全般的概況
当期における当社グループの業績は、前期比で、増収増益となりました。売上高は、制御機器事業において生成AI関連などで堅調に推移する需要を着実に捉えたことに加え、他の事業も順調に推移したことで、前期比で増加しました。
営業利益は、原材料価格の高騰、物流コストの上昇、米国関税政策の影響などにより売上総利益率が低下しましたが、売上拡大に加え、2025年11月7日に発表した2030年度までの中期ロードマップ「SF 2nd Stage」の実現に向けた成長投資を行いつつ、業績状況に応じた固定費コントロールを行った結果、前期比で増加しました。
当社株主に帰属する当期純利益は、人員数・能力の最適化に伴う一時的費用を計上した前期に比べ、大きく増加しました。

電子部品事業は、当期におけるThe Carlyle Groupのグループ会社との譲渡契約の締結に伴い、財務会計基準審議会(FASB)会計基準書第205号-20「財務諸表の表示-非継続事業」に従い、連結損益計算書上、非継続事業として取り扱われるため、当社グループ(連結)の売上高、売上総利益、営業利益には当該事業の売上高、売上総利益、営業利益は、含まれていません。

なお、当期における対米ドル、対ユーロおよび対人民元の平均レートはそれぞれ150.3円(前期比2.3円の円高)、173.9円(前期比10.2円の円安)、21.1円(前期比0.0円)となりました。
部門別概況
○当社グループ(連結)の部門別売上高




グローバルにおける設備投資需要は、EV関連分野は引き続き停滞したものの、生成AI関連は堅調に推移しました。これらの投資需要を確実に捉えたことに加え、昨年度から継続的に進めている各エリアの顧客ニーズに対応した新商品を計画通りに開発・リリースを行った効果もあり、売上高は前期比で大きく増加しました。
将来成長に向けた先行投資を実行したことに加え、部材価格や物流コストの上昇などの影響があったものの、売上高が大きく増加したことにより、営業利益は前期を大きく上回りました。
この結果、当部門の当期の売上高は、4,095億円(前期比12.3%増)、営業利益は、428億円(前期比18.0%増)となりました。

主要な事業内容
制御機器事業は、「オートメーションで人、産業、地球の豊かな未来を創造する」をビジョンに、オムロンがこれまでに培ってきた“センシング&コントロール + Think”のコア技術を基盤に、世界中の製造業のモノづくりを先進のオートメーションで革新し、産業の発展に貢献してきました。独自の価値創造コンセプト“i-Automation!”(*)を掲げ、業界随一の幅広い制御機器を軸に、製造業を中心に急激に変化する社会課題を革新的ソリューションで解決し、産業の高度化とともに働く人々の幸せの実現に貢献する社会価値の創出を目指します。
○プログラマブルコントローラ、モーションコントロール機器、センサ機器、産業用カメラ・コードリーダ機器、検査装置、セーフティ用機器、産業用ロボット
(*)“i-Automation!”・・・当社は、モノづくり現場の課題解決を通じて社会価値を創出する価値創造コンセプト“i-Automation!”を提唱し、モノづくり革新を牽引しながら地球環境との共存と人々の働きがいを実現するサステナビリティに向けたオートメーションの提供を推進しています。“i-Automation!”は、人をより創造的な役割に誘い、現場生産性の最大化とエネルギー効率を両立する「人を超える自働化」、人の可能性を最大に引き出し、人と機械が共に成長・進化する「人と機械の高度協調」、そして製造現場や設備をデジタル空間で再現し、モノづくり現場のDXを加速させ、業務プロセスの革新に貢献する「デジタルエンジニアリング革新」の3つのコンセプトの具現化を目指しています。


主力製品である血圧計市場において、中国を除くエリアでは堅調に推移しました。中国では、消費低迷の影響を受けつつも新商品を投入したことなどにより、第2四半期(2025年7月~9月)以降、継続して前年同期比で増加しました。しかしながら、第1四半期(2025年4月~6月)における減少の影響が大きく、通期の売上高は前期並みの水準となりました。
米国関税政策による影響や血圧計のグローバルでの主要価格帯における競争激化がある中、原価低減や固定費構造の見直しに取り組みましたが、営業利益は前期比で大きく減少しました。
この結果、当部門の当期の売上高は、1,453億円(前期比0.4%減)、営業利益は、154億円(前期比11.8%減)となりました。

主要な事業内容
ヘルスケア事業は、「地球上の一人ひとりの健康ですこやかな生活への貢献」をミッションに、誰でも簡単・正確に測定できる使いやすさと、医療現場でも活用できる精度と品質にこだわった医療機器とサービスを提供しています。「Going for Zero -予防医療で世界を健康に-」を事業ビジョンに掲げ、循環器疾患と呼吸器疾患、日常生活に影響する痛みの分野において、当社がこれまで培った技術と知見をいかしたデバイスとサービスをグローバルに提供しています。血圧計や体温計、喘息治療薬を吸入するための機器であるネブライザなど、各国や地域における医療機器認証に適合したデバイスを世界130ヵ国以上に展開しています。また、近年においてグローバルに普及がすすむ遠隔診療サービスの領域では、医師が遠隔で患者が測定した日常のバイタルデータをモニタリングして、よりよい治療につなげる遠隔患者モニタリングサービスを欧州や米国を中心に展開しています。
○電子血圧計、ネブライザ、低周波治療器、心電計、酸素発生器、電子体温計、体重体組成計、歩数計・活動量計、電動歯ブラシ、パルスオキシメータ、マッサージャ、血糖計、動脈硬化検査装置、遠隔患者モニタリングシステム、遠隔診療サービス


エネルギーソリューション事業は、再生可能エネルギーの自家消費ニーズの高まりや補助金制度の利用、産業・商業領域でのカーボンニュートラルに向けた取り組み加速による投資継続を受け、蓄電システムなどが堅調に推移しました。また、駅務システム事業についても、旅客者数の回復などを背景に、設備投資需要が安定して推移しました。これらの結果、売上高は前期比で増加しました。
売上高が堅調に推移したことに加え、製造原価のコストダウンや価格適正化に取り組んだ効果により営業利益は前期比で大きく増加しました。
この結果、当部門の当期の売上高は、1,443億円(前期比0.5%増)、営業利益は、197億円(前期比28.6%増)となりました。

主要な事業内容
社会システム事業は、「世界中の人々が安心・安全・快適に生活し続ける豊かな社会を創造する」ことをミッションに、社会インフラを支える事業を展開しています。蓄電システムや太陽光発電用パワーコンディショナーなどのエネルギー関連製品、自動改札機・券売機に代表される駅務システム、交通管制・道路管理システム、UPS(無停電電源装置)やインフラモニタリングなど、幅広い製品・システムを提供しています。また、エンジニアリングから運用管理・保守メンテナンスまでを一体で提供するM&S(マネジメント&サービス)により、社会インフラの安定稼働に貢献しています。
○エネルギー事業(蓄電システム・太陽光発電用パワーコンディショナー)、モビリティ事業(駅務システム、交通管制・道路管理システム)、IoT事業(UPS、インフラモニタリング)、M&S事業(運用管理・保守メンテナンス)


JMDC社における健康情報プラットフォーム「Pep Up」(ペップアップ)の発行ID数が引き続き拡大しました。健康保険組合や医療機関に由来した匿名加工データを利活用する製薬企業および保険会社などとの取引額も引き続き増加しました。これらの結果、売上高は前期比で大きく増加しました。
データソリューション事業創出に向けた投資を着実に実施する一方で、JMDC社の営業利益が堅調に推移したことにより、営業利益は前期比で大きく増加しました。
この結果、当部門の売上高は、512億円(前期比19.7%増)、営業利益は、36億円(前期比27.6%増)となりました。
JMDC社の連結子会社化によって識別した無形資産の償却費などの費用を当セグメントに含めています。

主要な事業内容
データソリューション事業は、「モノの枠を超えるビジネスへ。オムロンを変革し、真の顧客価値を創出する。」をミッションとし、オムロングループ全体をモノづくりからデータを活用したソリューションビジネスに進化させます。デバイスやコンポーネントから得られる各事業の膨大な現場データと、2023年10月にグループに加わった株式会社JMDCのデータマネジメント力、ソリューション開発力を組み合わせることで、SF2030で掲げる3つの社会的課題「カーボンニュートラルの実現」「デジタル化社会の実現」「健康寿命の延伸」を解決し、次の成長事業を創造します。
○データヘルスケア事業、コーポレートヘルス事業、M&S(マネジメント・サービスソリューション)事業、データ活用ソリューション事業、自立支援事業