発送に先立ち、約4週間前に当社ウェブサイトにて英訳版と共に開示し、また、スマートフォン・タブレットに対応した形での開示も行っております。そのほかにも、集中日を回避した開催、インターネットを通じた議決権行使の仕組みの採用、国内外の機関投資家が活用できる「議決権電子行使プラットフォーム」への参加、株主総会の動画配信など、対話型株主総会を目指した積極的な取り組みを進めております。なお、2020年6月18日開催の株主総会については、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、株主の皆様の安全を第一とした株主総会といたします。
●株主との対話における体制及び取り組み
株主との対話は、取締役が主体となり専任組織であるIR室が補助する体制としております。
上記に加え、決算説明会には、証券アナリストにも参加いただいております。
福岡 個人株主懇談会(2020年1月)
社外取締役と機関投資家とのスモールミーティング(2019年11月)
大和インベスター・リレーションズ2019年インターネットIR最優秀賞 受賞