当社は、創業以来の社是である『三綱領』を拠り所として「企業行動指針」に活動の目的やその在り方を定めるとともに、地球環境への配慮や人権の尊重を「環境憲章」「社会憲章」にうたい、これらに立脚した事業活動を推進しています。
『中期経営戦略2021』においても、事業を通じた「経済価値」「社会価値」「環境価値」の三価値同時実現が、事業経営モデルによる三菱商事グループの成長を実現する上での前提であるとの考えを改めて示しました。具体的には、事業を通じて「サステナビリティ重要課題」に対処・挑戦することで、社会に役立つ事業価値を追求し、財務面を含む持続可能な成長を確実なものにしていきます。
目標設定の詳細については、サステナビリティ・ウェブサイトをご覧ください。
当社が持続可能な成長を目指す上で「低炭素社会への移行」は、対処・挑戦すべき重要な課題の一つです。当社は、エネルギー需要の充足という使命を果たしながら、SDGsやパリ協定で示された国際的な目標達成への貢献を目指し、三菱商事グループ各社と連携の上、政府・企業・業界団体等の幅広いステークホルダーとの協働を通じて、これに取り組んでいます。
気候変動に伴う環境変化は中長期的に当社事業にも大きな影響を及ぼす可能性があります。当社は、将来の事業環境の変化に柔軟に対応できるポートフォリオを持ち、気候変動による事業機会を取り込み、また、リスクにも適切に対応していくことが重要であると考えています。その観点から、気候関連リスク・機会がもたらす事業、戦略及び財務計画への影響の分析(移行リスク・機会分析※1及び物理的リスク分析)を実施しています。シナリオ分析の結果も含め、当社による気候変動への対応については、気候関連財務情報タスクフォース(TCFD※2)の提言に則って、ステークホルダーの皆様にその内容を開示しています。
シナリオ分析の詳細については、サステナビリティ・ウェブサイトをご覧ください。
パリ協定の目標達成のため、排出されたCO2を回収・利用・貯蔵する取組であるCCS(Carbon Capture and Storage)及びCCU(Carbon Capture and Utilization)が期待されています。同取組はCO2を排出する産業と、CO2を資源と捉えてそれを有効活用する産業との間の協業が必要不可欠な事業分野であり、多様な産業分野で事業を行う当社の強みが活かせる事業機会の一つです。
「CO2-SUICOM」は、コンクリート製造時のCO2排出量を実質ゼロ以下にすることを世界で初めて実現した商業化済のコンクリートブロック製造技術※であり、当社は主に海外における同技術の事業化に取り組んでいます。また、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募委託事業として、鹿島建設(株)・中国電力(株)・当社の3社で生コンクリートや鉄筋コンクリート等、コンクリートブロック製品以外への「CO2-SUICOM」技術の適用を可能とする新たなCO2有効利用コンクリートの研究開発も推進しています。