第88回 定時株主総会招集ご通知 証券コード : 7921

事業の経過およびその成果

 当連結会計年度におけるわが国経済は、経済活動の正常化に伴うインバウンド需要の大幅な回復や堅調な企業業績等を背景に、雇用・所得環境の改善など景気は緩やかな回復が続きましたが、原材料・エネルギー価格の高止まりや継続する物価上昇など設備投資や個人消費が下振れする懸念要素もあり、また米国による今後の政策変更や、中東における紛争のほか海外情勢の緊迫化など依然として不透明な状況が続いております。

 このような事業環境において、多様化・高度化する情報開示に対するシステムの技術革新等を含めた対応要請、オンライン化、事業体のグローバル化への動きは今後も一層進展していくものと考えております。

 ディスクロージャー関連事業では、企業価値の拡大を目指すお客様のニーズにお応えするべく、決算開示実務の一層の利便性向上を推進する統合型ビジネスレポートシステム「WizLabo(ウィズラボ)」の導入社数の増加に注力し、「ネットで招集」や株主総会の動画配信(ライブ・オンデマンド)をはじめとする株主総会プロセスの電子化への対応、各種製品・サービスへの先進的テクノロジーの組み入れ対応にも引き続き取り組んでまいりました。また、改訂コーポレートガバナンス・コード適用や資本コストを意識した経営の実現に向け積極性を増すステークホルダーとの対話、海外投資家に向けた英語での会社情報の開示への一層の取組みに際して必要となるIR支援・翻訳サービスのほかにも、サステナビリティ情報を含む非財務情報開示の充実化への需要に対する統合報告書の作成や環境関連のコンサルティング等、各サービスにおける提案力・制作体制・品質の強化を進めてまいりました。このほか、日常の定形的な業務等においてはグループ内にあるRPAの担当部署が連携する形でロボによる自動化、効率化をより一層推進し、年間合計で3万時間超の業務代行をRPAの活用で対応している状況となっております。

 通訳・翻訳事業では、通訳事業においては、日本での国際会議、イベントが復活し、コロナ禍で需要が増えたオンラインでの社内会議が安定的に推移したことにより、オンサイトでの会議、オンラインとの組み合わせによるハイブリッド型会議など、大型イベントに落ち着きが見られるものの様々な形式で顧客数が増加しております。翻訳事業においては受注件数が増加しており、体制の強化に努めるとともに、通訳・翻訳業界におけるAI影響のリサーチを行い、変化する顧客ニーズに対応する新たな製品として翻訳プラットフォーム「SIMULwiz(サイマルウィズ)」や「AI通訳」の販売を開始するなど、提供体制を整えることにも注力してまいりました。

 その結果、当連結会計年度の売上高は29,678百万円(前連結会計年度比400百万円増、同1.4%増)となりました。利益面については、営業利益は4,048百万円(同182百万円減、同4.3%減)、経常利益は4,239百万円(同68百万円減、同1.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,075百万円(同1,061百万円増、同35.2%増)となりました。


セグメント別の状況

 セグメント別(ディスクロージャー関連事業、通訳・翻訳事業)の売上高の状況は、次のとおりであります。
 なお、セグメントの業績数値は、セグメント間の内部売上高または振替高を相殺消去して記載しております。

ディスクロージャー関連事業

売上高21,761百万円(前連結会計年度比3.3%増)
 当セグメントにおきましては、金融商品取引法に関連する製品の売上が増加したことなどにより、売上高は21,761百万円(同689百万円増、同3.3%増)となりましたが、製造コストおよび人件費、経費の増加等により、セグメント利益は3,361百万円(同7百万円減、同0.2%減)となりました。

 「ディスクロージャー関連事業」を4つの製品区分別にご説明いたしますと、次のとおりであります。

金融商品取引法関連製品
 売上高8,727百万円(前連結会計年度比11.4%増)

 統合型ビジネスレポートシステム「WizLabo」の導入顧客数の増加や、目論見書の売上が増加したことにより、売上高は8,727百万円(同895百万円増、同11.4%増)となりました。

主な製品 有価証券報告書、決算短信、有価証券届出書、目論見書、上場申請のための関係書類、WizLabo、他


会社法関連製品
 売上高6,505百万円(前連結会計年度比1.4%減)

 株主総会招集通知の早期開示傾向の影響により、関連する売上が5月に移行する動きが見られます。前連結会計年度は電子提供の定着化を背景に傾向がより顕著となり、売上高は6,505百万円(同95百万円減、同1.4%減)となりました。

主な製品 株主総会招集通知、決議通知、配当金関係書類、他


IR関連製品
 売上高4,907百万円(前連結会計年度比3.7%増)

 統合報告書の売上が増加したことにより、売上高は4,907百万円(同173百万円増、同3.7%増)となりました。

主な製品 株主通信(事業報告書)、ディスクロージャー誌、アニュアルレポート、CSR報告書、統合報告書、会社案内、他

その他製品
 売上高1,621百万円(前連結会計年度比14.9%減)

 企業の開示プロセス支援に係るシステム開発の売上が減少したことにより、売上高は1,621百万円(同284百万円減、同14.9%減)となりました。

主な製品 株主優待、法定公告、一般印刷物、他


通訳・翻訳事業

売上高7,917百万円(前連結会計年度比3.5%減)

 当セグメントにおきましては、売上高は7,917百万円(同289百万円減、同3.5%減)となりました。
 通訳事業においては、2023年5月前後からコロナ禍で中止、延期となっていたイベントや国際会議などが実施され需要が一気に増えましたが、2023年後半から通常に戻りつつあります。コロナ禍で増えたオンラインでの社内会議は引き続き需要があり、オンサイトでの会議、オンラインとの組み合わせによるハイブリッド型会議など様々な形式での案件があり、取引社数および受注数は対前連結会計年度比で増加したことでほぼ2023年5月期並みで推移しました。
 翻訳事業においては海外顧客からの発注は堅調ではあるもののプロジェクトの延期、また、国内においてはAI翻訳の影響もあり、売上高は前連結会計年度を下回りました。
 また、利益面では、売上高が減少したのに加え、体制強化による販管費の増加や機械翻訳による効率化を進めるための初期費用の計上があり、セグメント利益は388百万円(同139百万円減、同26.5%減)となりました。

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2025/08/22 11:00:00 +0900
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