社外取締役・監査等委員である取締役からの提言

「野菜の会社」として、カゴメができること、すべきこと。
野菜の特性を研究し、それらを活かす商品づくりを


カゴメは新体制の下で、単に事業活動によって社会課題の解決に資するだけでなく、社内の働き方の改革や多様性向上など、今の日本が求めている会社のあり方に敏感に対応しています。その意味で「トマトの会社から、野菜の会社」になることは、適切な判断だと思います。その道を着実に進むためには、扱う個別の野菜の特性に関する研究と、それらを融合した新製品の開発、さらに天候不順へのレジリエンスを強化することが重要だと思います。


危機感とスピード感を持って不退転の決意でやり抜く!


第二の創業と位置づけ、社会が直面する課題の解決に取り組むことが重要。健康寿命の延伸、農業の生産性向上、地方創生は日本のナショナル・アジェンダでもあります。競争を勝ち抜くためには、安心・安全に加え、先進情報技術を活用したスマート農業、スマートサプライチェーンにより、オンリーワンを実現し、危機感、スピード感を持って不退転の決意でやり抜く、全社員が野菜の会社になる真の意味を理解し自分ごとにすることが重要です。


業務用商品の多彩さ!既に「野菜の会社」になっています


カゴメは、一般消費者にトマト関連商品を多く提供しているため「トマトの会社」と思われがちですが、業務用には多種類の野菜を、様々に加工した商品を提供しており、すでに「野菜の会社」といえる状況です。今後、「野菜の会社」としてさらに発展していくためには、業務用商品を一般消費者の生活に役立つ形で提供する一方で、野菜の栄養素等を活かして提供するための研究・技術開発、商品の安定供給体制などの推進が望まれます。


野菜の栄養や機能性価値の研究も大事


野菜の会社として、人々の健康寿命の延伸に資するためには、野菜をもっと摂っていただける価値開発、これを実現するエンジニアリング、そして生体や栄養に関する基礎研究の充実が大切だと思います。もちろんカゴメ自身も会社として健康であることが重要です。企業理念や長期ビジョンに基づいて健やかな経営体制を維持発展するためには、ガバナンスの拡充と高度化が欠かせません。


野菜を摂るカタチをもっと多彩に!


野菜をしっかり食生活にとりいれることで、身体の代謝がよくなり免疫力もアップするといわれており、ダイエットにも嬉しい効果があります。一方、食生活は「野菜は食べたいが毎日料理はしたくない」に変わりつつあります。これは日本だけでなく世界的傾向です。今の技術があれば栄養価が削がれていない乾燥野菜をつくることも可能です。カゴメは生鮮野菜の提供のみならず乾燥野菜の提供にも力をいれるべき時期が来ていると考えます。


「野菜の会社」の提供価値を、もっと伝える必要がある


カゴメは創業120周年を迎えます。1世紀以上にわたってトマトの会社として親しまれてきたカゴメが、野菜の会社に生まれ変わるのは容易なことではありません。なぜ野菜の会社に生まれ変わりたいのか、生まれ変わることによって社会にどのような価値を提供したいと考えているのか、経営陣及び従業員が真摯に地道な努力を積み重ねて社会に伝達する必要があります。「カゴメ野菜生活ファーム富士見」は、その嚆矢となるものと考えています。

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2019/03/27 12:00:00 +0900
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