対処すべき課題

 わが国経済は、ポストコロナ社会への転換が進むなかで、各種政策の効果もあり、景気の持ち直しの動きが継続していくことが期待されますが、物価の上昇や供給面の制約などから、当面は非常に不透明な状況で推移すると考えられます。また、不動産業にとって、特に影響の大きい金融情勢の動きを引き続き注視していく必要があります。
 そのような状況のなか、当社グループは、「中期経営計画2025」における次のステージとして、顧客体験価値向上による収益増加・事業機会拡大、ビジネスモデル変革による事業価値の最大化に取り組んでまいります。そのためにも、グループの全体最適を意識しながら、DX等を用いてグループ内のバリューチェーンを再構築することで、当社グループの特長である幅広い事業ウイングを真の強みに変え、効率性と収益性の双方を追求してまいります。すでに、住宅事業では、製造・販売・管理の一体化に向け、バリューチェーンの見直しを開始しており、お客さま目線の情報が付加価値を生む、好循環の再構築に取り組んでおります。
 当社グループのDXビジョンでは、「Digital Fusion デジタルの力で、あらゆる境界を取り除く」を掲げており、本取り組みにおいても、事業・組織の垣根をこえた融合をめざしてまいります。

(ご参考)「広域渋谷圏の価値向上」

 グローバルな都市間競争が激化するなか、東京都心においても多数の大型再開発計画が予定されております。当社ではグループのホームグラウンドである渋谷エリアの価値向上に引き続き努めてまいります。
 100年に一度とも言われる再開発において、渋谷駅中心地区の都市基盤整備を完成させるための重要なプロジェクトである、「Shibuya Sakura Stage(渋谷サクラステージ)」の竣工によるエリア価値の向上や、国際競争力強化への貢献、さらには、広域渋谷圏におけるIoT技術を活用した新たな街づくりでスマートシティ化を推進し、広域渋谷圏構想を次のステージに進めてまいります。

広域渋谷圏の取り組みはこちら> https://www.tokyu-land.co.jp/urban/area/shibuya.html

 各事業セグメントの戦略としては、資産活用型ビジネスでは、環境の変化を注視しながら、事業機会拡大をめざしつつ、環境先進企業としてのプレゼンス向上をめざす取り組みを一層強化してまいります。都市開発事業における、大型案件の確実な稼働に向けた取り組み、戦略投資事業について、特に再生可能エネルギー事業における競争環境の激化に対応するため、新たなビジネスモデルの模索と新領域の検討に加え、投資の実行を推進してまいります。

 また、人財活用型ビジネスでは、DX活用による効率化によりビジネスモデルの変革を継続してまいります。管理運営事業においては、人財確保と更なる生産性向上を進めつつ、国内需要やインバウンド需要の回復を捉えていくとともに、エネルギーコストの上昇などを価格転嫁により吸収していくための取り組みを推進してまいります。不動産流通事業においては、市場環境の急激な変化に備え、他社との差別化を進め、情報活用力を強化することで事業機会拡大をめざしてまいります。成長を支える基盤としては、引き続き、「財務資本戦略」「人財・組織風土」「ガバナンス」を着実に強化してまいります。
 財務資本戦略については、事業ポートフォリオの見直しの取り組みや、再生可能エネルギーなど高効率事業の拡大を通じた稼ぐ力の強化により、「中期経営計画2025」に掲げるROA・ROE等各指標の目標達成に向け順調に進捗しております。引き続き、財務規律を維持しながら、稼ぐ力を高め、株主・投資家の皆さまに一層評価いただける企業グループをめざしてまいります。
 人財・組織風土については、3つの人財戦略「価値を創造する人づくり」「多様性と一体感のある組織づくり」「働きがいと働きやすさの向上」を推進するため、グループ人財会議やダイバーシティ推進会議、労務マネジメント会議をはじめとする、各種会議体の設置やモニタリング活動など、体制や仕組みを整備しております。
  今後とも、すべての従業員が「挑戦するDNA」と「社会に向き合う使命感」をもち、サステナブルな社会づくりと成長をめざしながら事業に邁進する企業グループとなるべく、女性活躍の推進にとどまらず、DX人財の育成や柔軟な働き方の支援など、様々な切り口で施策に取り組んでまいります。
 ガバナンスについては、取締役会の実効性評価の2021年度評価において、様々な領域での急速な変化が進むなか、新しい社会課題に対する見識をボードメンバーが共通して高める必要があるとの意見があったことから、2022年度の課題として取り組みました。具体的には「DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)」について役員研修を実施し、人的資本についての理解促進につなげたほか、当社グループのDX戦略の詳細や推進状況の報告などを通じて、共通認識を形成し、取締役会の議論の深化を図りました。これらの取り組みも含め、2022年度の取締役会の実効性評価においても、実効性が引き続き確保されていることが確認されました。

 当社グループは、「WE ARE GREEN」のスローガンのもと、独自性のある価値創造により、「誰もが自分らしく、いきいきと輝ける未来」の実現に向け、長期持続的な成長を成し遂げてまいる所存です。
 株主の皆さまにおかれましては、引き続き倍旧のご支援とご協力を賜りますようお願い申しあげます。

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2023/06/28 12:00:00 +0900
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