ボードメンバーが語る

全社総力戦で、「野菜の会社」に

いよいよ本格的な「野菜の会社」実現に向かって、商品の基本となる野菜原料から、野菜価値に着目した健康サービス事業まで、全社をあげて取り組んでまいります。

「モノ」と「コト」の循環が野菜の会社をつくる


「自然を、おいしく、楽しく」というブランドステートメントの「楽しく」の価値は、これからの課題です。「食べる(商品)」のみならず「どう食べる?」などのソフト提案ができる会社になっていかなくてはなりません。カゴメ単独ではなく、いろいろな企業とコラボレーションすることで、食の未来を具体的にご提案していきたいのです。
カゴメは創業120周年を迎えました。1899年以来カゴメには、原材料は生産者と手を携えて自らがつくる、というDNAがあります。これを地球規模まで広げて考えれば、将来の食の不安を払拭できる可能性があり、カゴメならではのコト・ビジネスになります。畑からのモノづくり、商品化する知恵、販売する営業パーソンの情熱、最終的にはお客さまの健康につながる提案…こうして俯瞰してみると、コトからモノを生み、またモノをコトの価値に変換させる循環のなかで、カゴメはビジネスを紡いでいる、ともいえます。いろいろなパートナーと手をつなぎ、ともに知恵を出し合い、カゴメの多様なモノ・コトを活かして、大胆に「野菜の会社」の構えをつくっていきたいと思います。


未だ活用されていない野菜は宝の山


この1年、野菜の加工事業の可能性をさぐるプロジェクトを進めてきました。世界各地の野菜加工食品会社を訪ね、その技術の多彩さ、小さくてもキラッと光る技術があることに驚かされました。野菜の産地にも足を運び、思いがけない食ベ方があることにも目を開かれた思いです。野菜の根の先から葉の先まで、ピューレーや紛体にすれば、まったく新しい活用方法がある。日本全体で、1/3ぐらいの野菜は活用されていない、これを加工すれば、新たなビジネスが生まれると確信を持ちました。海外では、そうした新しい野菜素材を活かした料理が生まれるなど、日本よりも先行して新たな需要が生まれていると痛感しました。市場に出て来ない野菜、これこそ宝の山です。それを加工する技術を持った企業とコラボし、カゴメが販路を拡大し、野菜の価値を伝える伝道師の役割を担う…生産者も、野菜加工業者も、そして、健康を願う生活者も、すべてに価値あるビジネスです。そうした価値の循環が整えられたとき、カゴメは真に「野菜の会社」になれるのだと思います。2019年からは、第二次中期経営計画推進のため、利益獲得力の強化を目的とした全社プロジェクトを牽引すると共に、2025年カゴメのありたい姿の実現をめざして、カゴメの技術開発戦略を具体化していきます。


業務の枠を取り払い、幅広い食シーンに提案を!


昨年10月から営業本部長に就任し、家庭用・業務用・農事業の枠をはずして営業の一体化を進めてきました。それぞれの枠にとらわれた商品提案から抜け出し、お客様のニーズに沿った幅広い商品提案が可能になりました。特に、スーパーや、外食チェーン、惣菜店などに向けた野菜のメニュー提案では、すでにいくつもの商談が進んでいます。また、主力の飲料事業に関しては、もっと植物性素材の範疇を拡げて商品化を考えていきたいと思います。カゴメらしい価値としては、独自の野菜だしを活かしたスープなど、食事と飲料が交わる領域での商品展開も視野に入れています。「ニッポンの野菜不足をゼロにする」というテーマを掲げて営業活動を進めますが、営業パーソンの一人ひとりが野菜を語れるようになり始めたことは心強い変化です。生鮮トマト・野菜、野菜加工原料、冷凍野菜、そして飲料・調味料まで、多彩で幅広い商品を持っているのも、カゴメの強み。多様な食の場面への提案にチャレンジしていく覚悟ですが、そのためにはまず収益力を高めること。挑戦の原資を確保しながら、多彩な業態とコラボしつつ販路を広げてまいります。


野菜に関する課題にカゴメらしい解決策を!


昨年10月に、「野菜事業本部」が新設されました。「野菜の会社に」、その具現化の役割を担って、新しい野菜の商品開発に、日々奮闘しています。ひと口に野菜といっても葉菜、根菜、果菜…とじつに多彩です。洗う、皮をむく、種を取る…それぞれに加工技術が違います。これが、ビジネスの面白さであり、難しさでもあるのですが、今は一日でも早く、お客さまに喜んでいただける商品をお届けしたいと、日本全国の生産者や野菜加工メーカーの技術者と熱心な議論を重ねています。生産者が減少しつつある産地で栽培からサポートすれば、地域に埋もれている希少野菜を全国に広めて、新たな産地を形成することにつながります。また人手不足をサポートできる業務用の野菜加工品を、多くの中食・外食市場に提供することも、産地を拡大することにつながります。あまり一般の方はご存知ないかもしれませんが、カゴメには、業務用で培った野菜加工技術の基盤が結構あるのです。カゴメがハブとなって、野菜に関するソリューションを何でもお手伝いできる、そんな会社になったとき、カゴメは「野菜の会社」になったと胸を張っていえるでしょう。


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2019/03/27 12:00:00 +0900
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