事業の経過及びその成果

(4)「中期経営計画2020」の総括

 当社は、2018年度から2020年度までの3か年を対象とする「中期経営計画2020」において、「新たな価値創造への飽くなき挑戦」をスローガンに掲げ、経営基盤の強化を図りながら、成長戦略を推進すべく、取り組んできました。初年度は、期初の計画を達成し、業績も過去最高益となりましたが、2019年度は、米中貿易摩擦による世界経済の低迷の影響等により期初の目標が未達となり、最終年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響や低採算事業の整理等に伴う多額の一過性損失により1,531億円の赤字に転落し、収益力において課題が残りました。

① 業績総括

(*)IFRS第16号「リース」適用による減価償却費の増加額を2019年度・2020年度実績から各年度500億円控除しています。

② 危機対応モードへの切り替えと構造改革の取組

 「中期経営計画2020」では、成長戦略として、「既存事業のバリューアップ」、「次世代新規ビジネス創出」、「プラットフォーム事業の連携深化」を目指しましたが、2019年度後半に発生した新型コロナウイルス感染症の拡大という未曽有の事態により、当社は、「中期経営計画2020」の最終年を、危機対応の一年として位置づけ、投融資の厳選、政策保有株式の売却、販管費の削減などの全社キャッシュ・フロー管理の厳格化を行い、また、低採算事業の整理の徹底、事業ポートフォリオの再構築のための既存事業のバリューアップの加速などの構造改革に取り組みました。さらにはサステナビリティ経営の高度化のための、重要社会課題と中長期目標の設定に取り組みました。

 2020年度の当社の事業ポートフォリオは、新型コロナウイルス感染症の拡大によるビジネス環境の激変により当社の弱みが顕在化したものではありますが、それ以前からも世界景気などの環境変化に大きな影響を受けるとともに、その下方耐性に課題があると考えています。まずは、不採算事業の整理、資産入替に徹底的に取り組むとともに、新たな投資の規律や管理の仕組みを作り、新規投資案件の着実な収益化を図ります。さらに、既存事業を変革し、収益力を強化すると同時に、新規コア事業の育成にも取り組むこととします。

 上記の構造改革の成果として、低採算事業については、その見極めを徹底的に行い、32社の事業会社から撤退を完了しました。また、約150社の事業会社についても、今後3か年で700億円の収益改善効果を見込める具体的なプランを策定しました。事業ポートフォリオの再構築に向けた、全ての事業戦略の評価も完了しており、今後はそれらをしっかりとレビューしながら、PDCAサイクルを着実に実行していきます。

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2021/06/22 11:00:00 +0900
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