当社の取締役の報酬は、「基本報酬」、「短期業績連動報酬(賞与)」および「中長期業績連動報酬(株式報酬)」により構成されています。
このうち「中長期業績連動報酬(株式報酬)」については、2017年6月22日開催の第80期定時株主総会において業績連動型株式報酬制度(以下「本制度」という。)をご承認いただき、2021年6月24日開催の第84期定時株主総会における一部改定のご承認を経て現在に至っておりますが、本議案は、本制度について、持続的な企業価値向上への貢献意欲をさらに高めることを目的として、一部改定のうえ継続することにつき、ご承認をお願いするものです。
なお、当社では、取締役の報酬決定についての基本方針および決定の方法について、「招集ご通知(当社ウェブサイト等にて電子提供措置)」B-24ページからB-26ページに記載の通り取り組んでまいりましたが、本議案が承認可決されることを条件として、A-38ページに記載の通り取締役報酬の方針を改定する予定です。
[1]提案の理由および当該報酬を相当とする理由
当社の取締役(社外取締役を除く。) を対象とした本制度は、取締役の報酬と当社の株式価値との連動性をより明確にし、中期経営計画における業績目標達成の意欲を高めることおよび取締役による自社株保有の促進を通じて持続的な企業価値(株式価値)向上への貢献意欲を高めることを目的として2017年6月22日開催の第80期定時株主総会におけるご承認を得て導入し、2021年6月24日開催の第84期定時株主総会において本制度の継続および一部改定をご承認いただき、現在に至っています。
継続後の本制度が対象としておりました2021年度から2024年度までの4ヵ年が終了したことから、2事業年度を本制度の対象期間(以下「対象期間」という。今回の対象期間は2025年度から2026年度までの2ヵ年。)として継続したうえで、本制度の交付対象者に当社社外取締役を追加することおよび業績達成条件の内容等を一部改定することとさせていただきたく存じます。ただし、社外取締役については、その期待する役割に鑑み非業績連動部分のみ付与することとします。
本改定は、企業価値の中長期的・持続的な向上の促進により株主の皆さまとの利益を共有するとともに、当社グループの持続的な発展を目指した経営戦略上の目標達成を動機付けるものであり、また、社外取締役を委員長とし、委員の過半数を社外取締役で構成する報酬諮問委員会における審議を経ており、相当であると判断しております。
本制度の対象となる当社の取締役の員数は、第3号議案「取締役8名選任の件」が原案通り承認可決されますと8名(うち、社外取締役3名)となります。
【ご参考】
<取締役報酬体系図>
※上記の図は、各報酬の割合を示すものではありません。
[2] 本制度における報酬の額および内容等
(1)本制度の改定内容
本制度の継続にあたり、本株主総会において承認を得ることを条件として、従前の制度から以下の点を改定させていただきたく存じます。以下に記載する内容を除き、2017年6月22日開催の第80期定時株主総会および2021年6月24日開催の第84期定時株主総会においてご承認いただいた内容から変更ありません。
<本制度の改定内容>
(2)本制度の概要
本制度は、当社が拠出する取締役の報酬額を原資として、信託が当社株式を取得し、当該信託を通じて取締役に当社株式および当社株式の換価処分金相当額の金銭(以下「当社株式等」という。)の交付および給付(以下「交付等」という。)を行う株式報酬制度です。(詳細は下記(3)以降の通り。)
なお、本制度は、「業績連動部分」と「非業績連動部分」から構成されます。「業績連動部分」は対象期間の業績目標達成に向けた取締役の動機づけおよび中長期の業績と取締役報酬の連動強化を、「非業績連動部分」は取締役の株式保有を通じた株主との利害共有の強化を目的とし、「業績連動部分」と「非業績連動部分」の構成割合は、それぞれ60%と40%とします。ただし、社外取締役については、非業績連動部分を100%とします。
(3)当社が拠出する金員の上限
本制度の今回の対象期間は、2025年度から2026年度までの2事業年度とします。
当社は、対象期間において、8億円に当該対象期間の年数を乗じた金額(今回の対象期間である2事業年度に対しては16億円)の信託金を拠出し、受益者要件を充足する取締役を受益者として対象期間に相当する期間の信託(以下「本信託」という。)を設定(「設定」には既存信託の信託期間を延長して継続利用することを含む。以下、本議案について同じ。)します。本信託は、信託管理人の指図に従い、信託された金員を原資として当社株式を株式市場から一括して取得します。当社は、対象期間中、取締役に対するポイント(下記(5)の通り。)の付与を行い、あらかじめ定められた一定の時期に付与されたポイント数に相当する当社株式等の交付等を本信託から行います。
なお、本信託の信託期間の満了時において、新たな本信託の設定に代えて信託契約の変更および追加信託を行うことにより、本信託を継続することがあります。その場合、当初の信託期間と同一期間だけ本信託の信託期間を延長し、信託期間の延長以降の2事業年度を対象期間とします。当社は、延長された信託期間ごとに、8億円(うち、社外取締役0.3億円)に当該新たな対象期間の年数を乗じた額の範囲内で追加拠出を行う予定です。ただし、かかる追加拠出を行う場合において、延長する前の信託期間の末日に信託財産内に残存する当社株式(取締役に付与されたポイントに相当する当社株式等で交付等が未了であるものを除く。)および金銭(以下「残存株式等」という。)があるときは、残存株式等の金額と当社が追加拠出する信託金の合計額は、8億円(うち、社外取締役0.3億円)に当該新たな対象期間の年数を乗じた額の範囲内とします。
また、各本信託の信託期間の満了時で信託契約の変更および追加信託を行わない場合に、受益者要件を満たす可能性のある取締役が在任している場合には、それ以降、取締役に対するポイントの付与は行われませんが、当該取締役が退任し、当該取締役に対する当社株式等の交付等が完了するまで、本信託の信託期間を延長させることがあります。
(4)取締役に対して交付等が行われる当社株式等の数の算定方法および上限
取締役に対して交付等が行われる当社株式等の数は、以下のポイント算定式に従って算出されるポイントの数に応じ、1ポイントにつき当社株式1株として決定します。なお、本信託に属する当社株式が株式の分割、株式の無償割当てまたは株式の併合等によって増加または減少した場合は、当社は、その増加または減少の割合に応じて、1ポイント当たりに交付等が行われる当社株式等の数を調整します。
(ポイントの算定式)
①業績連動部分
役位ごとに予め定められた基準報酬額を本信託が当社株式を取得したときの株価で除して算定したポイント(以下「基準ポイント」という。)を基準に、以下の算定式で算出する単年度ポイントを、対象期間中の各事業年度末日に在任している取締役(社外取締役を除く。)に対して付与していきます。対象期間終了後に、取締役(社外取締役を除く。)に対して付与した単年度ポイントを累計し、この累計値に対象期間の業績目標の達成度等に応じた業績連動係数を乗じて、業績連動ポイント数を算出します。
※1 業績連動係数は、対象期間の業績目標等の達成状況に応じて一定の範囲で変動します。業績目標等の達成状況を評価する指標は、相対TSRおよびサステナビリティ指標です。
※2 対象期間終了前に取締役(社外取締役除く。)が死亡した場合(任期満了等により退任した後、対象期間終了前に死亡した場合を含む。)には、当該時点で単年度ポイントを累計し、業績連動係数は100%として、業績連動ポイントを算出します。
②非業績連動部分
基準ポイントを基準に、以下の算定式で算出する非業績連動ポイントを、対象期間中の各事業年度末日に在任している取締役に対して付与し、累計加算していきます(以下「累計非業績連動ポイント」という。)。なお、社外取締役は基準ポイントの100%を非業績連動部分として付与します。
本信託の信託期間中に取締役に対して付与されるポイント数の上限は、267,000ポイント(うち、社外取締役10,000ポイント)に対象期間の年数を乗じたポイント数とし、本信託の信託期間中に取締役が本信託から交付等を受けることができる当社株式等の数の上限は、当該上限ポイント数に相当する株式数とします(以下「上限交付株式数」という。)。そのため、今回の対象期間中に対応する上限交付株式数は、534,000株(うち、社外取締役20,000株、1ポイントにつき当社株式1株の場合)となります。上限交付株式数は、上記(2)の当社が拠出する金員の上限を踏まえて、株価の推移を参考に設定しています。なお、上記(2)により本信託の継続が行われた場合、延長された信託期間における上限交付株式数は、267,000ポイント(うち、社外取締役10,000ポイント)に新たな対象期間の年数を乗じたポイント数に相当する株式数とします。
(5)取締役に対する株式交付等の時期および方法
①業績連動部分
業績連動部分に係る当社株式等の交付等の時期は、取締役(社外取締役を除く。)の退任後となります。
受益者要件を充足した取締役(社外取締役を除く。)は、業績連動ポイント数の50%に相当する当社株式(単元未満株式については切り捨て)の交付を受け、残りの業績連動ポイント数に相当する当社株式については、本信託内で換価したうえで、その換価処分金相当額の金銭の給付を受けるものとします。
なお、対象期間終了前に取締役(社外取締役を除く。)が死亡した場合(任期満了等により退任した後、対象期間終了前に死亡した場合を含む。)には、当該時点で業績連動ポイント数に相当する当社株式について、本信託内で換価したうえで、当該取締役の相続人が、その換価処分金相当額の金銭の給付を受けるものとします。
また、取締役(社外取締役を除く。)が日本株式を取り扱う証券口座を有しない場合には、業績連動ポイント数に相当する当社株式について、本信託内で換価したうえで、その換価処分金相当額の金銭の給付を受けるものとします。
②非業績連動部分
非業績連動部分に係る当社株式等の交付等の時期は取締役の退任後となります。
受益者要件を充足した取締役は、退任時までに付与された累計非業績連動ポイント数の50%に相当する当社株式(単元未満株式については切り捨て)の交付を受け、残りの累計非業績連動ポイント数に相当する当社株式については、本信託内で換価したうえで、その換価処分金相当額の金銭の給付を受けるものとします。
なお、取締役が在任中に死亡した場合には、取締役の死亡時までの累計非業績連動ポイント数に相当する当社株式について、本信託内で換価したうえで、当該取締役の相続人が、その換価処分金相当額の金銭の給付を受けるものとします。
また、取締役が日本株式を取り扱う証券口座を有しない場合には、累計非業績連動ポイント数に相当する当社株式について、本信託内で換価したうえで、その換価処分金相当額の金銭の給付を受けるものとします。
(6)本信託内の当社株式に関する議決権
本信託内にある当社株式については、経営への中立性を確保するため、信託期間中、議決権は行使されないものとします。
(7)本信託内の当社株式の剰余金配当の取扱い
本信託内の当社株式に係る剰余金配当は、本信託が受領した後、本信託の信託報酬・信託費用に充てられるほか、対象期間中の各配当基準日における取締役の累計の株式交付ポイント数に応じて、1ポイント当たり1株の配当額に相当する金額を留保し、上記(5)により交付等が行われる当社株式等とともに取締役に給付されます。最終的に信託が終了する段階で残余が生じた場合には、取締役に対して給付された後に、当社と利害関係のない団体への寄付を行う予定です。
(8)その他の本制度の内容
本制度に関するその他の内容については、本信託の設定、信託契約の変更および本信託への追加拠出の都度、取締役会において定めます。
【ご参考】
本議案にかかる取締役報酬の方針
当社は、本議案が本総会で承認されることを条件として、以下の通り取締役報酬の方針を改定する決議をしております。なお、本方針の改定については、報酬諮問委員会における審議を経て、取締役会の決議により決定いたしました。
❶ 基本方針
・ 企業理念を実践する優秀な人材を取締役として登用できる報酬とする。
・ 持続的な企業価値の向上を動機づける報酬体系とする。
・ 株主をはじめとするステークホルダーに対して説明責任を果たせる、「透明性」「公正性」「合理性」の高い報酬体系とする。
❷ 報酬構成
・ 取締役の報酬は、固定報酬である基本報酬と、業績に応じて変動する業績連動報酬で構成する。
・ 基本報酬に対する業績連動報酬の報酬構成比率は、役割に応じて決定する。
・ 社外取締役の報酬は、その役割と独立性の観点から、基本報酬と業績に連動しない株式報酬で構成する。
❸ 基本報酬
・ 基本報酬額は、外部専門機関の調査に基づく他社水準を考慮し役割に応じて決定し毎月支給する。
❹ 業績連動報酬
・ 短期業績連動報酬として、単年度の業績や目標達成度に連動する賞与を事業年度終了後に一括支給する。・ 中長期業績連動報酬として、企業価値(株式価値)の向上に連動する株式報酬を支給する。
株式報酬については退任後に支給する。
・ 短期業績連動報酬および中長期業績連動報酬の基準額は、役割に応じて定める報酬構成比率により決定する。
❺ 報酬ガバナンス
・ 報酬構成および報酬構成比率、基本報酬の水準ならびに業績連動報酬の業績指標および評価方法は、報酬諮問委員会の審議、答申を踏まえ決定する。
・ 各取締役の報酬の額は、報酬諮問委員会の審議、答申を踏まえ、取締役会の決議により決定する。
【ご参考】
本議案が原案通り承認可決された場合における2025年度から2026年度を対象とする中長期業績連動報酬(株式報酬)の指標は、以下の通りです。
* 対象期間における当社のTSR(株主総利回り)と配当込みTOPIXの増減率を比較した指標(相対TSR = TSR ÷ 配当込みTOPIX増減率)
以 上