第102回定時株主総会招集ご通知 証券コード : 6902
環境
当社はこれまで、持続可能なモビリティ社会の在り方を模索し、環境負荷低減、環境保全活動を通じて経済価値を創出する「環境経営」を推進してきました。その「環境経営」をさらに進化させて、2035年までに生産活動におけるカーボンニュートラルの実現を目指します。
実現のために取り組む3つの領域
電動化が複線化する状況において、お客様の期待に応える製品を提供し続けるため、BEV、PHEV、HEV向けにインバーターの品揃えを拡充しました。
さらに、インバーターの生産を㈱デンソー福島でも開始し、より迅速に供給できる体制を実現しました。
企業や自治体等における優れた省エネ活動や、技術開発による先進型省エネ製品等を表彰する「省エネ大賞」において、新エアー洗浄技術の確立が最上位の経済産業大臣賞に選ばれました。大量の圧縮エアーを消費する洗浄工程において、最適な形状のエジェクターを開発したことで、従来比90%のCO2排出量削減を実現することができた点が高く評価されました。ほか2案件でも異なる賞を受賞し、当社初の3案件同時受賞となりました。
安心
当社は事業活動を通じ、社会に「安心」を提供することを使命としています。交通事故や大気汚染、自然災害、少子高齢化といった社会課題の解決を実現し、社会に「安心」を提供するリーディングカンパニーを目指します。
実現のために取り組む3つの領域
高純度カーボンナノチューブを高効率に生成する技術を持つフィンランドのカナツ社とカーボンナノチューブ技術の実用化に向けた覚書を締結しました。自動運転技術の進化に伴い、クルマはカメラ等を使って周囲を正確に検知することが求められますが、曇りや霜により視界が遮られ、検知が難しくなるといった課題があります。両社の技術を用いた透明ヒーターの実用化により、課題の解決につなげ、さらなるクルマの安全性向上と自動運転技術の進展に貢献します。
技術基盤
当社は創業以来、世界初・世界一製品にこだわり、技術を磨いています。世界最先端のクルマづくりを支えてきた研究開発で蓄積した化学、物理学、電子工学等、幅広い技術を駆使することで、「環境」「安心」の理念実現に果敢に取り組んでいきます。
クルマの電動化と知能化が加速する中、それらを支える半導体の重要性が増しています。当社は信頼性の高い車載向け半導体の安定供給に加え、高品質・高効率な半導体の開発に向けて、ローム㈱やオンセミ社とのパートナーシップを強化しています。本連携を通じ、電動車の開発・普及の加速や、先進運転支援システムの性能向上を通じた交通事故死亡者ゼロを目指していきます。
大規模・高度化する車載ソフトウェアを高速かつ効率的に開発・提供することを目指し、クラウド等(Out-Car)の技術に強みを持つ㈱NTTデータと、車載ソフトウェア等の車両(In-Car)技術に強みを持つ当社は、ソフトウェア領域での包括提携に関する覚書を締結しました。本締結を通じ、SDV時代に向けてクルマとクラウドをソフトウェアでつなぎ、クルマの魅力を進化させることで、未来のモビリティ社会の実現に貢献していきます。
企業基盤
当社は社会から共感いただける企業を目指し、企業基盤の強化にも積極的に取り組んでいます。事業活動と社会課題の解決を両立させるサステナビリティ経営を実践する等、「環境」「安心」「共感」の理念実現に向けて、企業価値を高めていきます。
IoT※や自動運転の進化に伴い、自動車産業でもサイバー攻撃や情報漏洩のリスクが増大しています。
当社は情報資産保護と安心・安全な製品・サービスづくりの両面から情報セキュリティの推進に取り組んでいます。具体的には、①社員のセキュリティリテラシー向上と、基本動作を徹底するための教育・訓練、②AI等の最新技術を活用し、サイバー攻撃を迅速に防御・検知・復旧する構えの構築、③製品ライフサイクル全体のセキュリティ・プライバシー品質保証プロセスと体制強化等を行い、国際的なセキュリティ認証の取得にも挑戦しています。
※IoT:Internet of Things 物や機械がインターネットを使ってデータをやり取りする技術
当社は社員一人ひとりが、自身のキャリアを主体的に考え、行動することを支援しています。社員と上司の対話の質向上等、キャリア形成を相談しやすい職場環境づくりに加え、ソフトウェア技術者向けイノベーションプログラム等、キャリア開発の支援も行っています。本プログラムは、社内に留まらず産官学へと展開し、業界全体でモビリティ人財が育つ環境整備に貢献しており、厚生労働省が主催する「グッドキャリア企業アワード2024」において、イノベーション賞を受賞しました。今後も、社員一人ひとりがキャリアを主体的に考え、行動することを支援していきます。
共感
サプライチェーン全体での活動を促進するために、取引先様へのカーボンニュートラル方針説明会や工程見学会を開催しました。取引先様に活用いただける省エネ施策の紹介や取り組み方法の意見交換等、取引先様との対話を進めています。こうした取り組みを通じて、取引先様と一体となり、サプライチェーン全体でのサステナビリティ活動を推進していきます。
創立75周年の節目を迎えた昨年、改めて当社の歴史を振り返り、創業時から変わらない「デンソーらしさ」について考える機会として、DENSO Culture Day 2024を開催しました。世界各地から約500人の仲間が集まり、地域や立場を超えて自由闊達に「デンソーらしさ」を議論するとともに、未来に向けて、会社のありたい姿やリーダーとしての姿勢について、経営陣と想いを共有しました。
当社はスポーツを通じて、社員に元気を届ける、地域の皆様とつながる、スポーツ界の発展に貢献するという3つの想いのもと、6つの強化クラブを運営しています。当社女子バレーボール部のエアリービーズは、新たに発足した日本最高峰のSVリーグへの参戦を機に、ホームタウンを福島県郡山市へと移転しました。バレーボールを通じて、福島の復興につながるよう、エアリービーズは㈱デンソー福島とともに地域振興・スポーツ振興の役割を果たしていきます。