事業の経過およびその成果

フォークリフト用エンジン認証での法規違反について
 当社は、北米向けガソリンエンジンの2021年用年次認証申請に際し、米国環境当局からのデータ確認や問い合わせ対応を行うなかで、申請済のデータに懸念を持ちました。このため、外部弁護⼠による自主的な調査を開始し、調査を進めるなかで、自主調査範囲を国内(日本)のエンジン認証まで拡大したところ、国内市場向けフォークリフト用エンジンについて、経年劣化による排出ガス国内規制値の超過と、排出ガス国内認証に関する法規違反の可能性を確認しました。
 このため、2023年3月17日、ディーゼルエンジン2機種とガソリンエンジン1機種の計3機種を搭載するフォークリフトなどの出荷停止を決定し、国土交通省、環境省、経済産業省に報告いたしました。このうち、ディーゼルエンジン2機種およびそれを搭載するフォークリフトにつきましては、2023年4月26日に国土交通省より型式の指定・認定取消しの行政処分を受けました。

事業の経過およびその成果
 当期の経済情勢を概観しますと、世界経済は、新型コロナウイルス感染拡大防止のための活動制限の緩和などにより回復がみられたものの、ウクライナ情勢の影響による原材料、エネルギー価格の高騰を発端とした世界的なインフレ進行、各国の政策金利の引上げに伴う景気後退懸念の高まりなど、先行き不透明感が高まりました。また、日本経済は、急速な円安に伴う物価高騰などの影響により回復は緩やかなものとなりました。このような情勢のなかで、当社グループは、自動車の電動化、物流の自動化といったお客様のニーズや各市場の動きに的確に対応して、販売の拡大に努めてまいりました。
 その結果、当期の売上高につきましては、前期を6,747億円(25%)上回る3兆3,798億円となりました。
 利益につきましては、原材料の値上がり、人件費の増加、物流費の増加などがありましたものの、売上の増加、為替変動による影響、グループ挙げての原価改善活動の推進などにより、営業利益は前期を109億円(7%)上回る1,699億円、税引前利益は前期を168億円(7%)上回る2,629億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期を125億円(7%)上回る1,928億円となりました。
 部門ごとの経営成績は次のとおりであります。

〔自動車部門〕
 自動車におきましては、市場は日本では前期並みとなったものの、中国や北米が牽引し、世界全体で拡大しました。こうしたなかで、当部門の売上高は前期を1,650億円(21%)上回る9,578億円となりました。営業利益は前期を16億円(5%)上回る346億円となりました。
 このうち車両につきましては、トヨタ「RAV4」が国内向けは増加したものの、海外向けが減少したことにより、売上高は前期並みの831億円となりました。エンジンにつきましては、主にガソリンエンジンが増加したことにより、売上高は前期を548億円(20%)上回る3,224億円となりました。カーエアコン用コンプレッサーにつきましては、北米や欧州で増加したことにより、売上高は前期を736億円(21%)上回る4,297億円となりました。電子機器ほかにつきましては、電池やDC-DCコンバーターなどが増加したことにより、売上高は前期を370億円(43%)上回る1,225億円となりました。

〔産業車両部門〕
 産業車両におきましては、市場は欧州などで低迷し、世界全体で縮小しました。そのなかで、主力のフォークリフトトラックが主に北米で増加したことにより、売上高は前期を4,944億円(28%)上回る2兆2,838億円となりました。営業利益は前期を82億円(7%)上回る1,218億円となりました。

〔繊維機械部門〕
 繊維機械におきましては、市場は主力の中国を含むアジアで堅調に推移しました。こうしたなかで、紡機や繊維品質検査機器が増加したことにより、売上高は前期を151億円(22%)上回る843億円となりました。営業利益は前期を23億円(41%)上回る78億円となりました。

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2023/06/09 12:00:00 +0900
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