1.議案の要領
不正融資により得た利益は全額放棄し、債務者への弁済に充てる旨および今後は不正融資の利益を受け取らない旨を定款に定める。不正融資による金利・手数料収入を開示し、関与した役職員に報酬・賞与の返還を求める。
2.提案の理由
当社は、2019年5月15日に公表した全件調査報告書において、シェアハウス以外の「改ざん・偽造等の不正が認められた案件」および「改ざん・偽造等の不正の疑いがある案件」が37,907件中6,927件と、全体の18%にのぼる極めて高い割合を占めていることを確認している。この事実は、不正融資から発生した債権に基づく金利収入が現在もなお搾取され続けていることを示している。
融資審査資料の改ざんを認識しつつも融資を継続した当社の責任は極めて重大である。この不正から生じた利益を引き続き保持することは、社会的正義に反するものであり、決して許容されるべきではない。よって、これらの利益を債務者への弁済に充当することとする。
さらに、不正融資から得た利益の総額を開示し、IR情報を通じて弁済計画を明示することと、不正の清算を定款に明文化し、経営の透明性を確保することによって、企業価値の向上を実現することができる。
【当社取締役会の意見】
反対:当社取締役会としては、以下の理由から本議案に 反対 いたします。
ご提案の「不正融資により得た利益」というのは、その定義が不明確であり、定款に規定する内容として適当ではないと考えます。また、当社は、債務者に対して不法行為責任が成立することが認定された場合は、適正な手続きを経て損害賠償金等の支払義務に応ずる考えですが、他方で、適正な手続きを経ていない損害賠償金等の支払いや債権の放棄は、株主共同の利益を害することとなるため、本議案のような定款変更は適当ではないと考えております。