第53期 定時株主総会招集ご通知 証券コード : 8593

対処すべき課題(経営方針、経営環境および対処すべき課題等)

① 経営の基本方針
 当社は、経営の基本方針である「経営理念」、「経営ビジョン」および「行動指針」を以下のとおり定めています。
 「経営理念」は、長期的な視点でめざす“ありたい姿”、「経営ビジョン」は、この“ありたい姿” を実現するためにめざすべきもの、「行動指針」は、経営理念・経営ビジョンを実現するために社員一人ひとりが持つべき価値観・心構え、取るべき行動です。

◎経営理念
わたしたちは、アセットの潜在力を最大限に引き出し社会価値を創出することで、持続可能で豊かな未来に貢献します。

◎経営ビジョン
・地球環境に配慮し、独自性と進取性のある事業を展開することで、社会的課題を解決します。
・世界各地の多様なステークホルダーとの価値共創を通じて、持続可能な成長をめざします。
・デジタル技術とデータの活用によりビジネスモデルを進化させ、企業価値の向上を図ります。
・社員一人ひとりが働きがいと誇りを持ち、自由闊達で魅力ある企業文化を醸成します。
・法令等を遵守し、健全な企業経営を実践することで、社会で信頼される企業をめざします。

◎行動指針
・チャレンジ:未来志向で、責任を持って挑戦する。
・デジタル:デジタルリテラシーを高め、変革を創り出す。
・コミュニケーション:対話を通じて相互理解を深め、社内外のステークホルダーと信頼関係を築く。
・ダイバーシティ:多様性を受容し、相互に尊重する。
・サステナビリティ:人・社会・地球と共生し、持続可能な世界を実現する。
・インテグリティ:高い倫理観を持ち、絶えず基本に立ち返る。

 当社は、当社グループが持続的に成長するうえで優先的に取り組むべきテーマとして、以下の6つのマテリアリティ(重要課題)を特定しています。
 近年における温暖化による気候変動、人口増加、都市化、資源不足といった地球規模のメガトレンドを背景に、私たちの生活や社会環境はグローバルに大きく変化しており、企業には、脱炭素社会の推進や循環型経済の構築など、多くの課題解決に向けた取り組みが求められています。
 当社グループにおいては、これらマテリアリティの重要性を認識したうえで、課題解決に向けた実効性のある経営、事業活動に取り組んでいきます。

② 中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題

(ⅰ)経営環境
 昨今の外部環境の変化は激しく、「地政学と経済」「気候変動」「テクノロジーの広がり」「人口動態」「富の格差」といった中長期的に内外経済の動向を左右する潮流、メガトレンドを認識する必要性が増しています。
 このような外部環境の変化の中で、当社グループに求められる役割は、従来型のリース・ファイナンスに加えて、事業投資・運営などを通じた社会的課題の解決へと変化しています。また、想像以上のスピードで産業レベルでのビジネスモデルチェンジが生じるとみられ、各企業が環境変化に適応していく上では、アセットに関する多様な機能を有し、金融機能にとどまらない柔軟なサービスを提供する当社グループの存在意義がさらに高まるものと考えています。
 このような状況を踏まえ、当社グループは、2023年度(2024年3月期)からの3年間を対象期間とする中期経営計画(2025中計)を策定、2023年5月に公表しました。

(ⅱ)当社グループの進むべき方向性と2025中計骨子
 当社グループは、10年後のありたい姿として「未踏の未来へ、ともに挑むイノベーター」を掲げました。これを実現するために、データ等、有形・無形のアセットの潜在価値を最大限に活用したサービスや事業経営などを推進することで、「ビジネスモデルの進化・積層化」を進めています。
 その推進においては、環境・社会・経済的課題の解決を通じた持続的な成長とともに、成長性・資本収益性・財務健全性の3つのバランスをとり、バランスシートの最適化を実現することで、中長期的な企業価値の向上をめざします。
 2025中計は、「10年後のありたい姿」にむけた、3次(「ホップ」・「ステップ」・「ジャンプ」)にわたる中期経営計画における「ホップ」として位置づけ、「ステップ」・「ジャンプ」に向けた飛躍につながる「種まき」と「足場固め」をキーワードに取り組んでいきます。

10年後のありたい姿
 「10年後のありたい姿」は「未踏の未来へ、ともに挑むイノベーター」です。これには以下の想いを込めています。

・経営理念の実現のため、前例に捉われることなく未来へ挑む「イノベーター(誰も踏み入れたことのない領域を切り拓き、革新していく存在)」であり続ける。
・グローバルな産業構造の変化、デジタル化の加速、サステナビリティの重要性の高まりなど、社会や事業環境の変化を先取りし、お客さま・パートナーとともにSX(サステナビリティトランスフォーメーション)やDX(デジタルトランスフォーメーション)などの取り組みを通じた三菱HCキャピタルにしかできない社会的課題の解決に挑戦し続ける。

(ⅲ)事業戦略
ビジネス類型
 当社グループのビジネスを以下の5つに分類しており、事業ポートフォリオ変革を実現するために「ビジネスモデルの進化・積層化」を進めます。

「ビジネスモデルの進化・積層化」のイメージ
 「ビジネスモデルの進化・積層化」は、「既存ビジネスの収益力強化と効率化」、「既存ビジネスから高付加価値サービスへのシフト」、「新事業の開発」を同時に行うことにより進めます。

・既存ビジネスの収益力強化と効率化
 (a)カスタマーファイナンス、(b)アセットファイナンスは、強固な顧客基盤からの安定的キャッシュ・フローを創出する収益基盤の位置づけです。一方で、リターンは相対的に低い資産もあるため、収益力を強化していくとともに、低収益資産の圧縮等も着実に進めていきます。

・既存ビジネスから高付加価値サービスへのシフト
 (a)カスタマーファイナンス、(b)アセットファイナンスの顧客基盤を維持・拡大のうえ、これらの既存ビジネスを(c)ファイナンス+サービス、(d)データ活用プラットフォームサービスといった高付加価値サービスにシフトし、顧客への提供価値を向上させ、リターンを高めていきます。

・新事業の開発
 (d)データ活用プラットフォームサービス、(e)アセット活用事業のような「新事業の開発」を進めていき、(c)ファイナンス+サービスとともに中長期的な利益成長の柱とすべく注力していきます。

事業戦略の前提
 利益成長は、「ビジネスモデルの進化・積層化」を通じて、事業ポートフォリオやアセットの質を中長期的に転換していくことにより実現します。そのためにも、配当後のキャッシュ・フローは中長期的視点で積極的に投資していきます。
 その取り組みを下支えするため、バランスシートを最適化することで中長期的な資本収益性と財務健全性を両立し、企業価値を最大化していきます。

組織横断重要テーマ
 組織横断的に当社グループの総力を挙げて取り組んでいくテーマを以下のとおり設定しています。
 各テーマは、当社グループだけではなく、パートナー企業とともに社会的課題の解決を通じて社会価値を創造し、持続可能で豊かな未来に貢献していく、当社のありたい姿につながるものとしています。

(ⅳ)経営基盤強化戦略
 以下の4つの戦略を中心に経営基盤を強化しています。

※Asset Liability Management:資産、負債の総合的な管理

(ⅴ)変革を促す仕組み
 変革の実現に向けて障害となるものを取り除き、変革に向けた意識改革を実施します。
 従来の延長線ではない新たな視点で各種施策においてスピード感を持って推進します。

(ⅵ)優先して対処すべき事業上の課題
 当社グループは、「10年後のありたい姿」の実現のために、データ等、有形・無形のアセットの潜在価値を最大限に活用したサービスや事業経営などを推進することで、「ビジネスモデルの進化・積層化」を進めています。
 この「ビジネスモデルの進化・積層化」を進めていくには、社員一人ひとりの意識改革が必要だと考えています。そのための仕掛けとして、前項の「変革を促す仕組み」を構築します。「変革を促す仕組み」として、「変革の土壌を整える」、「変革を生み出す」、「変革を推進する」の3つの切り口から打ち手を実施し、従来の延長線ではない新たな視点で各種施策を実行しています。
 また、2025中計は、「10年後のありたい姿」にむけた3次(「ホップ」・「ステップ」・「ジャンプ」)にわたる中期経営計画における「ホップ」としての位置づけであり、変革に向けた社員の意識改革をはじめとした「ステップ」・「ジャンプ」の飛躍につなげるための「種まき」と「足場固め」に資する戦略に取り組んでいます。

③ 目標とする経営指標
 2025中計の対象期間である2023年度から2025年度(2024年3月期から2026年3月期)において、以下の財務目標および非財務目標の達成をめざします。

〈財務目標〉

(注)

ROAおよびROEの算定においては、親会社株主に帰属する当期純利益を使用しています。

※当社単独ベースの信用力評価

〈非財務目標〉

※Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
 Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用にともなう間接排出
 Scope3:Scope1、Scope2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)

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2024/06/25 12:00:00 +0900
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