1.議案の要領
当社の社外取締役を過半数とするため、当社の定款第20条に下記の文言を追加する。
上場企業であり続ける限り、当会社の取締役の過半数は、会社法第2条第1項第15号に規定する社外取締役とする。
2.提案の理由
弊社は今日の上場企業経営において取締役会の多様性と独立性が不可欠であると考えます。多様性ある取締役会とはスキル、経験、年齢、国籍、ジェンダーなど幅広い視点から経営判断ができる取締役会を意味し、独立性のある取締役会とは少なくとも過半が独立社外取締役から構成されている取締役会を意味します。
当社においては、売上高1兆円を超える事業規模の自動車セグメントにおいて筆頭株主であるトヨタ自動車が主要顧客であり、かつトヨタ自動車出身者が代表取締役会長という職責を担っています。当社の状況は一般論として大株主と外部少数株主の利益相反を生じやすい状況と言え、そのようなリスク・懸念を払しょくするために、一般の上場企業以上に高い利益相反防止体制を確立することが望ましいと考えます。
3.当社取締役会の意見
当社取締役会は、本株主提案に反対いたします。
反対の理由
当社は、取締役の選任に関する客観性と透明性を一層確保することを目的に、委員長と委員の過半数が独立社外取締役で構成される「役員人事・報酬委員会」を設置しています。同委員会における役員人事に関しては、経営陣幹部の選解任、取締役・監査役候補の指名について、意見の交換および内容の確認を行った上で、取締役会へ上程しております。経営陣幹部選任(解任を含む)、取締役候補指名については、的確かつ迅速な意思決定、適切なリスク管理、業務執行の監督および会社の各機能と各事業部門をカバーできるバランスを考慮し、適材適所の観点より総合的に検討しております。
独立社外取締役を除く取締役候補者4名はいずれも当社事業に精通しており、それぞれ業界の知見(産業車両・物流/自動車/繊維機械)/技術開発・生産/ IT デジタル/財務会計/法務リスクマネジメント/ESG 等の知識・経験を持ち、多様な専門性を有しております。
本株主総会において当社が提案する取締役会の構成は、当社取締役会の多様性・独立性の確保、監督機能及び経営方針策定機能の強化のため、取締役全7名、内3名が女性を含む独立社外取締役となっております。また、独立社外取締役の選任にあたっては、法規制上の要件に加え、会社経営等における豊富な経験と高い識見も重視し、上場証券取引所の定める独立役員の資格を充たしており、一般株主と利益相反の生じるおそれのない者を、独立役員に指定しております。
以上のとおり、当社が上程する取締役候補者から構成される取締役会は、中長期的な企業価値の向上に向けた経営の執行を監督するにあたり十分な多様性・独立性を有する最適な構成と考えております。当社の現状の取締役会の構成や運用により、企業価値の持続的な向上、すなわち株主の皆様の利益につながるものと考えております。
一方、本株主提案のような規定を定款に設けることは、却って、取締役候補者の選択範囲を制限し、将来の時々において最適な取締役会を検討、構成するうえでの妨げとなる可能性もあると考えます。
したがいまして、当社取締役会としては本株主提案に反対いたします。
なお、当社取締役会は、本株主提案には反対いたしますが、中長期的な企業価値の向上に向け、お客様、取引先様、株主・投資家の皆様をはじめ、すべてのステークホルダーの皆様の利益に資する、多様性・独立性を有する取締役会構成につき、継続的に検討してまいります。
<ご参考>候補者選任後の取締役・監査役が有する経験・専門性
※本招集ご通知16ページご参照