取締役10名全員は、本総会終結と同時に任期満了となります。また当社は、本総会の決議事項第1号議案が原案どおり承認可決された場合、監査等委員会設置会社に移行します。つきましては、監査等委員会設置会社に移行後の取締役6名(監査等委員である取締役を除く。以下本議案において同じ)を選任したく、その候補者は下記の表のとおりです。
当社の取締役には、「トヨタフィロソフィー*1」を基盤に、「商品と地域を軸にした経営」を実践し、将来に亘る持続的成長に向けた意思決定への貢献、仲間づくりなどを通じたモビリティカンパニーへの変革、気候変動をはじめとした環境対応や当社およびバリューチェーンに関わる社会課題の解決に貢献できることが必要だと考えています。
各取締役候補者は、社外取締役が過半数を占める「役員人事案策定会議」にて、取締役会に上程する案を検討しました。また、社外取締役候補者の2名は、当社独自の社外役員の役割・期待に資する人材であり、当社が定める「独立性判断基準*2」を満たしており、独立した立場から、幅広く豊富な経験と知見を当社の経営に活かしていただくことを期待しています。
取締役の体制*3は、取締役および監査等委員である取締役を合わせて、総合的に検討しています。各人の有する知識・経験・能力等をスキルマトリクスにて一覧化し、重要な業務執行の決定と経営の監督を適切に行うために、能力のバランスとダイバーシティに配慮した人材で取締役を構成しています。
*1 招集通知3ページ「トヨタフィロソフィー」の解説を参照ください。
*2 招集通知31、32ページの「(ご参考)社外役員の役割・期待、独立性判断基準」を参照ください。
*3 招集通知33、34ページの「(ご参考)コーポレートガバナンスハイライト、スキルマトリクス」を参照ください。
取締役候補者一覧(2025年6月12日定時株主総会後の予定)
*4 2025年3月期の取締役会への出席状況を記載しています。
選任にあたっては、「トヨタフィロソフィー」への共感、当社の事業および人材への高い関心等をもとに候補者を選定し、社外取締役が過半数を占める役員人事案策定会議において、候補者との直接面談を含めた評価を行うなど、丁寧な選任プロセスを整えています。また、就任後は、執行チームとのコミュニケーション、社内行事への出席、現地現物活動等を通じた、きめ細かなサポートを実施しています。
候補者の決定
▽候補者リストを元に役員人事案策定会議で議論
・社長が社外取締役候補案を作成し、社外取締役が過半数を占める役員人事案策定会議にて審議
※選定基準については、招集通知31、32ページの「(ご参考)社外役員の役割・期待、独立性判断基準」をご参照ください
面談
▽役員人事案策定会議メンバー・執行チームとの面談
・執行チームも含めて面談を行い、適性、人物面を丁寧に把握
審議・最終決定
▽適性の評価・最終決定
・役員人事案策定会議で個人の評価を審議し、取締役会に提案
・取締役会で決議し、定時株主総会に取締役選任議案を上程
取締役会実効性向上の取り組み
▽取締役会の実効性向上に向け、社外取締役に対するきめ細かなサポートを実施
・取締役会の前に議題に関する事前説明を実施
・会長や執行チームとのミーティング(24年度5回)、社長とのミーティング(同4回)実施
・サステナビリティ会議、GRC会議等の主要な会議体への出席、各部門幹部とのディスカッションを実施
・TPS自主研、ディーラー大会、レース・スポーツ応援等の社内行事への出席
・現地現物活動(工場や国内外子会社訪問)
25年
94%(15/16回)
23,746,724株
トヨタ不動産㈱ 代表取締役会長
㈱デンソー 取締役
㈱ルーキーレーシング
代表取締役
トヨタ ガズーレーシング ワールドラリーチーム㈱
代表取締役会長
取締役会議長
<最近の状況>
豊田章男氏は、14年間社長として当社を率い、様々な危機を乗り越えながら、長期的な視点で「商品と地域を軸にした経営」を構築した豊富な経験と知見を活かし、代表取締役として経営の責任を担うとともに、会長として業務執行を監督しております。
会社の代表のみならず、自動車産業ひいては日本の未来に向けて、海外要人との直接交渉や、業界の垣根を越えたパートナーシップ構築におけるトップ間の関係づくり、政財界キーマンとの強固な関係づくり、モータースポーツ普及活動を通じた世界のビジネスパートナーとの関係づくりを進め、事業の足がかりとなるコミュニケーションを担っております。また、2025年1月の米国の家電見本市(CES)では、モビリティカンパニー変革に向けたテストコースとなるWoven Cityの進捗を、全世界に発信しました。
そして、執行役員への業務執行の権限委譲を拡大しながら、前例の無い大きなチャレンジ等には「前工程」の相談相手となり、積極果敢な執行を強力に後押ししています。また、取締役会議長として、社外役員に当社の取り組みや風土を知る機会を提案するとともに、積極的にコミュニケーションを図って幅広い意見を引き出すなど、取締役会の実効性を改善しています。
加えて、当社およびグループ各社の「現場」に寄り添った取り組みを進めています。モータースポーツを起点とした「もっといいクルマづくり」においては、「マスタードライバー」として、クルマの乗り味を究極まで突き詰める姿を見せることで、現場の人材育成を進めています。さらに、グループのガバナンス向上には、グループビジョンに基づき、現場一人ひとりの行動様式を変えることが必要不可欠であるとの思いから、現場リーダーとの本音の対話(章男塾)を通じて、大切にする価値観を伝えています。そのひとつである「章男塾法規認証TPS自主研究会」では、認証問題に対する根本的な再発防止策として、会社や機能を越えた現場のリーダーが集まり、改善を通じた、より良い仕事の仕組みづくりを進めています。
<候補者とした理由および期待される役割>
当社のモビリティカンパニーへの変革を強力に推進するとともに、グループ、自動車産業、日本の未来のための行動を加速し続けていることから、引き続き当社の企業価値向上に寄与できると判断し、取締役候補者としました。
2年
100%(16/16回)
186,462株
トヨタ モーター ノース アメリカ㈱
取締役会長
Chief Executive Officer
<最近の状況>
佐藤恒治氏は、「商品と地域を軸にした経営」の基盤を活かして、「トヨタモビリティコンセプト」のもと、モビリティカンパニーへの変革に向けた取り組みの具体化と実践をリードするとともに、10年先を見据えた持続的成長の土台をつくる「足場固め」を推進しています。
カーボンニュートラルに向けては、次世代バッテリーEV、小型・高効率な新しいエンジンの開発、燃料・インフラへの取り組みをはじめ、エネルギーの未来を見据えて、地域ごとに異なるニーズに応える多様な選択肢(マルチパスウェイ)の具体化を進めています。また、クルマの価値を拡張して社会とつながるモビリティへ進化させるために、産業を超えた仲間との共創関係を構築しながら、交通事故ゼロへの貢献を目指す「トヨタらしいソフトウェア・ディファインド・ビークル(SDV)」の基盤づくりや電池・水素のバリューチェーンづくりに取り組んでいます。
「足場固め」の取り組みにおいては、この1年、持続的成長に向けて「1000万台のクルマづくりの競争力」と「多様な挑戦の実行力」を発揮できる環境をつくることを足元の重点課題に定め、安全・品質の徹底や人材育成、生産・開発現場の環境改善などを推進してきました。
認証問題の再発防止においては、率先して現場を回り、現場の声を聴き、すぐにアクションにつなげることを実践しています。全社を挙げて正しい仕事の環境をつくるために、認証現場の設備・備品の更新や人員の増強、開発の節目管理の見直しなどの対策をタイムリーに実行に移しながら、全従業員へのメッセージ発信や労使の話し合いを積み重ねて、社内風土を変える取り組みを進めています。
また、中長期の経営課題については、議長を務めるサステナビリティ会議を通じて、会議に参画する社外役員の多様な知見を取り入れながら、モノづくりの変革を目指す「未来工場」のプロジェクトや、一気通貫DXによるクルマづくりの基盤整備をはじめ、企業と社会の永続的な発展に向けた重点テーマの取り組みをリードしています。
<候補者とした理由および期待される役割>
クルマを通じて世の中を豊かにするため、リーダーシップを発揮して経営戦略の具体化と実践を加速するとともに、長期的な視野を持って「足場固め」への取り組みを強力に進め続けていることから、引き続き当社の企業価値向上に寄与できると判断し、取締役候補者としました。
2年
100%(16/16回)
70,700株
Commercial Japan
Partnership Technologies㈱
代表取締役社長
Commercial Japan
Partnership Technologies Asia㈱
代表取締役社長
トヨタガズーレーシングヨーロッパ㈲
会長
Chief Technology Officer
<最近の状況>
中嶋裕樹氏は、「商品と地域を軸とした経営」において、Chief Technology Officerとしてモビリティカンパニーへの変革に向け、技術開発を推進。具体的には、「トヨタモビリティコンセプト」を、電動化・知能化・多様化の3つのアプローチから加速させています。
電動化は、「マルチパスウェイ戦略」の具体化を進め、ハイブリッド車を軸としてバッテリーEVからプラグインハイブリッド車、水素モビリティまで、お客様や地域に合わせた開発を推進。知能化は、交通事故ゼロの社会を目指す「トヨタらしいソフトウェア・ディファインド・ビークル(SDV)」に向けて、NTTなど業界の垣根を越えたパートナーシップの構築や、ソフトウェアプラットフォーム「Arene(アリーン)」の開発を指揮しています。そして多様化は、陸・海・空ですべてのお客様にモビリティを提供する「Mobility for All」を実現するために、空のモビリティ実用化に向けたJoby Aviationとの協業など、開発や他社との連携をリードしています。
また、Commercial Japan Partnership Technologies㈱(CJPT)社長として、物流業界の課題解決やカーボンニュートラルに向けて、インフラと連携した商用車の社会実装を推進しています。
これらの取り組みと合わせて、当社およびトヨタグループ各社の認証問題では、繰返し現場に赴き、対話し、足場固めに向けた活動をリード。当社が未来へ向かって挑戦し続けられる力を蓄えるために、プロジェクトの見直しなどを実施するとともに、メンバーが仕事の進め方を再確認し、能力を底上げする取り組みを強力に推進しています。
<代表取締役としての選任予定>
本議案において中嶋裕樹氏の選任をご承認いただいた場合、豊田章男氏、佐藤恒治氏、宮崎洋一氏とともに、代表取締役として選任する予定です。
2023年より、トップと連携して会社全体の経営を担う執行役員の中で、「商品と地域を軸にした経営」の実践として、主に商品軸における豊富な知識と経験を持つ中嶋氏が、副社長を担っております。現在代表権を持つ豊田会長・佐藤社長とも密に連携できることから、会社の意思決定と執行をより迅速に行うため、代表権を付与することが適切だと考えております。
なお、従来兼務していたMid-size Vehicle(MS)Company Presidentを、2025年1月に引き継ぎ、より経営全体の執行と監督に専念しております。
2年
100%(16/16回)
96,137株
―
Chief Financial Officer、Chief Competitive Officer、役員人事案策定会議委員、報酬案策定会議委員
<最近の状況>
宮崎洋一氏は、「商品と地域を軸とした経営」において、Chief Financial OfficerおよびChief Competitive Officerとして、モビリティカンパニーへの変革に向けた各地域の商品投入と事業戦略ならびに、それを支える財務・資本戦略を推進しています。
具体的には、地域CEOと密に連携し、各地域の環境・お客様ニーズの変化をタイムリーに把握した、短期・中長期での事業計画を実行するとともに、収益構造のさらなる強化に向け、既存ビジネス強化と新規事業の両面におけるバリューチェーンビジネスの拡大を推進しています。
また、「マルチパスウェイ戦略」に基づいて、旺盛なハイブリッド車需要への対応を指揮するとともに、バッテリーEV(BEV)においては、各地域の需要変化も踏まえ、グローバルでの車両の生産供給体制・電池調達基盤の構築と投資判断等、事業全体の舵取りを進めています。
財務・資本戦略においては、収益構造の強化を着実に進め、最適なバランスシートの構築に向け、政策保有株式やトヨタグループ会社株式の持ち合いの見直しと未来への投資、株主還元によって、資本の最適配分を推進しています。
これらの取り組みと合わせて、当社およびトヨタグループ各社の認証問題の再発防止をはじめとした、足場固めに向けた取り組みも進めています。現場の声に基づく職場環境改善への投資をリードするとともに、率直な対話と行動を起こせる職場風土構築に向け、労使の話し合いへ積極的に参画しています。また、グループの各社とオープンな対話を進め、事業戦略の策定をリードしています。
<代表取締役としての選任予定>
本議案において宮崎洋一氏の選任をご承認いただいた場合、豊田章男氏、佐藤恒治氏、中嶋裕樹氏とともに、代表取締役として選任する予定です。
2023年より、トップと連携して会社全体の経営を担う執行役員の中で、「商品と地域を軸にした経営」の実践として、主に地域軸における豊富な知識と経験を持つ宮崎氏が、副社長を担っております。現在代表権を持つ豊田会長・佐藤社長とも密に連携できることから、会社の意思決定と執行をより迅速に行うため、代表権を付与することが適切だと考えております。
なお、従来兼務していた事業・販売領域のPresidentを、2025年4月に引き継ぎ、より経営全体の執行と監督に専念しています。
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1,000株
日本たばこ産業㈱ 取締役副会長
<候補者とした理由および期待される役割>
岡本薫明氏は、長年にわたる省庁における経験の中で、財務事務次官などの重要な役職を歴任し、国の政策全般における豊富な知見を有しております。
財務省では主に予算編成に従事し、財政面で国の政策全般に携わることを通じて、今と将来の社会の在り方への豊富な知見を持ちます。また、阪神・淡路大震災への対応、大手金融機関の公的資金注入、リーマンショック時の経済対策といった危機対応への経験も有します。
財務事務次官の在任時には、組織改革に向けて「財務省再生プロジェクト」を立ち上げ、プロジェクトの本部長を務めました。外部有識者を積極的に巻き込むとともに、地方も含めた職員の意見に耳を傾け、コンプライアンスの確保のみならず、組織理念の浸透・実践、人材育成、働き方改革・業務効率化、組織内外のコミュニケーション向上を推進しました。
これらの知見と経験を活かして、財務省の退官後は日本たばこ産業㈱の取締役副会長を務め、監督機能強化やステークホルダーとの関係強化など、コーポレートガバナンス向上に必要不可欠な役割を果たしております。
以上により、岡本薫明氏は、独立した立場で、高い専門性と豊富な経験・知見を活かし、複雑な社会情勢への対応およびコーポレートガバナンス向上への指南役となって当社の企業価値向上に寄与できると判断し、社外取締役候補者としました。
<独立性の確認>
岡本薫明氏が取締役を務める日本たばこ産業㈱と当社との間に取引があります。その額は両社の連結売上高の0.1%未満です。また、同氏と当社および連結子会社の間に取引関係はなく、重要性がないことから、一般株主と利益相反が生じるおそれがないと判断しています。
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㈱国際社会経済研究所 理事長
㈱ネットプロテクションズホールディングス
社外取締役(2025年6月退任予定)
セルソース㈱ 社外取締役(監査等委員)
㈱しずおかフィナンシャルグループ 社外取締役
<候補者とした理由および期待される役割>
藤沢久美氏は、起業経験・社外役員・多くの公職等、多様な経験に基づく幅広い知見と視野の広さ、ネットワークを有しています。
日本初の投資信託評価会社を起業し、代表取締役を務めたほか、株式会社ソフィアバンクの設立に参画してその代表取締役を務め、金融庁金融審議会委員をはじめ多くの公職も歴任しています。また、2007年にはダボス会議を主催する世界経済フォーラムからヤング・グローバル・リーダーに選出されるとともに、2008年には世界の様々な課題を議論するグローバル・アジェンダ・カウンシルのメンバーとなって、世界各国で課題解決に向けた議論を進めました。
また、2016年の日本政府による官民共同国際会議「スポーツ文化ワールド・フォーラム」のリーダーとなるなど様々な官民プロジェクトを担うとともに、国内外の多くのリーダーとの交流や対談の機会に積極的に参画し、異業種・異分野におけるリーダーをつないできました。
社外役員としても、10年以上にわたって上場企業の取締役や指名・報酬委員長等を務めており、経営の監督経験を豊富に有するとともに、豊田通商㈱での社外取締役の経験を通じて、トヨタグループの理解も得ています。
藤沢久美氏は現在、当社の補欠監査役として選任されておりますが、藤沢氏の持つ幅広い知見と人脈から、当社の経営に対して、幅広い視点から新たな価値創造に向けた指摘と助言を行うとともに、新たなネットワークづくりにも貢献いただけると判断し、社外取締役候補者としました。
<独立性の確認>
藤沢久美氏が理事長を務める㈱国際社会経済研究所と当社との間には、取引関係はありません。また、補欠監査役としての年間報酬額約480万円を除き、同氏と当社および連結子会社の間に、取引関係はなく、重要性がないことから、一般株主と利益相反が生じるおそれがないと判断しています。
(注1)本株主総会参考書類は、作成時点(2025年5月8日)の情報を記載していますが、在任期間については今回の株主総会終結時点の情報を、所有する当社株式の数については2025年3月31日時点の情報を記載しています。
(注2)役員等賠償責任保険契約の概要
当社は、保険会社との間で、当社が保険料の全額を負担する役員等賠償責任保険契約を締結しています。当社のすべての取締役、執行役員、Executive FellowおよびSenior Fellowを被保険者とし、当該役職の立場で行った行為による損害賠償金および争訟費用等を填補します。当該役員等賠償責任保険契約においては、役員等の職務執行の適正性担保のため、敗訴時に填補する損害の範囲を限定する旨および一定の事由に該当する場合は保険金を支払わない旨を定めています。2025年7月に現行契約が満了しますが、同様の内容で更新予定です。