第75回 定時株主総会 招集ご通知 証券コード : 2229

対処すべき課題

【環境認識】
 当社グループを取り巻く足元での事業環境変化としては、地政学的リスクおよび為替影響を背景としたエネルギー・原材料コストの高騰、中国の景気低迷、インフレによる消費マインドの縮小等が挙げられます。2025年3月期は、原材料コスト高騰の継続に加え、「2024年問題」による物流費上昇等の新たなコストアップ要因や金融緩和政策転換の動き等、引き続き厳しい経営環境が見込まれますが、国内では企業の設備投資意欲の高まりや30年ぶりとなる大幅な賃上げもあり、緩やかながら経済回復が続くことが想定されます。
 中長期的には、温暖化等の地球環境の変化による資源獲得競争の激化が進む中、サプライチェーンにおける環境負荷や人権への配慮がより強く求められています。また、国内市場では少子高齢化や単身世代の拡大、生活スタイルの変化によって食に対する価値観の多様化が進む一方、グローバルマーケットでは新興国での中間所得層の拡大等によって食料需要の増大が想定されています。当社グループは、このような事業環境の変化は持続可能な成長の機会でもあると捉えています。

【経営の基本方針】
 当社グループはOur Value(企業理念、グループビジョン、およびコーポレートメッセージ)を基盤として、2030年に向けた2030ビジョンを定めています。1949年の創立以来、私たちは、自然の恵みを大切に活かし、おいしさと楽しさを創造して、人々の健やかなくらしへの貢献を実践してきました。変わらぬOur Valueのもと、中長期の社会課題に対応し、事業機会を捉えて、次なる成長に向けた変革に踏みだしていくことが重要です。

 当社グループは、2030年に向けた成長戦略 Change2025(2023年度〜2025年度)を推進しています。2023〜2025年度を「構造改革期」、2026〜2030年度を「再成長期」と位置づけ、海外や新たな食領域等の成長領域に集中して投資を振り向けることで、収益性と成長性が両立する事業ポートフォリオへの転換を図ります。さらに、100年を超えても成長し続ける企業となるべく、ステークホルダーとともに「サステナビリティ経営」を進化させていきます。継続的な事業の成長と持続可能な社会の実現を両輪として、カルビーグループの企業価値向上を目指します。

【成長戦略Change2025】
 <3ヵ年変革プラン>
 3ヵ年変革プラン「Change2025」の重点課題は以下のとおりです。

次なる成長に向けた事業構造改革
(1) 収益力強化
 国内コア(スナック・シリアル)事業においては、量的拡大から脱却し、ブランド強化による付加価値向上を目指すとともに、限られた資産・資源を活用して、利益を最大化するための販売・稼働・供給の最適化を図ります。また、次世代型工場の基盤構築し、環境負荷の低減や自動化・省力化による生産性の向上、働く人の作業環境改善を実現します。
(2) 事業ポートフォリオ変革
 中長期的に成長機会の大きい領域を見極め、積極的に資源を投下します。特に、海外、アグリビジネス(ばれいしょ、甘しょ、豆等)、食と健康領域に注力しています。
(3)事業基盤強化
 事業環境変化に対応し、スピーディな経営を実行する組織へと変革し、同時に、戦略人財(経営人財、グローバル人財、DX人財)の育成・強化を促進します。また、人権や生物多様性等の重要性の高い課題を特定し、サステナビリティ経営の実践・進化を進めます。

<成長ガイダンス(2023年度〜2025年度)>

<財務戦略>
 2023年度から2025年度の3ヵ年で創出する営業キャッシュ・フローの総額は900億円程度を想定しています。これに加え、手元資金等300億円程度、借入金を活用し、成長投資、効率化投資、株主還元へ配分します。
・成長投資 :国内外の設備投資、M&Aなど新規領域の成長投資 800億円程度
・効率化投資:ESG対応、自動化・省力化等生産性向上のための設備投資 600億円程度
・配当方針 :DOE4%、総還元性向50%以上を目途に安定的な増配実施 250億円程度

【サステナビリティ経営の進化】
 サステナビリティ経営は、カルビーグループの成長において重要な事業の基盤です。カルビーグループは、自然素材を活かして人々の健康に役立つ商品をつくるという想いのもと、顧客や取引先をはじめとするステークホルダーとの共創を行ってきました。環境問題やサプライチェーン上の人権問題など企業を取り巻くあらゆる社会課題のうち、カルビーグループが将来にわたって事業活動を継続するために重要な課題をマテリアリティとして定め、重点テーマを設定しています。なお、2020年に特定した8つのマテリアリティについては、外部環境の変化を踏まえ、人権や生物多様性の課題など、より重要性が高いテーマを追加し、5つのマテリアリティと13の課題に再特定しています。

<5つのマテリアリティ>
 (1) 人々の健やかなくらしと多様なライフスタイルへの貢献
 (2) 農業の持続可能性向上
 (3) 持続可能なサプライチェーンの共創
 (4) 地球環境への配慮
 (5) 多様性を尊重した全員活躍の推進

 今後も環境・社会・経済を取り巻く課題に対して、ステークホルダーとともに新たな価値を創造するサステナビリティ経営を進化させていきます。

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2024/06/25 12:00:00 +0900
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